シンプルな構造でどこかクラシカルな雰囲気をもつ「J16」。
繊細な曲線が多く採用され、ゆらゆらと優しく揺れる独創的なロッキングチェアで、室内を穏やかでリラックスした雰囲気に演出します。
この記事ではJ16の魅力や特徴を詳しく紹介していきます。
目次
J16とは?
J16は、1944年にデンマーク人家具デザイナー「ハンス・J・ウェグナー」によってデザインされたロッキングチェアです。
現在ではデンマークのデザイナーズ家具ブランド「フレデリシア」にて製造が続けられています。
今も世界中で愛されている、普遍的な美しさをもった北欧家具の一つです。
さらに独自の滑らかな曲線を随所に取り入れたフォルムが特徴。室内に穏やかな雰囲気を演出します。
一方でクラシカルな構造は上品でしっかりとした存在感を感じさせるため、どこか風情のある佇まいが感じられるのも魅力です。
またJ16はウェグナーの代表的な作品ではありますが、同じくデンマーク人家具デザイナーの「ボーエ・モーエンセン」との共作ではないかといわれています。
2人はシェーカーチェアの展示会を訪れた際に、デンマーク生協(FDB)の社長に製作を依頼され共同でプロトタイプを作っていたという、当時のFDB職員の証言も残っているそうです。
耐久性のある丈夫なペーパーコードで作られた座面
J16は座面に高い耐久性と程良いしなりをもつペーパーコードを使用。
丁寧に編み込まれたペーパーコードによって、丈夫なだけでなく繊細なデザインも楽しめる座面に仕上がっています。
素朴でナチュラルな見た目は、室内に柔らかな印象を与えたい場合に最適です。
さらにペーパーコードは通気性と保温性に優れているため、オールシーズン快適に座れます。
おしゃれなうえに機能性も抜群。加えて日焼けや劣化などで発生する経年変化も美しく、使い込むほど味のある佇まいを堪能できます。
わずかに沈み、フィット感のある座り心地は自分だけの安らぎの時間を感じられるでしょう。
「ゆりかご」のように設計された独創的なデザイン
ウェグナーはJ16の脚部分に滑らかな曲線をあしらい、ゆりかごのように揺れるロッキングチェア構造を実現させました。
そして大胆な曲線が描く独創的なデザインにより、心地よい揺れと美しい外観を生み出しています。
またウェグナーが曲線的なロッキングチェア構造をJ16に取り入れたのは、当時妊娠中だった妻・インガ夫人のためでした。
妊婦でも腰掛けやすく、立ち上がりやすいデザインを目指して脚部分やアーム部分を設計したのです。
さらにロッキングチェア構造の椅子ならば、子どもが産まれたあともゆりかごとして使えると考えたウェグナー。
ゆらゆらと安心感を与える揺れにより、子どもを抱えながらでも快適に過ごせます。
妻と産まれてくる子どもに対する愛情が、J16を滑らかなフォルムに仕上げたのです。
部屋の雰囲気に合わせて選べる素材や仕上げ方
J16の木材は「ビーチ」「オーク」「ウォルナット」の3種類から選べます。
淡い雰囲気が強いビーチは優しい雰囲気になり、シンプルな色合いを引き出したオーク材は素朴な印象を楽しめるでしょう。
そして深みのあるウォルナットはシックで上品な印象になる点が魅力です。
また仕上げ方は「ソープ」や「ラッカー」などが選べて、それぞれ異なる風合いを楽しめます。
ソープ仕上げは白がかった色合いに完成するので、室内を柔らかい雰囲気に演出してくれるでしょう。
一方でラッカー仕上げは艶やかでありながらもナチュラルな木の印象を楽しめるため、ウッディな見た目を好む人におすすめです。
厳しい条件のもと開発されたJ16
FDBは頑丈・美しい・機能的・低価格、という当時としては画期的で厳しい条件を掲げて、 一般庶民に親しまれる家具作りを行っていました。
初代のモーエンセンはそんなFDBの基盤を築き、ウェグナーもこの厳しい条件のもとでモーエンセンと相談を重ねてJ16を仕上げたのです。
若き2人の巨匠が語り合い、創作意欲を注ぎ込んで設計されたJ16は、まさにこだわり抜かれた究極のロッキングチェアといえるでしょう。
厳しい開発条件のなかでも失われなかったウェグナーの美的センスと、モーエンセンの機能美によって北欧家具好きにはたまらない完成度となっています。
J16とセットでデザインされたスツール
J16には、ウェグナーが合わせてデザインした「J16 フットスツール」も存在しています。
ミニマムな長方形デザインを採用しており、J16のロッキングチェアと合わせて使うことで足を伸ばしながら快適な体勢で過ごせるでしょう。
さらにJ16 フットスツールは、J16 ロッキングチェアと同じく座面にはペーパーコードを使用し、フレームも木製のため統一感も抜群。
合わせて設置するだけで室内にナチュラルでおしゃれな均整を与えます。
またJ16 フットスツールは、単体でもコンパクトな椅子として使用することも可能。
部屋の一角にちょっとした座れる空間を作りたい場合にも活躍します。
J16の導入事例を紹介
シンプルで穏やかな雰囲気をもつJ16ですが、その落ち着きのある佇まいはさまざまな空間に馴染みます。
ここからは、そんなJ16が活躍する導入例を紹介していきます。
リビングのリラックススペースに
J16は寛ぎながら座れるゆったりとしたデザインながらも、シンプルで落ち着きのある雰囲気のため空間を圧迫しません。
テレビの前や窓際など、リビングのちょっとしたスペースに設置すれば手軽にいつでも使えるリラックススペースが完成します。
寝室の一角に寛ぎスペースを
ロッキングチェアのJ16は揺れながらリラックスして座れるのが魅力。
寝室の一角に設置すれば、入眠前の寛ぎスペースを作れます。
一緒にデザインされたスツールを組み合わせることでゆったりと寝そべるように座れて、さらに寝室に寛ぎの雰囲気を演出できるでしょう。
窓辺やウッドデッキなどの開放的な空間に
景色を楽しめるスペースに置くのも最適なJ16。
大きな窓のある家では窓辺のスペースに、またウッドデッキやテラスなどに設置すると開放的な空間を作れます。
ティータイムや読書タイムなど、非日常的な寛ぎの時間を演出したい人におすすめです。
置くだけで絵になるJ16でリラックス空間を実現させよう
今回は美しい曲線とロッキングチェア構造を採用したJ16を紹介しました。
揺れながらゆったりと座れるデザインは寛ぎと座りやすさにこだわっているため、リラックス空間を作る場合に活躍します。
上質なリラックス空間に合う北欧チェアを探している人はぜひチェックしてみてください。