フローリングの普及により、和室がない家が増えました。
とはいえ、畳にゴロンと横になったり、い草の爽やかな香りを感じながらリラックスできるのは和室リビングの特権です。
この記事では、和室リビングの間取りパターンやインテリアの実例をご紹介します。
畳や障子、掘りごたつといった日本ならではの空間がもつ魅力を再確認してみましょう。
和室リビングとは
「和室リビング」とは名前の通り、リビングの役割をもった和室のことです。
戦前は和室で食事をしたり、家族で団欒したりするのが普通だった日本の暮らし。
それ以降はフローリングが普及したため、リビングとして使う家庭は少なくなりました。
和室リビングの間取りパターン
和室リビングの間取りには、いくつかパターンがあります。
自身のライフスタイルに合うタイプを見つけるには、あらかじめ使用目的を明確にしておくことが大切です。
こちらの章を読んで、各和室リビングの間取りパターンの具体的な特徴を押さえましょう。
リビングを全て和室にする
まずはリビング全体を和室にするパターンです。
適度にクッション性がある畳は、気軽にゴロンと横になれるのが大きな魅力。
また小さな子供がいる場合、走り回ってケガをするのが心配という人もいるでしょう。
畳なら転倒してもフローリングより衝撃が少ないですし、足音が響くのも防げます。
リビングの一部を和室にする
「リビング全体を和室にするのには、少し抵抗がある」という場合は、小上がりやスキップフロアで部屋の一部を和室にするのがおすすめです。
「小上がり」とは、リビングの一部に段差をもうけて作る空間のこと。
同じく「スキップフロア」も、床に高低差がありますが、階段を使ってリビングとつないでいるのが小上がりと異なります。スキップフロアは「中二階」や「1.5階」といったイメージです。
小上がりやスキップフロアでリビングの一部を和室にすれば、圧迫感なく部屋を広く見せられます。
段差は収納スペースとして活用できるのも嬉しいポイント。
子供の玩具や衣類、食品・飲料ストックなど、リビングにあると便利なものがスッキリおさまります。
収納用のチェストやラックを置く必要がなく省スペースですむのも嬉しいですね。
また半個室のため、まるで別室にいるような気分を味わえます。
リモートワークや子供の昼寝、趣味などに最適です。
ただし小さい子供や赤ちゃんがいる場合は、落下の危険性があります。柵を設置するなどして、安全面の対策もしっかりおこないましょう。
リビング横の部屋を和室にする
リビングの横にある部屋を和室にするパターンもあります。
「和室リビング」とは少し異なりますが、リビングと個室タイプの和室といった二種類の使い方ができるのが魅力です。
シーンに合わせて対応できるよう、スライド式の扉や障子を設置しましょう。
全部開ければリビングの延長として使えるので、ホームパーティーなど人が集まるシーンに最適です。
小さい子供がいる場合は、和室で遊ぶ様子を見守りながら台所で作業することもできます。
また、扉や障子を閉めれば仕事スペース・寝室にぴったりな「個室」に大変身。
リビングに散らかっているものの一時収納場所としても便利です。
扉を閉めてしまえば部屋の中が見えないので、急な来客にも慌てずにすみます。
和室リビングのメリット
床に凹凸がなく柔らかいので、そのまま横になって寛げる和室リビング。
畳の目のおかげで滑りにくく、小さい子供や高齢者の転倒防止にもつながります。
こちらの章では、和室リビングならではのメリットをご紹介します。
寛ぎやすい畳空間で快適性アップ
和室リビングの大きな特徴は畳です。
クッション性があるのでフローリングのように椅子やソファを使わなくても、直接座って寛げます。
また畳の上に座布団を敷けば、より柔らかさがアップ。
フローリングにカーペットを敷いたとしても、この座り心地には敵わないでしょう。
また畳の原料として使われている「い草」の香りには、リラックス効果があるといわれています。
座り心地がよく、爽やかな香りの空間なら思い切り寛げそうですね。
洋室リビングよりも家具を少なくできる
洋室リビングのようにテーブルやソファなど、大きな家具がいらないのも和室リビングならではの魅力です。
座卓や座布団は簡単に持ち上げて移動させられるので、スペースを有効に使えます。
たとえば布団を敷いて寝室にしたり、子供の遊ぶスペースにするなど色々なシーンに対応できます。
少ない家具ですむ和室リビングならではのメリットですね。
家族団欒のスペースを自然に作れる
和室リビングなら家族の団欒スペースを自然に作れます。
せっかくなら昔ながらの座卓テーブルを設置し、座布団を並べてみてはいかがでしょうか?
家族で食事をしたりテレビを見たりして時間を共有すれば、自然と会話が弾みそうです。
冬はこたつに入りながらミカンを食べるのも雰囲気があっていいですね。
正座やあぐらだと脚に負担がかかる場合は、掘りごたつの設置がおすすめです。高齢者や子供も楽な体勢で寛げます。
個性的なインテリアを楽しめる
和室リビングなら個性的なインテリアを楽しめます。
紫や濃い茶色など、シックなカラーをメインにした「和モダンスタイル」がぴったりです。
座面や座布団のカバーに柄物を取り入れて、アクセントにしてもオシャレ。
落ち着いた色味でまとめる場合は、ローテーブルなどの家具も濃いブラウンを選ぶとまとまります。
和室リビングのデメリット
メリットが多い和室リビングですが、重い家具を置くと畳が凹んでしまったり、設置やメンテナンスの費用が高かったりといったデメリットもあります。
あらかじめ短所を把握し、自身のライフスタイルに合っているかどうかを確認しておくと安心です。
畳の設置・メンテナンス費用が高い
和室リビングに欠かせない畳は、設置やメンテナンスに費用が掛かります。
高価な無垢材のフローリングに比べると、約1.3倍コストが高くなる傾向があります。
また畳は5年ほど経つと毛羽立ちが出てくるので、買い替えたり裏返して使ったりしなければなりません。
裏表の利用だと約10年が寿命とされています。
和室リビングを検討する際は、あらかじめ具体的な費用を確認しておきましょう。
ペットや小さな子供がいると劣化が早い
ペットや小さな子供がいると、畳や障子へのダメージが気になりますよね。
動物の爪や玩具で畳が傷ついたり、汚れてもキレイに拭き取れなかったりして劣化につながります。
また障子がある場合、いたずらでビリビリに破かれてしまうことも。
ペットや小さな子供がいる場合は和室リビングにするタイミングを検討したり、扉や襖を付けて別室になるようにしたりすると良いでしょう。
あとでリフォームするときに大変
和室リビングを、あとから洋室にリフォームする場合コストが掛かります。
リビングと一体化させるとなると見た目の面でフローリング材を統一する必要があり、現在の床もまとめて張り替えるため費用が高くなってしまうのです。
もし将来的にリビングにする可能性があるのなら、和室リビングにするかどうかを家族間でよく確認しておきましょう。
和室リビングのインテリア事例を紹介
和室リビングにするなら畳や障子、掘りごたつといった和の雰囲気を活かしたインテリアがおすすめです。
こちらの章では、具体的なインテリアのアイデアをご紹介します。
掘りごたつを設置して唯一無二のリビングに
「掘りごたつ」を設置すれば、オリジナリティーを感じさせるリビングに仕上がります。
一見和のイメージが強い印象ですが、モダンなデザインも豊富に揃っています。
ペンダントライトを低めに吊るしたり、直線的な障子を組み合わせたりするとグッとおしゃれな雰囲気に仕上がります。
個性的な畳を選んで空間をデザイン
「カラー」や「縁(へり)なしタイプ」など、バリエーション豊富な畳。
使用する面積が広く部屋全体の雰囲気を大きく左右するため、インテリアにあったものを選びましょう。
たとえば白と黒のカラー畳を市松模様に組み合わせれば、スタイリッシュな雰囲気に仕上がります。
インテリアや家具との相性を考え、部屋の雰囲気に合うタイプを選んでくださいね。
素材感を統一して和モダンを演出
洗練された雰囲気でありながら、適度なリラックス感が魅力の和モダンテイストは和室との相性が抜群です。
壁や柱、扉と色のトーンが同じ家具を選んだり、部屋のアクセントとなる色を決めたりすると統一感が生まれます。
和モダンテイストには落ち着いたグリーンやネイビー、パープルがぴったりです。
座椅子カバーや雑貨などで「和柄」を取り入れるのもおすすめ。
また壁の一部にインテリアシートを貼ると、お部屋のアクセントになります。
おしゃれな照明で癒しの和室に
デザインにこだわった照明を取り入れれば、和室リビングがよりおしゃれに仕上がります。
オレンジがかった電球色を選ぶと、温かみのある空間に。
コードやチェーンで天井から吊るすペンダントライトを低めの位置に設置すると、ほっと落ち着く雰囲気になります。
シンプルなものから個性的なものまでデザインが豊富に揃っているので、お気に入りのデザインを探してみましょう。
照明は思っている以上に部屋の印象を左右するので、ぜひこだわって選んでみてくださいね。
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ライフスタイルに合った和室リビングを作ろう
一言で「和室リビング」といっても間取りパターンは多種多様です。
寛げる空間に仕上げるためには、ライフスタイルに合った空間を意識することが大切です。
また現在の生活パターンだけでなく将来的なイメージも、家族で話し合っておくと良いでしょう。
各間取りのメリットや和室のデメリットを確認して、最適な和室リビングを作ってみてくださいね。
しかしここ最近、再び和室の快適さや心地よさに注目が集まっているのです。