IHクッキングヒーターとラジエントヒーターの違いは何?特徴・性能差・コストを比較してみました

    住宅のオール電化ブームにより、一般家庭に広く普及している「IHクッキングヒーター」。

    特徴がよく似ている調理器具として「ラジエントヒーター」がありますが、両者の違いはどこにあるのでしょうか。

    今回は両方のクッキングヒーターを扱うMieleのスタッフが、それぞれの性能や使用コスト、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

    ガスコンロ・IH・ラジエントの違いは?

    IHとラジエントの違いを解説する前に、まずは従来のガスコンロとの違いについておさらいしてみましょう。

    ガスコンロは、”ガス”による火で加熱を行う調理器具のひとつ。

    エネルギーとして使うのはガスであり、月々のコストは水道・ガス代として徴収されるのが一般的です。

    一方のIH・ラジエントタイプは、”電気”で加熱を行う調理器具。

    別名「電気ヒーター」とも呼ばれ、月々のコストは電気代として徴収されます。

    加熱調理に関してはガスのほうがコストが安い場合が多いですが、都市ガス・プロパンガスで料金が大きく変わるなど、住環境に左右されやすい側面があるのも特徴です。

    種類エネルギー加熱方法安全性
    ガスコンロガス火を点火して対象物を加熱火の扱いに注意する必要あり
    IHクッキングヒーター電気特殊な電気渦で鍋底を直接加熱鍋以外は熱くならないため安全性が高い
    ラジエントヒーター電気電気ヒーターの熱で対象物を加熱火は使わないが高温による火傷に注意

    IHクッキングヒーターとは

    IHのあるキッチン

    IHクッキングヒーターは、銅製の磁力コイルを利用して加熱を行う調理器具です。

    IHは「Induction Heating(インダクション・ヒーティング)」の略称であり、日本語で「電磁誘導加熱」という意味になります。

    トッププレートの下に内蔵されたコイルで「渦電流(うずでんりゅう)」を作り、鍋底の金属が熱を発生させることで加熱がスタート。

    火やヒーター熱を使用せずに、直接対象を加熱できるのが大きな特徴です。

    IHクッキングヒーターのメリット

    IHで調理している様子

    IHクッキングヒーターの一番のメリットは、熱伝導効率の良さにあります。

    直接鍋底を加熱するため無駄なエネルギーのロスが非常に少なく、食材の量に応じて手早い調理が可能になります。

    温度調節もしやすいため、弱火の煮込み料理から強火の炒め物まで、どんな料理にも対応できます。

    火を使わないのでトッププレートが熱くならず、掃除やメンテナンスが楽にできるのも見逃せないポイントです。

    IHクッキングヒーターのデメリット

    IHクッキングヒーターのデメリットは、使えない調理器具があることです。

    前述した渦電流による加熱は金属素材でしか起こらないため、耐熱ガラス・ホーロー・陶器・土鍋などは使用できません。

    オールメタル対応機種を選べば使えるケースもありますが、この場合は導入コストが高くなりがち。

    また、火力を使用しないため、焦げ目を付けたり、炙り焼きにしたりする料理は苦手です。

    ラジエントヒーターとは

    ラジエントヒーター

    ラジエントヒーターは、ニクロム線と呼ばれる発熱素材に電気を通すことで加熱する調理器具です。

    電気ヒーター式調理器具としては最初に開発されたモデルであり、IHタイプが登場する前に流行していました。

    渦巻状の発熱素材が内蔵されており、加熱することでオレンジ色に変わるのが大きな特徴です。

    国内メーカーが販売している標準的なIHクッキングヒーターでは、3口のうちひとつがラジエントヒーターになっているモデルが多いです。

    ラジエントヒーターのメリット

    ラジエントヒーターがついている様子

    従来のガスコンロと同様、さまざまな調理器具に対応しているのがラジエントヒーターのメリットです。

    IHでは使用できない耐熱ガラスや土鍋はもちろん、アルミ・銅などの鍋素材や、各種直火用の調理器具の加熱ができます。

    足付きの網を用意することで、炙り焼きにも対応可能。

    全口がラジエントヒーターのモデルであれば、IHタイプよりも安価に導入できるのもポイントでしょう。

    ラジエントヒーターのデメリット

    ラジエントヒーターのデメリットは、IHタイプと比べて性能面や安全性がやや劣ることです。

    ガスやIHと比べると火力が弱く、加熱にも時間がかかります。

    また、IHタイプとは違ってトッププレートが高温になるので、熱残りによる火傷や燃え移りの危険があります。

    表面が冷めるのに時間がかかるので、日々の掃除・メンテナンスの手間もかかりやすいです。

    月々の電気代はどちらのほうが高い?

    IHとラジエントを比較した場合、熱伝導効率に優れるIHのほうが少ないエネルギーで効率的に加熱調理を行えます。

    細かい温度調節もしやすいため、月々の電気代はIHタイプのほうが安くなります。

    一回あたりの電気使用量はそこまで大差はありませんが、調理回数を重ねることによって総合コストは大きく変わってきます。

    電気代を安く抑える方法はある?

    IHとラジエントはどちらも工夫次第で電気代を安く抑えることができます。

    例えば料金プラン。契約する電力会社によって、電気代の計算方法や料金プランの特徴は大きく異なります。

    自分の生活スタイルを把握して、最も多く調理をする時間帯・曜日などを計算すれば、よりお得な料金プランに変更できるでしょう。

    また、

    • 電気ケトルで沸かしたお湯を再加熱する
    • 下処理は電子レンジで行う

    など、ほかの調理器具と組み合わせるのもおすすめ。

    電気代を節約しつつ、より効率的に調理を進められるようになります。

    IHとラジエントどちらがおすすめ?

    MieleのIHとラジエントヒーター

    電気ヒーターを導入するなら、性能・コスト・安全性に優れるIHタイプを選ぶのがおすすめ。

    ただし導入コストはそれなりに高いので、予算と調理スタイルを考えて検討しましょう。

    特にIH対応の調理器具に買い換えるのは結構な手間なので、多彩な調理器具を使いたい方はラジエントヒーター単体、もしくはIH・ラジエントの複合型を購入すると良いでしょう。

    最高品質を誇るMieleのラインナップを紹介

    MieleのIH

    Mieleが展開するIHクッキングヒーターは、業界トップクラスの性能と使いやすさ、フレームレスで美しいデザインを兼ね備えたモデルです。

    元々高性能なIHタイプにMiele独自の様々な便利機能をプラス。

    全面どこでも調理できる自由度の高さや、高速沸騰を可能にするブースター機能などで、最高の調理体験を提供します。

    「従来の調理方法も捨てがたい」という人のために、伝統的なラジエントヒーターも用意。

    カスタマイズ性の高いコンビセットを組み合わせれば、IH・ラジエント・グリル・フライヤーと、より多彩な調理方法にもチャレンジできます。

    IHタイプのほか豊富なラインナップが揃っているので、調理器具にとことんこだわりたい方はぜひチェックしてみてください。

    IHとラジエントの違いを知って快適なキッチン空間に

    IHのあるキッチン

    この記事では、IHクッキングヒーターとラジエントヒーターの違いについて解説しました。

    どちらも同じ電気ヒーターですが、性能や得意分野は大きく異なります。

    実際に使用した場合のメリット・デメリットをきちんと抑えたうえで、キッチン空間にあった調理器具を選びましょう。

    標準的なエントリーモデルから最新鋭の機能を備えたハイエンドモデルまで種類は様々なので、自分にぴったりの製品を探してみてくださいね.