間取り変更や設備導入で一新できるマンションリノベーション。
実は、空間の大部分を占める天井も雰囲気を大きく変える要素の一つです。
とはいえ、天井をリノベーションする方法や効果のイメージが湧かない方もいるのではないでしょうか。
今回は天井をリノベーションするメリットや方法・効果・費用・テクニックを詳しく解説します。
雰囲気を180度変えたおしゃれな空間にしたい方は必見!検討する材料にしてください。
目次
マンションの天井の構造とリノベーションするメリット
天井の構造を理解すれば、天井リノベーションのイメージが湧きやすくなります。
マンションの天井は「二重天井」と「直天井」があり、与える印象や仕上げ方法が変わります。
建物の構造がむき出しであり、配管や配線がそのまま見える天井を指します。特に築古のマンションは直天井の傾向があり、天井高を上げることはできません。
天井リノベーションのメリットは以下4点あります。
- 部屋の雰囲気に統一感をもたらす
- 天井の素材を変えて室内の機能性を上げられる
- 開放感を演出できる
- 照明プランを自由にできる
天井の構造を活かしたデザインにすれば、室内の雰囲気を180度変える効果が期待できます。
以下では、天井をリノベーションする方法を詳しく解説していきましょう。
天井の「仕上げ方法を変える」マンションのリノベーション
天井リノベーションの仕上げ方法は、主に3種類あります。
手軽に変えられたり機能性を高められたりなど、多種多様な素材が魅力です。
以下で詳しくご紹介しましょう。
クロス仕上げ
クロス仕上げは、天井に石膏ボードの下地を作って素材を貼ります。
仕上げ方の中では最も手軽でスタンダードです。
月日が経つと劣化するため、10〜15年に1度張り替える必要があります。
クロスの素材は多様にあり、以下は一例と特徴です。
ビニールクロス | 安価で、デザインが豊富。 防カビやシックハウス予防など、機能性素材もある |
織物(布)クロス | 伸縮性があり、破れにくい。 綿や絹など、自然素材にこだわりたい方におすすめ |
紙クロス | パルプが原料のクロス。 自然の風合いが魅力であり、布に比べてデザインが豊富 |
塗装仕上げ
塗装仕上げは、石膏ボードや建物の躯体に直接塗料を塗る方法です。
細かい色やツヤ感を調整でき、独特な質感を出せます。
また、素材によっては室内の機能を高める効果も魅力の一つです。
以下はその一例です。
ペンキ | 塗装仕上げで最も手軽な方法。 好きな色にできたり模様を描いたりなど汎用性が高い |
珪藻土 | 藻の化石から作られた土材であり、高い耐火性能・消臭効果・調湿効果に優れている |
漆 喰 | 消石灰に砂・糊・スサなどを混ぜて水で練った日本の伝統的な塗壁材。 有害物質を分解・吸着する働きがある。 |
ウッドパネル仕上げ
床材や建材で使用するウッドパネルを天井に貼り付ける仕上げ方法です。
木のあたたかさにより高級感とくつろぎ空間を両立できる点が魅力。
選ぶ樹種や木目により与える印象が異なり、唯一無二の空間を演出できます。
天井の「高さを変える」マンションリノベーション
天井の高さは空間の広がりやインテリアに大きく影響を与えます。
高さは建築基準法で2.1m以上と定められており、近年のマンションは約2.4mが一般的。
しかし、築古のマンションなら2.1〜2.3mが多い傾向です。
以下では、天井高を上げる場合と下げる場合の効果を解説します。
天井を上げる効果
天井の高さを上げる効果は以下3点です。
- 視覚効果により広く感じられ、開放感を演出できる
- 採光や通風を確保しやすくなる
- デザイン性がある
二重天井をスケルトン天井にリノベーションすると約2.7m以上の高さになり、開放感は抜群です。
室内に光と風を取り込みやすくなるので、心地よい暮らしが実現します。
また、むき出しになった配管や電線を活かしてインダストリアルな内装にしたり、塗装仕上げで雰囲気を変えたりなど汎用性もあります。
天井を下げる効果
一方、天井の高さを下げる効果も3点あります。
- 断熱性を高められる
- 防音効果になる
- ダウンライトなど埋め込み型の照明を設置できる
天井は、構造にかかわらず下げられます。
天井が低いと落ち着きのある空間を演出でき、寝室や書斎などおこもり感を出したい部屋に適しています。
高さを変えるリノベーションの注意点
高さを変える注意点は以下2点です。
- リノベーションできない場合がある
- 予算を超える可能性がある
マンションによっては天井の構造上手を加えられなかったり、工事内容に制限が設けられていたりします。
つまり、事前にマンション規約を確かめておく必要があるのです。
また、カビや腐食によって天井の劣化が進んでいる可能性も考えられます。
その場合は補修工事が必要になり、追加費用がかかる場合もあるでしょう。
特に二重天井の場合は見えにくいので、リスクを想定した予算を立てておきましょう。
マンションの天井リノベーションの費用
天井リノベーションの費用相場は、面積・工事内容・仕上げの素材やグレードによって異なります。
それをふまえた上で以下を参考にしてください。
- クロス仕上げ(ビニール素材の場合)
4万円前後 - 塗料仕上げ
5万円前後(ただし、珪藻土や漆喰の左官仕上げなら10~15万円前後) - ウッドパネル仕上げ
15~40万円前後(無垢材)、10万円前後(プリント合板)
- 天井の解体・撤去
10~15万円 - 配線・配管工事
20万円前後
上記は躯体をむき出す費用の目安です。
仕上げ方法を追加するならその分の費用がかかります。
マンションの天井をおしゃれに見せるリノベーションのコツ
天井は空間の割合を占める部分が大きく、見せ方で与える印象が異なるもの。
以下5点のおしゃれにみせるコツを知っていれば、インテリアに合わせた天井リノベーションが楽しめますよ。
配管や配線を見せる
あえて配管や配線を見せれば室内のアクセントになり、インダストリアルな印象を与えます。
コンクリートの質感を残せば無骨な雰囲気に。
明るい色の塗装仕上げなら、かっこよさと柔らかさを兼ね備えた開放的な室内を演出できます。
天井のデザインにこだわる
個性的でおしゃれな室内にするなら、天井のデザインにこだわるのがおすすめです。
最上階なら勾配天井にすれば空間に広がりをもたらし、開放感が抜群に!
また、高く見せたい部分にルーバー天井を設ければ、縦長のラインにより奥行きを感じられる空間になります。
天井に合わせた照明を選ぶ
天井リノベーションには照明が欠かせません。
一室一灯の築古マンションでも、リノベーションなら複数の照明を設置できます。
高い天井にはライティングレールを設けてスッキリさせる、低ければ複数のダウンライトを設置して光の陰影を楽しめます。
天井に照明を当てれば唯一無二の美しさを放つでしょう。
天井を素材感や色で彩る
無機質になりがちな天井は、素材感のあるものや色合いを選びましょう。
例えば、床と天井に無垢材を使用して木目を合わせると、上質で高級感がある空間を演出できます。
また、配色は開放感を出すなら白に近い色に、重厚感を演出するならグレー系統にするなど。
天井のデザインや室内の用途に合わせれば、暮らしに彩りをもたらします。
中古マンションをおしゃれに見せるには天井リノベーションが肝心!
天井リノベーションは、仕上げ方法によってさまざまな表情を見せてくれる、唯一無二の空間づくりには欠かせない要素です。
天井の高さ・素材・色を変える住まいづくりは、リノベーションならでは。
個性的でおしゃれな住まいを実現したい方は、ぜひ天井リノベーションを検討しましょう。
千葉で注文住宅やインテリアショップ運営を手掛けるTIMBER YARDでは、マンションのフルリノベーションサービスも手掛けています。
熟練の大工が生み出す美しい空間、家具職人が手掛けるフルオーダーの造作家具、デザインと住み心地を両立した設計など、こだわりの工務店だからこそ叶うリノベーションプランをご提案できます。
施工事例も豊富なので、ご検討されている方はぜひ確認してみてください。
建物の構造体に空間を設けた天井です。約30cmの空間に、電気配線や断熱材が入っています。見えている天井を解体すれば、構造体ギリギリまで天井高を上げられるのが特徴です。