新築で庭がほしくても、「敷地面積や周辺の環境により大きな庭が持てない」「狭いスペースしか確保できない」という理由で諦めている方もいるのではないでしょうか。
実は、2〜5畳分ほどの広さでも機能的でおしゃれな庭は実現できるのです。
今回は小さな庭のメリットや作るポイントを解説します。
記事の最後には小さい庭のアイデアも紹介するので、スペースの問題で庭づくりを諦めている方は参考にしてくださいね。
小さな庭のメリット
庭の面積は大きいほど見栄えがよく、汎用性があると考えている方もいるでしょう。
しかし、小さい庭だからこそ得られるメリットが3点あります。
庭を作り込める
小さい庭はスペースが狭いからこそ、デザインや素材にこだわって庭を作り込めます。
特に観賞目的ならデザイン全体を見渡すことが容易であり、部屋の一部として馴染む庭や見ごたえのある庭が実現します。
また、大理石やタイルなど高級感があるエクステリアは小さい空間だからこそ選択しやすいもの。
小さな庭はインテリアデザインをまとめやすく、おしゃれに仕上げられるのです。
メンテナンスの負担が軽い
庭がある限りメンテナンスは不可欠です。
しかし、小さい庭なら手入れする範囲が狭いため、手入れのストレスを軽減できます。
例えば、狭ければ雑草処理は楽ですし、デッキ材など設備の劣化にも早く気付けるでしょう。
手入れの負担が軽い利点は、美しい庭を保ちやすくします。
空間に奥行きを演出できる
小さい庭は設計次第で空間に奥行きをもたらします。
例えば、玄関から入った目線の先に美しく整った小さな庭があれば、視覚効果により奥行きを感じさせます。
また、家の中心に中庭を設ければ、室内から中庭を通じて他の部屋を見渡せるため広々とした空間を演出できるでしょう。
おしゃれで小さな庭を作る5つのポイント
5畳以下の広さでも、おしゃれで機能的な庭は作れます。
小さな庭を作るコツは、空間に余白を設けることです。
以下の5つのポイントをふまえて意識的に空間を作れば、小さくても暮らしに彩りと潤いをもたらす庭が実現します。
庭と接する部屋によって目的を決める
設計時に小さな空間が生まれたら、隣接する部屋に合わせて目的を決めましょう。
例えば、少しでもリビングに接するなら「使って楽しむ庭」にすると、空間に汎用性をもたらします。
目隠しフェンスでプライベート空間を作る
住宅密集地や狭小地の場合は、目隠しフェンスで背景を作って囲いましょう。
そうすれば周囲から区切られた空間になり、プライベート感のある庭が完成します。
注意点は、圧迫感を与えないフェンスを選ぶことです。
視線の他に光や風を遮ってしまうと、住まいに影響を及ぼす可能性も。
目隠しフェンスは、抜け感があるもの・ルーバータイプ・スクリーンパネルなど、通気性と採光を兼ね備えたものを選びましょう。
フォーカルポイントを作る
フォーカルポイントとは室内で人の視線が集中する場所のことを指し、効果的に取り入れれば空間のアクセントになります。
小さな庭の場合は、シンボルツリーを1本だけ植えたりハンモックを吊るしたりなどが一例です。
アイテムを絞れば余白が生まれるため、全体が引き締まってメリハリのある空間を演出できます。
レイアウトを工夫して広く見せる
小さい庭を広く見せるには視覚効果を意識したレイアウトが大切です。
例えば、前庭の小道は曲線を用いたデザインにしたり、アプローチ手前は広くして奥に行くほど狭いデザインにしたりなど。
空間を装飾で埋めると乱雑な印象を与えかねないため、デザイン性のあるレイアウトを心がけましょう。
照明を効果的に配置する
照明があれば夜も快適であり、リゾート感が漂う演出ができます。
間接照明として配置したり植栽をライトアップしたりなど目的次第でアレンジを変えましょう。
プライベート感を重視した小さな庭にするなら必須アイテムです。
小さな庭を作る注意点
小さな庭を作る懸念点は、空間を活かしきれずデットスペースになること。
後悔しないためには以下3点を事前に把握しておきましょう。
シンボルツリーの選定は面積とメンテナンスしやすさで考える
シンボルツリーは狭いスペースに取り入れやすく、季節感がある樹種を選べば室内でも四季を感じられます。
とはいえ、庭の広さやメンテナンス頻度を考慮しなければ乱雑な印象を与えかねません。
以下はシンボルツリーを選ぶ際の基準の一例です。
- なるべく1~2mの低い樹種
- 枝が広がりすぎない樹種
- 成長が遅い樹種
- 葉が落ちにくい樹種
設備のメンテナンス方法を考える
庭の形状や窓の高さによって掃除がしにくい場合があります。
また、デッキ材もこまめなメンテナンスは必須です。
構造や形状が複雑だと、業者にメンテナンスを依頼する必要があります。
あらかじめ手入れにかけられる時間や頻度を把握すれば、庭に導入する設備が判断できるでしょう。
窓は断熱性のよいものを選ぶ
室内と庭が接する窓は断熱性の高いものを選びましょう。
窓の面積が広くて数が多いほど熱の出入りが増えて光熱費に影響を及ぼすからです。
特に中庭の場合はロの字型だと四方、この字型だと三方に窓を設置する場合があるので注意してください。
おしゃれで機能性が高い小さな庭のアイデア7選
ここからは、小さくてもおしゃれで機能性が高い庭のアイデアをご紹介します。
庭のある生活に憧れている人、小さい庭の活かし方が知りたい方はぜひ参考にしてくださいね。
デッキやテラスを設置してセカンドリビングに!
庭のエクステリアで人気のあるウッドデッキやテラスは1〜5畳程度でも設置できます。
リビングにつなげたり室内の一部をデッキにしたりなど、セカンドリビングとして活かせるのが魅力。
スタイリッシュな雰囲気にするならタイル素材、アウトドア感を意識するなら素足で歩けるウッドデッキなど、室内のインテリアと調和させるのがポイントです。
彩りと採光を両立させた中庭
中庭はデザイン性と採光を求める方におすすめ。
レイアウトは3方が壁に囲まれているコの字型がよいでしょう。
敷地面積をあまり必要としないため、プライベート空間を演出できます。
広い庭と同等の汎用性があるので、管理が不安な方に適しています。
小さい中庭でも機能性は抜群
観賞目的や室内に立体感を演出するなら、京町屋のような狭い敷地で取り入れられた坪庭スタイルもよいでしょう。
日当たりが悪い場所でも、砂砂利・岩・苔を用いれば趣のある庭になります。
どんな家でも採光を確保できるライトコート
狭小地や住宅密集地など採光を確保しづらい土地でも、ライトコートなら解決します。
ライトコートの主な目的は、採光や通風を機能的に取り入れること。
太陽光が反射しやすい白色の外壁や床材など、一般的な中庭よりもすっきりした装飾で仕上げるのが特徴です。
お家で露天風呂気分が味わえるバスコート
バスコートとは、浴室に隣接した中庭です。
庭で外の風を感じながらクールダウンしたり、ライトアップされた植栽を湯船から眺めたりなど、贅沢なバスタイムを楽しめます。
2階のテラスなら開放感抜群
敷地の立地上、2階にリビングがある住まいでも小さい庭は実現可能!
道路に面していなければ開放感を得られ、プライバシーを保ちながらゆっくり過ごせます。
この場合、ガレージデッキを設ければ、2階リビングから行き来できる庭が完成します。
ベランダの床材と照明にこだわればベランピングも
ベランダで小さな庭を作る利点は、すでに目隠しがあるのでプライバシーが保たれていること。
あとは見た目と快適さを整えるだけです。
床材の材質や色、関節照明を効果的に配置すれば、小さくても汎用性のある庭が実現します。
注文住宅ならおしゃれで満足度の高い小さな庭が作れる!
小さな面積でも作るポイントと注意点をおさえれば、満足できる庭が実現します。
素材やデザインを作り込んでおしゃれにしたり、省スペースでも採光や通風を取り入れたりなど小さいからこそのメリットがあります。
ぜひ、ライフスタイルを反映させた小さな庭を作ってみてはいかがでしょうか。
また、個室間や個室と塀の間なら「眺める庭」として活用すると彩りを与える空間になりますよ。