新築のキッチンは家事の効率を高めたり、空間をおしゃれに見せたりするため、間取りの中でもこだわりたい場所です。
しかし、快適なキッチンを選ぶためには、どんなことに気をつければ良いでしょうか。
この記事では、新築のキッチンで失敗しないための選び方や、ライフスタイルにあったキッチンの種類やサイズの決め方を解説していきます。
新築のキッチン選びを成功させるために、ぜひ参考にしてください。
目次
失敗しない新築キッチンの選び方のポイント
新築のキッチンを選ぶ際に、間取りや使いやすさで後悔しないためには、ポイントを押さえて判断することが大切です。
ここでは、失敗しないための5つのポイントを解説します。
使いやすい間取りを確認する
新築のキッチンで最も大切なことは、家事動線に配慮することです。
広いキッチンスペースを取れるなら、回遊できるアイランド型キッチンにすると、どの方向にも移動しやすく便利です。
キッチンにそれほどスペースが取れない場合は、キッチンだけでなく他の居室や家事スペースを含めて回遊できるような動線を意識すると、効率的に移動できる間取りになるでしょう。
収納スペースを考える
多くの人が新築のキッチンで後悔しがちなのは、収納スペースが足りなくなることです。
設計前に収納したいものの量を把握し、しまう物のサイズや量に合わせた収納スペースを確保しましょう。
収納スペースが足りないと調理器具が出しっぱなしになったり、片付けに時間がかかったりして、キッチンに生活感が出てしまいます。
キッチンの収納はコンロ下・シンク下収納が基本ですが、しまう量によっては壁面につくるカップボードや、吊戸棚の設置も検討しましょう。
作業しやすい広さを確保する
新築に設置するキッチンのサイズを決める際、作業しやすい広さを確保しておきましょう。
キッチンのサイズを間違うと、2人で並んで料理しづらかったり、広すぎたキッチンのせいで希望するダイニングテーブルが置けなかったりなど、後悔する場合があります。
事前に1人で作業するか2人でするかを想定しておきましょう。
ゴミ箱・コンセントの位置を決める
新築のキッチンで意外に見落としがちなのが、ゴミ箱とコンセントの位置です。
ゴミ箱は家事動線の邪魔にならない場所に、専用スペースをつくりましょう。
コンセントはキッチン家電の置く場所を決めておけば、ちょうど良い位置に設置できます。
どちらも計画的に設置することで、スッキリした使いやすいキッチンを実現できます。
お手入れのしやすさで決める
新築のキッチンは、お手入れのしやすさで選びましょう。
キッチンで定期的なお手入れが必要な場所は、ワークトップ・周辺の壁・コンロ・レンジフードです。
傷や汚れがつきにくいワークトップや壁材を選べば、こまめな拭き掃除でほとんどの汚れを取ることができます。
また、最新のコンロは、IHヒーターもガスコンロも掃除しやすく設計されているため、使いやすさとのバランスで決めましょう。
レンジフードは取り外しやすいものや自動洗浄機能のものを選択すると、比較的ラクにお手入れできます。
新築で選べるキッチンの種類
次に新築のキッチンの形を検討しましょう。
代表的なキッチンスタイルとして、3つの種類を紹介します。
対面式キッチン
対面式キッチンとは、リビングとの境にキッチンを設置するタイプで、アイランド型やペニンシュラ型キッチンが当てはまります。
キッチンで作業しながらリビングを見渡せるため、見守りが必要な小さな子どもや、介護中の家族がいる家庭におすすめです。
ワークトップがフルフラットタイプは、ダイニングとリビングに一体感が出るため、おしゃれで人気があります。
料理の分担や配膳がしやすいのも特徴です。
ワークトップが見えない腰壁タイプを選べば、洗い物や調理中の手元を隠せるメリットがあります。
水はねや油はねを防止できるため、キッチン周辺が汚れにくいのもうれしいポイントです。
壁付きキッチン
壁付きキッチンとは、壁に向かってキッチンが設置されたタイプを指します。
対面式に比べて省スペースにおさまり、上部の壁に吊戸棚もつくれるため、収納を確保しやすいのが特徴です。
壁に向かって作業できるので料理に集中しやすく、水はねや油はねの掃除がしやすいメリットがあります。
ただし、リビングに対して後ろ向きとなるため、家族とのコミュニケーションが取りづらかったり、振り返って配膳したりなどのデメリットもあります。
独立型キッチン
独立型キッチンとは、ダイニングやリビングと分かれた、完全個室のキッチンのことです。
独立型のキッチンは、散らかりがちなキッチンを来客に見せたくない人や、リビングなどに油や煙の臭いをつけたくない人、集中して料理をしたい人に向いているキッチンです。
壁に囲まれた空間のため、広い収納スペースもつくりやすいのが魅力です。
しかし、閉塞感があり、コミュニケーションが取りづらい面もあります。
新築キッチンの最適なサイズの決め方
新築に使いやすいキッチンを作るためには、使う人に合ったサイズを知っておきましょう。
ここでは、キッチンのサイズを決める際に、知っておくべきサイズや計算方法を紹介します。
横幅(間口)
キッチンの横幅は、使いやすいサイズを検討しましょう。
既製品のキッチンは、シンク・作業スペース・コンロを合わせて165~300cm程度でつくられており、メーカーによって210・240・255・270cmなどのサイズがあります。
注文住宅の場合は、255cmが標準的なサイズです。
作業スペースを広くとると、食材を切る・盛り付けるなどの作業に便利ですが、シンクとコンロが離れるため、作業しにくく感じる場合もあります。
ワークトップの高さ
ワークトップの高さは、使う人の体の負担に関わるため、使いやすいサイズを選びましょう。
一般的に、身長÷2+5cmが最適な高さといわれています。
ただし、スリッパを履いたり、手の長さが人によって違ったりするため、ショールームなどでキッチンに立ち、判断することをおすすめします。
奥行き
キッチンの奥行きは、一般的なサイズは65cm、コンパクトサイズの場合は55~60cmもあります。
奥行きが広ければ作業スペースが増えますが、奥行きがありすぎると、手が届きづらく使いにくいこともあります。
対面式であるアイランド型やペニンシュラ型キッチンは、両側から作業できるよう、約80~100cmが標準サイズです。
通路の幅
キッチンの通路は狭くても広過ぎても作業効率に影響するため、事前に1人で作業するか2人でするかを検討しておきましょう。
1人で作業する場合、通路幅は80cm程度、2人なら120cm程度が良いとされています。
ただし、カップボードや背面収納を設置する場合は、キッチンのシンク下の引き出しと、扉などがぶつからないように配慮しましょう。
通路の幅が広すぎるとダイニングの空間を圧迫したり、背面収納との距離が遠すぎてたりすることもあるため、注意しましょう。
新築キッチンで導入できるオプション
新築のキッチンには、オプションでつけられる便利な機能があります。
その中でもおすすめのオプションを3つ紹介します。
タッチレス・ハンズフリー水栓
水栓のレバーに触れず水が出せるタッチレス・ハンズフリー水栓は、料理中に重宝する新築キッチンのオプションです。
タッチレス水栓は、手をかざすと自動で水が出る設備です。
ハンズフリー水栓は、吐水口で手の動きを察知し、自動で水を出したり止めたりできます。
どちらも手がふさがっているときや、手が汚れているときに自動で水が出せるため効率的です。
無駄な水を使わずに済むため、水道代の節約にもなります。
ビルトイン食器洗い乾燥機
新築のキッチンで設置できるビルトイン食器洗い乾燥機は、共働き世帯や子育て世帯に人気です。
食器や調理器具をスイッチひとつで洗浄・乾燥してくれるため、家事の効率化ができます。
たくさんの洗い物を節水しながら洗えるため、環境にも財布にも優しい設備といえるでしょう。
一度に洗える容量や乾燥方法、扉の開き方はメーカーによって違うため、使いやすいモデルをチェックしてみましょう。
手元コンセント
新築のキッチンで家電をよく使う場合は、手元コンセントの設置がおすすめです。
固定で使うキッチン家電とは別に、ワークトップでキッチン家電を使いたい場合、壁にあるコンセントでは届かなかったり、数が足りなかったりすることがあります。
水を使うシンクのそばで、延長コードを使うのは危険なため、手元コンセントが便利です。
新築のキッチンは使い勝手を重視して選択しよう
ここまで、新築のキッチンで失敗しないための選び方や、ライフスタイルにあったキッチンの種類やサイズの決め方を解説しました。
新築のキッチンで失敗しないためには、快適な家事動線を確保することが重要です。
広すぎず、狭すぎないスペースで効率よく動ける間取りを検討しましょう。
自分に合ったサイズを選んで、使いやすいキッチンを手に入れてください。