ペットと一緒に暮らす家をつくるとき、床材選びはとても重要なポイントです。
家族の一員であるペットが暮らしやすい家にするために、床材選びは慎重におこないましょう。
とはいえ、どのような床ならペットが暮らしやすいのか、わからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ペットと暮らす家の床材の選び方のポイントや、おすすめの床材などを詳しく解説します。
目次
ペットと暮らすなら知っておきたい床材選びのポイント
ペットと一緒に暮らすなら、ペットも飼い主も安心して快適に過ごせる家がいいですよね。
ペットの足腰に優しい
ペットにとっての理想の床は、弾力があり滑りにくい素材であること。
リビングの床材として定番のフローリングは、美しいうえ掃除もしやすいことから、人間にとっては快適な床材です。
しかし、ペットにとってはツルツルと滑りやすい表面が足腰の負担になる場合があります。
特に肉球が乾燥しているときや肉球の周りの毛が伸びているときには、滑りやすく怪我の原因にもなりかねません。
足腰の負担が少ない、弾力があって滑りにくい素材の床を選び、ペットの怪我を予防しましょう。
気になるにおいを消臭してくれる
ペットと一緒に暮らすうえで、避けては通れないのがその独特のにおいです。
常に一緒に暮らしている飼い主自身は気にならなくても、来客のときなどに臭ってないかと心配になるものです。
消臭効果のある床材を、ペットのトイレやケージの周りに部分的に敷いておくだけでも効果があります。
キズがつきにくい
ペットと暮らしている家の多くは床にたくさんの爪による傷ができます。
この爪あとが付きにくいものや、仮に付いてしまったとしても傷が目立ちにくいものを選ぶことで、飼い主も安心して生活ができます。
床材の表面に特殊な加工がされている「表面強化」の床材がおすすめです。
掃除が簡単
ペットと一緒に暮らしていると、えさの食べこぼしや排泄物などで床が汚れてしまうことは日常茶飯事。
汚れるたびに掃除をしなければならないため、掃除のしやすさも床材選びの重要なポイントです。
表面に凹凸のないものや、水拭きしても大丈夫なものなどを選びましょう。
ペットと暮らす家におすすめの床材
ペットと一緒に暮らす家におすすめの床材には、どのようなものがあるのでしょうか。
クッションフロア
おすすめの床材のひとつ目は、クッションフロアです。
クッションフロアとは、塩化ビニルでできた耐久性の高いシート状の床材のこと。
小さなお子さんのいるご家庭でも多く使用されています。
表面のクッション性が高い床材なので、ペットの足腰に優しいのが大きな特徴ですが、それ以外にもペットと暮らす家に優しいポイントがたくさんあります。
ビニール素材でできているので水拭きができ、汚れてしまってもさっと拭き取れます。
柔らかい素材なのでハサミでも切ることができ、設置や施工が簡単なのも嬉しいポイント。
デザインも豊富なので、お気に入りのものが見つかりやすいです。
フロアタイル
粘土などを使って作られる固い素材のフロアタイル。
タイルといえば表面がツルツルとして滑りやすそうな印象を持ちがちですが、実は表面がザラとしているものも多く、ペットの足腰に優しい床材なのです。
欧米では犬などのペットを飼っている家庭が多いにもかかわらず、床材の影響による怪我が少ないことが報告されています。
これは、フローリングで生活する日本とは違い、土足のまま生活できるフロアタイルが主流であることが理由として考えられています。
大理石調のものからフローリング調のものまで、デザインも豊富です。
タイルカーペット
ペットの足腰に優しい床材として人気なのがタイルカーペットです。
ナイロンやポリプロピレンの起毛で覆われているので、表面が滑る心配もなく程よい弾力で足腰への負担がほとんどありません。
耐久性も高いので、長く安心して暮らすことができます。
水拭きはしにくいものの、部分的に取り外しができ、丸洗いができるので汚れてしまっても安心です。
タイルカーペットは滑りにくく弾力がありメンテナンスが簡単。
そのうえ耐久性も高いので、ペットと暮らす家にはぴったりの床材であるといえます。
ペットと暮らす家の注意点
ペットも飼い主も安心して快適に暮らす家にするためには、どのようなポイントに注意すればいいのでしょうか。
ペットと暮らす家の注意点をまとめました。
ペット用の床材は費用が高額
ペット用に作られた床材は、通常の床材に比べて高額な費用がかかる傾向にあります。
ペット用の床材の導入を考えている場合は、どのくらいの費用がかかるのかを事前にリサーチしたうえで、余裕を持った予算を設定しておきましょう。
床暖房を採用する際は注意が必要
人間にとって暖かく快適な床暖房ですが、ペットにとっては危険な場合もあります。
ペットは人間に比べて床に近い環境で生活をしているため、床暖房の温度の影響を受けやすく、熱中症や低温やけどの原因になる可能性があります。
使用してはいけないわけではないですが、床暖房を使用するときはできるだけ近くでペットの様子を見守り、適切な温度調整をおこないましょう。
飼い主の方が長く生きる
一般的にペットとして飼われている動物は、人間よりも寿命が短いです。
飼い主の方が長く生きる可能性が高いことも頭に入れて家づくりをしましょう。
ペットを飼う前提で設計された家の場合、いつか飼っているペットが亡くなってしまったときに、ペット用として作った設備が使えなくなってしまいます。
新しくペットを迎え入れる場合には問題ありませんが、そのまま新しいペットを飼わない場合は、家の中に必要のないスペースができてしまいます。
ペットが亡くなるのはとても悲しいことですが、家づくりにおいては飼い主の方が長く生きる前提で、亡くなったその後についても見据えて設計することをおすすめします。
お部屋の一部だけをペット用の床にする設計もあり
ペット用の床材は素材やデザインのバリエーションが限られてしまい、理想の雰囲気のお部屋にならないこともあるのではないでしょうか。
このように、お部屋全体をペット用の床材にすることが難しければ、お部屋の一部だけをペット用の床材にする設計も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
ケージの周りなど、ペットが主に生活するスペースの周りだけをペット用の床材にするという方法です。
さまざまな理由で、お部屋全体をペット用にできない場合には選択肢のひとつとして検討してみてもいいでしょう。
ペットが快適なら飼い主も安心!ペットのために床材にこだわろう
ペットにとって暮らしやすい床材の特徴やおすすめの床材、ペットと暮らす家の注意点などを解説しました。
家族の一員であるペットが安心して快適に暮らせる家は、飼い主にとってもリラックスできる空間になります。
大切なペットとの快適な生活のために、住宅の床材選びにはしっかりとこだわりましょう。
ペットと暮らす家を安心できる環境にするために知っておきたい床材選びのポイントをまとめました。