モダンや和風の外観になじみやすい、2階にウッドデッキがある家。
おしゃれな雰囲気なので憧れる方もいるのではないでしょうか。
とはいえ、取り入れたくても費用やメリットが分からなければ躊躇しますよね。
今回は、2階にウッドデッキを設置するメリットや注意点、費用などを解説します。
特に住宅密集地に建築予定の方、限られた建築面積を活かして家づくりをしたい方は必見です。
ぜひ、参考にしてください。
目次
2階にウッドデッキを設置する方法
戸建ての2階部分に設置するウッドデッキを「バルコニー デッキ」や「スカイデッキ」とも呼びます。
2階にウッドデッキを設置する方法は主に3種類あり、まずはそれぞれの特徴をご紹介しましょう。
バルコニーにデッキ材を敷く
3種類の中で一番簡易的な方法は、バルコニーにデッキ材を敷くことです。
手軽でコストも抑えられてDIYも可能。
木製のデッキを備え付ける
備え付けタイプのウッドデッキは、斜面の上に設置可能です。
この方法だと傾斜地に家を建てる場合は土地を有効活用できて、2階部分のスペースを広げられます。
しかし、傾斜地の施工は安全性を確保するため細かい検証が必要です。
また、ウッドデッキを備え付けられない立地もあるため、すべての傾斜地に設置できるとは限りません。
駐車場の上を活かして設置する
新築時に一番検討されて、かつ最適な場所は駐車場の上に設置することです。
2階部分にウッドデッキを作れば2階を広く活用でき、1階部分はカーポートの役割を担います。
そのため、庭の面積が限られる場合や住宅密集地に建てる場合はメリットだといえるでしょう。
カーポートとして2階部分にウッドデッキを設ける場合、主に2種類の方法があります。
- 壁付型
壁付型は、住居から出入りできる仕様であり、建物の壁でデッキを支える構造です。住宅の場合だと壁付型を選ぶのが一般的。2階にリビングがある家ならウッドデッキのメリットを感じられます。 - 独立型
独立型はデッキのみで支える構造であり、柱を太くするなど建材や工法を熟考する必要があります。2階ウッドデッキに上がるには、外階段を利用する仕様になっています。そのため、壁付型で設置できない場合や建物とつなげたくない場合に適している方法です。
2階にウッドデッキを作るメリット
2階にウッドデッキを作るメリットは主に3点です。
特に、庭の面積が限られる場合や住宅密集地に建てる方は参考にしてください。
スペースが増える
2階にリビングがある間取りなら、ウッドデッキを設置すれば活用スペースが広がります。
ウッドデッキ部分をセカンドリビングにしたり、手軽な庭園を作ったりなど家族の憩いの場になるでしょう。
特に狭小地住宅の場合は、2階にウッドデッキを設けることで屋根付きの駐車場と広めのスペースが確保できるため、メリットしかありません。
開放感を味わえる
2階のウッドデッキは、間取りを工夫することで開放感を味わえます。
例えばウッドデッキにリビングを隣接すれば、拡張効果によりリビングが広く感じられるのです。
また、1階のウッドデッキに比べて外からの視線が入りづらく、プライベート空間が実現する点も魅力的。
ウッドデッキに目隠しを設ければプライバシーも確保でき、カーテンがいらない開放的な暮らしができます。
まさにスカイデッキという名にふさわしい、圧迫感を感じない空間が実現するのです。
地面から水分の影響を受けにくい
ウッドデッキの劣化原因の一つに水分が挙げられます。
2階ウッドデッキの場合、1階の設置に比べて地面から出る湿気の影響を受けにくく、風通しがよい点がメリットです。
つまり、自然に湿気対策できて劣化スピードを引き伸ばせるのです。
また、1階のウッドデッキは雑草に悩まされがちですが、2階ならその心配もありません。
2階にウッドデッキを作るデメリット
メリットがある一方で、デメリットは2点あります。
デメリットを考慮した上で検討してください。
1階部分の日当たりが悪くなる可能性がある
2階にウッドデッキを設置すれば、真下の空間は日当たりが悪くなります。
1階がカーポートなら問題ありませんが、リビングや居室だと1日中日が当たらない恐れも。
新築であればウッドデッキ下の間取りを熟考する必要があります。
メンテナンスや手入れが必須である
ウッドデッキは屋外にあるため、必然的に雨や紫外線の影響を受けます。
つまり、雨水を拭き取ったり腐食を防ぐ塗装をしたりなど定期的なメンテナンスは必須。
メンテナンスを怠れば木材の劣化や反りは免れません。
特に天然木のウッドデッキならば、3〜5年に1回の頻度で木肌の塗装をしましょう。
2階のウッドデッキにかかる費用
ウッドデッキにかかる費用は、使用する木材や構造材の数・種類(木や鉄骨)によって幅があります。
例えば、カーポートとしてウッドデッキを設置するならば、同じ広さでも壁付型と独立型では価格が異なります。
以下は10平方メートル(車1台分)のウッドデッキを新設する場合の価格例です。
- 壁付型:150~300万円(目安)
- 独立型:100~250万円(目安)
2階のウッドデッキで失敗しないポイント
ここからは、2階ウッドデッキで失敗しないために4つのポイントをご紹介します。
用途を明確にする
まずは、ウッドデッキの用途を明確にしましょう。
そうすれば広さや強度が決められます。
例えば、ウッドデッキをセカンドリビングとして活用するなら、ある程度の広さと安心できる強度が必須です。
一方、洗濯物を干すスペースや簡易的な庭として使用するなら、バルコニーほどのスペースでもよいでしょう。
建ぺい率と容積率を考慮する
2階にウッドデッキを設けるならば建ぺい率と容積率に注意しましょう。
建ぺい率
建ぺい率とは、土地の敷地面積に対して建築面積の割合を占める数値です。土地には建ぺい率が定められており、それを超える広さは建築できません。
一般的に、2階にウッドデッキを設置する場合は建築面積に含まれます。
しかし、以下の条件に該当していれば建築面積に含まれないケースもあります。
- 階下に柱や壁がない
- 3方向が壁に囲まれていない
- 屋根やひさしがない
上記の条件は地方自治体によってルールが異なるため注意しましょう。
容積率
容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合です。
2階建ての戸建ての場合、1階と2階の床面積の合計が延床面積となります。
容積率も土地ごとに定められており、それを超えると違法です。
2階ウッドデッキの場合だと、屋根やひさしがなく外に開放されている空間であれば延延床面積算入されません。
とはいえ、建ぺい率と同様で各自治体でルールが異なります。
囲いの高さによっては壁とみなされたり、外壁から2m超える幅だと延べ床面積に算入されたりなどさまざまなケースがあるため注意してください。
デッキ材を熟考する
デッキ材の種類によって耐久性やメンテナンス頻度が異なります。
そのため、用途が決まればデッキ材を熟考することが大切。
デッキ材は主に2種類あります。
- 人工木
人工木とは樹脂と木粉を混ぜ合わせた素材であり、無垢材に似せられて作られています。湿気に強く劣化しにくい点がメリットです。デメリットは、熱を吸収しやすい性質があるため、夏場は素足で歩けないほどになる恐れも。メンテナンスコストが低いので機能性を重視するならおすすめです。 - 天然木
天然木は木のあたたかみを感じられ、耐久性と高強度がメリットです。木材の種類によって特徴が異なり、虫を寄せ付けない成分を持つ木や柔らかい質感がある木などさまざま。メンテナンスは人工木に比べて手間がかかる一方、それだけに長持ちして耐久性も確保できます。セカンドリビングやカーポートとして活用するなら天然木がおすすめです。
排水設備を整える
屋外にあるウッドデッキは、排水設備を整えなければいけません。
排水ルートを確保すれば雨水によるデッキ材の腐食を防げて、デッキスペースを安全に活用できます。
新築時なら設計士に伝えれば配慮してくれるので、事前に相談しましょう。
ウッドデッキが2階にあれば日常が彩りあるものに!
2階にウッドデッキを設置すれば活用スペースが広がり、一般的な庭では味わえない開放感が楽しめます。
特におすすめは駐車場の上のスペースを活かしてウッドデッキを作ること。
2階リビングに隣接すれば開放的な空間を演出でき、1階部分はカーポートになるため土地を有効活用できますよ。
もし新築時にウッドデッキを躊躇うなら、後から敷けることも念頭に入れておきましょう。