天井でくるくると回る、飛行機のプロペラのような家具を見たことがありませんか。
こちらは「シーリングファン」という家具で、部屋の空気をかき混ぜて循環させる役割があります。
換気や冷暖房の効果を高めてくれるだけでなく、おしゃれなインテリアアイテムとしても人気の設備。
ただし、設置に際してはデメリットや注意点もよく理解しておく必要があります。
この記事では、シーリングファンの特徴や効果、設置方法、活用事例について紹介します。
目次
シーリングファンとは?
シーリングファンとは、部屋の天井に取り付ける大型の扇風機のこと。
部屋の中の空気を撹拌(かくはん)させ、空気の循環を促してくれる効果があります。
特定の箇所を冷やす扇風機とは違い、部屋全体に空気を送る大型のサーキュレーター(送風機)のような役割があるとイメージしましょう。
シーリングファンを設置する効果とメリット
シーリングファンにはさまざまな効果があります。
主な特徴や設置するメリットをチェックしてみましょう。
暖房・冷房効率を高める
シーリングファンで空気の流れを生むことで、エアコンの暖房・冷房効率が高くなります。
部屋の中で寒暖差が生まれる原因は、暖かい空気は上に行き、冷たい空間は下方向に滞留する特性に理由があります。
広い部屋や吹き抜け構造の場合は、その状況がより顕著になるでしょう。
シーリングファンで空気の循環を促せば、部屋を適温にするまでの時間も短くなります。
また、製品によっては風向きを変更できるタイプもあるので、時間帯や季節に応じて送風方法を変えることも可能です。
月々の電気代を節約できる
冷暖房の効率が高まることで、エアコンの稼働率が下がります。
猛暑日や梅雨、寒波が続いた場合でも快適に過ごせるため、月々の電気代を節約できます。
風通りの良い家であれば、窓や中庭から入る自然風だけで心地良く過ごすことも可能。
湿った空気を流して循環してくれるので、梅雨時期のジメジメした空気もなくなります。
嫌な臭いを外に逃してくれる
料理中に発生した臭いや煙なども逃しやすくなります。
天井が高い部屋だといつまでも上部に臭いが留まってしまうこともありますが、シーリングファンを使えば簡単に嫌な臭いを解消することが可能。
特に仕切りのないLDKや吹き抜け空間などは臭いが消えにくいので、適所に設置するのがおすすめです。
雨が降っている日など、あまり窓を開けずに空気の入れ替えをしたいときにも便利に活用できます。
湿気や結露を防いでくれる
家を劣化させる大敵が結露やカビ。
これらは湿気や寒暖差によって起こりますが、シーリングファンで空気を循環させることで発生を防いでくれます。
外出時や寝ている時間にもファンを回しておけば、冬時期のカビの繁殖も抑えられます。
衣服の乾燥に効果的な空気の流れを作ってくれるので、部屋干しをしたいときにも大活躍しますよ。
おしゃれなインテリアにもなる
素敵な空間の天井を彩るシーリングファンは、インテリアとしてもおしゃれなアイテムのひとつ。
一定のスピードでゆったりと回り続ける見た目は、部屋全体の雰囲気を一段階引き上げてくれます。
一度は憧れた海外風の邸宅や、豪華な内装のコテージ、海に近い別荘風のサーファーズハウスなど、さまざまな空間にマッチしやすいのも魅力!
開放的な空間やモダンな家具との相性もぴったりです。
シーリングファンを設置する際の注意点
おしゃれな見た目のシーリングファンですが、取り付ける際にはいくつかの注意点があります。
まずシーリングファンは意外に重量があるため、ある程度強固な天井・柱がある場合にしか設置できません。
重量はどのメーカーの製品を選んでも5〜10kg程度ですが、天井の強度によっては5kg以下までしか設置できない場合もあります。
補強工事によって設置できる場合もあるので、詳しくはメーカーや工務店に問い合わせましょう。
取り付け位置によっては掃除が非常に面倒なのもデメリットです。
高所から吊るして設置する場合は、普段どのようにお手入れするかも考えておきましょう。
また、ある程度のモーター稼働音があるので、日常生活で気にならないレベルかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
シーリングファンを選ぶときのポイントは?
シーリングファンは種類が豊富にあるので、どのような基準で選べばいいのか分からない方も多いはず。
自分にぴったりの一台を選ぶときのポイントについて解説します。
照明は必要?
シーリングファンには、照明一体型のタイプと、ファンのみの2種類があります。
照明一体型は価格が高く重量が重い反面、照明と風量の調節を一度にできるメリットがあります。
ファンのみのタイプは設置しやすいですが、設置場所と離れた位置に別の照明を配置する必要があります。
どちらもメリット・デメリットがあるので、作りたい部屋の雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。
取り付ける位置を確認
選んだシーリングファンの重量に耐えうる強度があるかを確認しましょう。
吹き抜けなどの高所に設置する場合は、延長パイプをつけてある程度床までの距離を近づける必要があります。
また、勾配天井に設置する場合は、傾斜天井に対応したアタッチメントを選びましょう。
機能性
調光調節機能やリモコン操作対応、ファンの回転方向を変える機能(リバース)など、ラインナップによって搭載されている機能が異なります。
細かな風量調節がしたい方は、細かい機能まで比較してから購入を検討しましょう。
見た目とデザイン
デザインは部屋の雰囲気や家具との相性を考えて選びましょう。
最も王道的なものは、天然木を使用したダークブラウンのシーリングファン。
そのほかにも、格式の高いレトロ・アンティークテイストや、白一色のシンプルモダンなど、さまざまなバリエーションがあります。
基本機能はどれも同じなので、統一したいインテリアの雰囲気に合わせて選ぶのがベストです。
羽の数と大きさ
羽の数と大きさは、見た目の印象を変える大事な要素のひとつ。
一般的に人気なのは3〜4枚のタイプで、好みに応じて5〜6枚のタイプを選ぶのも良いでしょう。
風量に違いはありませんが、羽の枚数が多いほうが細かい風が生まれます。
また羽の大きさは、スマートな印象を与えたいなら100cm未満のタイプを、大空間でインパクトを強めたいなら、100cm以上のものを選ぶのがおすすめです。
シーリングファンで空間をおしゃれに!おすすめの設置パターン3選
ここからは、シーリングファンの設置におすすめの場所について紹介します。
吹き抜け空間の主役に
シーリングファンは、おしゃれな吹き抜け空間との相性が抜群!
味気なくなりやすい吹き抜けの天井部分を引き締めてくれるのはもちろん、上部に滞留しやすい空気を部屋全体に循環させてくれます。
照明付きファンを選べば、上から照らす優しい光でリラックス効果も演出できますよ。
勾配天井に配置して雰囲気アップ
屋根の形状に沿った斜めの勾配天井は、通常よりも天井が高くなる設計のひとつ。
こちらも空気が滞留しやすい構造なので、シーリングファンと組み合わせて空気の流れを作るのがおすすめ。
家具や照明との相性を考えて組み合わせれば、ログハウス・サーファーズハウスのようなおしゃれな雰囲気も演出できます。
大空間なら自由なインテリアを楽しめる
開放的な大空間に設置するのもおすすめ。
多少大きめのシーリングファンを設置しても、自然と空間に馴染んでくれます。
家具のインテリアテイストと合わせて、色や素材を合わせるのも良いでしょう。
ただし天井が低いと圧迫感が出てしまうため、ある程度天井を高くとる設計が必要になります。
シーリングファンで換気効率を高めよう
今回はシーリングファンの特徴やメリットについて解説しました。
ある程度広めの部屋が必要になるものの、おしゃれ感をアップさせつつ通気性も確保してくれる便利なアイテムです。
日本の一般的な一戸建て・マンションなどは天井が低く設計されているケースが多いため、自由に設計できる注文住宅とは相性が良いのが特徴です。
気になる方は記事の内容を参考に、ぜひお気に入りのシーリングファンを選んでみてください。
色、素材、形状、羽の数などバリエーションが豊富なので、家具や装飾と組み合わせてインテリアを楽しむこともできます。