「なぜシロアリ対策が必要?」「被害を予防する方法は?」など、家づくりの際にこのような疑問を抱く方はいるのではないでしょうか。
言葉は聞いたことがあっても、今まで直面する機会がなければ知らないことですよね。
この記事では、シロアリの基礎知識や対策の必要性、対策方法を詳しくご紹介します。
これから家づくりを始める方にとって理解を深めておけば、安心安全な住まいづくりに繋がります。
ぜひ参考にしてください。
目次
シロアリの基礎知識
まずは、シロアリの基礎知識をご紹介します。
シロアリの種類
シロアリはゴキブリの仲間であり、アリの一種ではありません。
以下は日本の住宅に被害を及ぼすシロアリ2種類の特徴をまとめました。
ヤマトシロアリ | イエシロアリ | |
分布地域 | 北海道を除く日本全国 | 主に関東より南の地域 |
特 徴 | ・4月~10月頃活発に活動 ・湿った木材を好む ・庭や家の土台など、湿って腐りかけた木材に集団ですみつく | ・古い木材よりも新しい木材を好む ・食欲が旺盛で繁殖力が強い |
被 害 | ・床下、浴室、天井など家全体に被害を及ぼす ・ゆっくりと進行するため気づきにくい | ・自ら水分を運ぶ働きがあるので、乾いた建材にも被害を及ぼす |
シロアリが及ぼす被害
シロアリは、木材や基礎コンクリート、プラスチック、繊維類などを食べて住宅に被害を及ぼします。
木造住宅だけでなく、鉄筋コンクリート造りの家でもわずかな場所からシロアリが侵入し、食べ尽くす可能性があるのです。
シロアリの被害は表面的には見えにくく、発見が遅れやすい特徴があります。
シロアリが発生する原因
シロアリが好む条件は下記3点が挙げられます。
- 水分を含む湿った場所
- 栄養源がある場所
- 適度な温度
シロアリは高い湿度に保たれた場所を好み、落ち葉や木材、本、畳などが栄養源です。
また、シロアリにとって適度な温度はヤマトシロアリだと12~30度、イエシロアリならば17~32度といわれています。
木造であれば建材を食べ、鉄筋コンクリート住宅であれば床下は気密性や保温力が高く、シロアリが住みやすい環境なのです。
シロアリ対策の必要性
上記の被害を防ぐためには、シロアリ対策は必須です。
なぜなら、シロアリの被害が進行した場合は下記4点の危険性があるからです。
ここからは、シロアリ対策の必要性をご紹介します。
地震で倒壊する恐れがある
シロアリはおびただしい数で活動しています。
もしシロアリがすみつくと、木材を食べ尽くされて手で割れるほど脆くなります。
計画的に施工されている住宅であっても、一部分がシロアリによる被害を受けると全体のバランスを崩してしまい、最悪の場合倒壊する恐れがあります。
また、地震に強い家を建てたとしても基礎の部分にシロアリ被害を受けてしまうと元も子もありません。
安全を脅かし、耐震性が機能しなくなる可能性があります。
修繕費用がかかる
万が一シロアリの被害にあってしまうと、シロアリ駆除費だけではおさまりません。
駆逐された箇所の修繕や補強をする必要があるからです。
基礎部分や大引きは床下に入る作業になるため修繕や補強には多額の費用がかかり、最悪の場合は修繕ができないことも可能性があります。
住宅の寿命を保つためにもシロアリ対策を疎かにしてはいけません。
近隣トラブルを引き起こす恐れがある
シロアリは巣を作った近隣で繁殖する習性があります。
万が一、シロアリを予防せずにすみついてしまった場合は近隣の住宅にも被害を広げてしまうことも。
2次被害を広げないためにもシロアリ対策は必要だといえます。
タイミング別シロアリ対策
ここからは、シロアリの被害を防ぐための新築時と入居後それぞれ具体的な対策をご紹介しましょう。
新築時
建築基準法で「木材建築の地面から1メートル以内の部分には必要に応じて防蟻処理を行うこと」と明記されています。
つまり、新築を建てる際はこの基準を満たす必要性があるのです。
それに加えて下記3点の対策をご紹介します。
シロアリ被害に合いにくい木材を選ぶ
家の基礎となる構造材は、腐防蟻加圧注入を施された木材やシロアリに強い木を選びましょう。
木材の中にはシロアリが嫌がる成分を持つ木、水分量が少ない木などさまざまな木があります。
100%被害を防ぐのは困難ですが、他のシロアリ対策と組み合わせれば効果が期待できます。
- ヒノキ
- スギ
- イタウバ
- ヒバ
- チーク
シロアリの侵入経路に対策を施す
シロアリ対策する場合、侵入経路を理解すれば場所に見合った対策が施せます。
- 基礎の隙間、立ち上がり、打ち継ぎ部
- 玄関ポーチ
- 給排水管(風呂場、洗面所、キッチン、トイレなどの水回り)
上記の場合であれば、防蟻剤入りのウレタンやシーリングで隙間を塞ぎましょう。
重点的に対策を施せば高い効果を発揮します。
床下点検をしやすくする
シロアリを早期発見すれば、被害は最小限に防げます。
床下や基礎の外側などを点検しやすい作りにすれば、定期的に点検できて予防できるのです。
具体的には床下に潜りやすい点検口を作る、基礎の近くに動かしにくいものを設置しないなどが挙げられます。
入居後
シロアリ対策は1度で終わりではなく、入居後も定期的な対策が必要です。
風通し・日当たりをよくする
シロアリにとって高い湿度があり、日の当たらない場所は絶好の住処。
普段から湿気がこもりやすい場所は定期的に風通しを良くしてください。
床下や屋根裏押入れなどは湿調効果のあるものを置くなど対策しましょう。
また、庭に設置した鉢植えの下なども湿度が高い場所です。
土の中からシロアリが這い上がってきやすいため、定期的に場所をずらすなど習慣づけて対策しましょう。
定期的にシロアリ防除剤を使用する
新築の場合、ほとんどシロアリ予防工事が行われています。
しかし、薬剤の防除効果の保証期間は約5年です。
そのため、5年に1度のペースで専門業者によるシロアリ防除をしましょう。
ご自身で市販の防除剤を使用して手軽にできますが、業務用に比べて効果が早く終わります。
この場合は3ヶ月や半年に1度のペースで定期的に薬剤を散布してください。
- 床下
- 庭
- 物置の下
- 柱
- 木製プランター付近
水漏れや雨漏りをチェックする
シロアリは水なしでは生きられません。
つまり、水漏れや雨漏りをしている場所はシロアリに水を与える場所になり、すみついてしまう原因になります。
そのため、半年から1年に1度の頻度で水漏れや雨漏りがないかチェックしましょう。
万が一発見した場合は、早めに対処することでシロアリ対策にも繋がります。
シロアリの餌になるものを置かない
湿度が高い場所にはシロアリの餌となる木材を置かないようにしましょう。
また、ダンボールの原料は木材であることが多いため、屋外にダンボールを放置することも危険です。
餌になり得るものは早めに捨てて、シロアリを寄せ付けないよう工夫しましょう。
安心安全な住宅を建てるならシロアリ対策は必須!
長く快適に暮らせる家づくりをするならば、シロアリ対策は欠かせません。
シロアリ対策は、ご自身でできることや専門業者に依頼するなどさまざまです。
また、新築時にしか施せないシロアリ対策も存在します。
しかし一方で、シロアリの被害ばかりを意識すると、本当に望む家が建てられない可能性もあります。
つまり、家を建てる際は、シロアリ対策のノウハウと住み心地を重視した自由度が高い施工を両立する工務店を選ぶことが重要です。
わたしたちTIMBER YARDは、自社設計・施工による質の高いSE構法に加えて、万全のシロアリ対策を施しています。
注文住宅をお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
被害をそのままにしておくと劣化の原因になり、最悪の場合は倒壊や資産価値の低下を招くことに繋がるのです。