開放感があり、屋根の形状を活かしておしゃれな空間を演出できる勾配天井。
勾配天井の照明は、選び方や取り付け方次第で印象が変わり、メリハリがある空間を作れる点が魅力です。
そのためには、勾配天井の照明の特徴や取り付け方、失敗しないポイントを知ることが重要です。
この記事では、勾配天井の照明について知っておきたいポイントを詳しくご紹介します。
注文住宅で勾配天井を検討している方は役立ててください。
目次
勾配天井に取り付ける照明の特徴
一般的な室内照明は、天井に照明を設置して上から下に直接光を照らすもの。
天井の高さや角度で光り方が変わる
勾配天井はそれぞれの設計によって天井の高さや角度が違います。
そのため、部屋の特性や天井高、角度を考慮して光の照らし方を計画する必要があるのです。
一般的な天井高は2m40cmを基準としていますが、勾配天井の場合は高さが3mを超えることも。
フラットな天井用の照明を勾配天井に取り付けると、床やテーブルの反射率や照射までの距離が変わってしまい、落ち着かない空間となるでしょう。
光を分散させる必要がある
勾配天井の照明は斜めから光を届けるため、フラットな天井に取り付ける照明に比べて部屋全体が薄暗い印象になる可能性があります。
そのため、部屋全体を照らすには照明を複数使用し、光を分散させて光量を取り入れることが大切です。
光を分散させれば柔らかい灯りを生み出し、癒やし空間にもつながります。
勾配天井に照明を取り付ける方法
勾配天井の照明は、部屋の特性に合った取り付け方が大切です。
設置のポイントは1部屋に1灯ではなく、複数の照明を使うこと。
ここからは、取り付け方法の一例をご紹介します。
天井から吊るす
勾配天井ではコード式のペンダント照明を使って天井から吊るす方法があります。
ペンダント照明は、照射角度が床と平行になるため安定した光源を作れて、比較的取り入れやすい点がメリットです。
また、コードの長さを変えられるタイプもあるため、ほしい場所に光量を調整できます。
さらにペンダント照明はデザインや素材が豊富にあるのも魅力のひとつ。
一方、注意点は照明器具に重量負担がかからないようにすることです。
対策は「勾配天井用のシーリングを取り付ける」「フランジを使用する」こと。
これらを使用すれば照明の重量をしっかり支えられるので、照明が落下する心配はありません。
勾配天井用のダウンライトを使用する
ダウンライトを取り付ける場合は、勾配天井用のものを使用しましょう。
勾配天井用のダウンライトであれば、角度を変えると光が床に向かって垂直に照射して手元に光を届けられます。
また、壁に向けて光を照らすなどの工夫も可能です。
壁面の面積が広いほど反射率も高くなるため、間接照明のような働きで部屋全体が明るくなります。
ただし、空間を明るくする目的なので、読書や作業するなど手元に灯りが欲しい場合は、フロアランプなどのライトを使用しましょう。
梁に取り付ける
勾配天井の場合、梁を活かす住宅を検討される方もいるでしょう。
その場合は、あえて照明を梁に取り付けるのもおすすめです。
勾配天井であっても、フラットな天井と同様、梁と床は平行しています。
そのため、室内を明るくしたい場合は効果的であり、ペンダントライトやスポットライトであれば、梁に程よくなじむでしょう。
取り付ける位置は、梁の上、梁の下、梁の側面があります。
照らし方次第で部屋の印象がまったく変わる点が特徴です。
- 梁の上
天井面に光を照らして、間接照明の光量が取れます。部屋全体がほんのり明るく、手元は暗めです。 - 梁の下
フラットな天井に照明を付けるイメージなので、光が床面に垂直に届きます。梁に沿っていくつか設置すればおしゃれな雰囲気を演出できます。 - 梁の側面
梁の側面に取り付ければ、梁の上・下の場合の、どちらの利点も得られます。ペンダントライトやライティングレールを設置して、ライトの角度や位置を自由に変えられるようにしましょう。
壁に取り付ける
意外に盲点なのが、壁に照明を取り付けることです。
上記でもご紹介したように、広い壁面に光を当てれば反射率が高まり、柔らかい光を生み出します。
壁にテンポよく間接照明を複数取り付ければ、空間全体を明るくできて、部屋がきれいに見えます。
ブラケットなどの壁付照明を使用して上下、左右に光を分散させれば、よりおしゃれな演出ができるでしょう。
注意点は光があたる場所に障害物を設置しないこと。
光が伸びる方向にクーラーなどがあれば影になってしまうため、注意が必要です。
勾配天井の照明で後悔しないポイントは?
高さがあり、開放的な空間が魅力の勾配天井。
しかし、実際照明選びで失敗して後悔した方がいるのも事実です。
ここからは、照明選びや設置など後悔しないポイントを紹介していきましょう。
設置する高さに注意する
勾配天井に照明を設置する際、高さは3,500mm以下を目安にするとよいでしょう。
なぜなら、脚立が届く範囲だからです。
ご自身でメンテナンスや電球の交換が無理なくでき、危険を伴う可能性は低いでしょう。
しかし、3,500mm以上であれば業者に頼む必要があり、その分費用がかかります。
自分でメンテナンスがしたい、コストをかけたくないなどの理由であれば、設置する高さを考慮しましょう。
配線に気を配る
勾配天井に梁がある場合、照明を設置するときは配線を隠す工夫が必要です。
配線がむき出しになっていればホコリがたまり、生活感が出て少々気になるもの。
せっかくの魅力的な設計が無駄になりかねません。
ライティングダクトなどを使用して、おしゃれに配線を隠す工夫をしましょう。
メンテナンスしやすい照明を選ぶ
勾配天井につける照明は、掃除やメンテナンスなど日頃のケアが少々しづらい場合もあります。
手間をかけずにメンテナンスするには、以下の特徴がある照明を選びましょう。
明るさにメリハリを出す
勾配天井の照明は、複数の照明を組み合わせて、明るさにメリハリを出すことがポイントです。
また、シーンに合わせて光量を調整できる機能や、光の色味を変えられる機能が付いた照明ならば、手軽に部屋の雰囲気を変えられます。
例えば、明るさを全面に出したいなら、すべての照明を使用しながら昼白色の色味に変える、リラックスタイムなら天井にだけ当たる照明を活用して配光を調整するなど。
明るさにメリハリを出せば、より快適な室内環境を整えられます。
勾配天井をおしゃれに見せる決め手は照明選びにあり!
勾配天井はフラットな天井とは異なり立体感があるため、照明選びが難しいと感じるでしょう。
しかし、勾配天井の照明の特徴と取り付け方法を知っておけば、その魅力を活かしてデザイン性のある住宅が実現します。
毎日の生活を彩るアイテムだからこそ照明にこだわって、理想的な部屋のイメージを膨らませながら照明計画を立ててみてはいかがでしょうか。
しかし、勾配天井の場合は光の取り入れ方や照らし方に特徴があるため、ここでは主な特徴を2点紹介していきます。