注文住宅を建てるときに後悔しないように気をつけたいのが、電気の配線位置やコンセントの数です。
特に洗面所は多くの電化製品を使うため、コンセントの数が必要なことに気づかされます。
洗面所の快適さは、コンセントの位置によっても左右されます。
どうしても数が不足する場合はリフォームで増やすことも可能ですが、事前に検討して設置する方がコスト面でもお得でしょう。
この記事では、洗面所で必要なコンセントの数や位置を決める際のポイントや失敗例、安全対策も含めたノウハウを解説します。
使いやすい洗面所はコンセントが決め手となるため、しっかりと検討していきましょう。
目次
洗面所のコンセントの用途とは
洗面所でよく使われる電化製品には何が挙げられるでしょうか?
家庭によって違いはありますが、一般的に使われているものをご紹介します。
- 洗濯機・衣類乾燥機
- 暖房器具・扇風機(サーキュレーター)・除湿機
- ドライヤー・ヘアアイロン
- 電動歯ブラシ
- 電動シェーバー
- 美顔スチーマー
- 入れ歯の超音波洗浄機
- アイロン
- コードレス掃除機の充電
- 携帯電話の充電
- 高齢者や乳児がいるときは冬場のセラミックヒーター
家族構成や習慣によっては、洗面所で使うものが他にもあるかもしれません。
これらを使う時間帯や状況を考えながら分類し、必要なコンセントの数を割り出していきましょう。
洗面所に必要なコンセントの数とは
洗面所は他の部屋に比べて狭い空間にもかかわらず、生活動線や家事動線の拠点となるスペースです。
コンセントが足りないと不便を感じやすいため、家族の生活習慣を見直しながら数を決めましょう。
1:洗濯機と衣類乾燥機の専用
現在は洗濯機だけを使用していても、生活環境の変化によって衣類乾燥機を購入する可能性もあります。
洗濯機の近くにコンセントを設置しておけば、衣類乾燥機を買いたくなったときに迷わず選択できるでしょう。
2:扇風機、空調機の専用
天井近くの高い位置にコンセントをつけると、壁掛け用扇風機やエアコンなどを設置できます。
洗面所は湿気がたまりやすいため、換気扇を設置する場合が多いでしょう。
しかし、より涼しく乾燥させたい場合は、コンセントを設置しておくと選択肢が広がります。
3:ドライヤーやヘアアイロンの専用
女性の多い家族構成の場合はドライヤー専用のコンセントを用意することをおすすめします。
寝る前の準備で複数の家族が同時に洗面所を使う可能性もあり、コンセントの取り合いになるのを防ぐためです。
4:暖房器具、除湿器の専用
高齢者や乳幼児がいる家庭では冬の暖房器具が必要となる場合が多いでしょう。
ヒートショック予防や寒さ対策がすぐにできるように、床に近い位置にコンセントを設けておきましょう。
また、洗面所で部屋干しをする場合、サーキュレーターや除湿器を設置しやすいように、低い位置にコンセントがあると便利です。
5:掃除機、ルンバの専用
近年、コードレス掃除機を利用する家庭が増えています。
コードレス掃除機の収納場所を洗面所にする場合は、充電器専用のコンセントがあるとよいでしょう。
最近はルンバなどロボット掃除機を使う人も多く、今後さらに自動掃除機の種類が増える可能性があります。
それもふまえて、掃除機用のコンセントをひとつ以上用意しておけば安心です。
6:アイロンなど作業用
盲点になるのが、アイロンがけなどちょっとした作業に使いたいコンセントです。
洗面所内でどんな家事をするのか、作業場所をしっかり確保するのかにもよりますが、ひとつ予備として用意しておくといざというときに使えるでしょう。
コンセントの位置を工夫して便利に
ここでは、コンセントを設置するのにおすすめの場所をご紹介します。
設計段階で決めておけばコンセントはさまざまな場所に設置できるため、使うときの様子を思い浮かべて考えてみましょう。
ミラー収納の中
洗面所をすっきり見せる収納型のミラーを選ぶ場合、収納の中にコンセントを設置しておけば、電動歯ブラシや電動シェーバーの充電、入れ歯の超音波洗浄機などに利用できるでしょう。
収納内部にコンセントをつけることで、水ハネからコンセントを遠ざけられ安全対策にもなります。
また、見た目もスッキリして、生活感がでやすい洗面所を美しく保てるでしょう。
作業台の上
作業台の高さはいろいろなモノを置くのにちょうどいいため、コンセントがあると便利です。
アイロンなどの家事で使う以外にも、携帯電話の充電や美顔スチーマーなど、小型電化製品の置き場としても使いやすいでしょう。
そのため、モノを置きすぎないよう注意が必要かもしれません。
コンセント設置の失敗例
ここではコンセント設置でよくある失敗例をご紹介します。
リフォームで変更もできますが、最初に設置するよりも高い料金がかかる場合があります。
後悔しないように、ぜひ参考にしてください。
数が足りない
よくあるのがコンセントの数が足りないという失敗です。
分譲マンションや建売住宅では洗面所のコンセントが2ヵ所設置されていることが多いため、2ヵ所で足りるだろうという先入観があり、生活しているうちに足りなかったと後悔した事例があります。
長く住む家では、家族の年齢や環境の変化によって生活習慣が変化していくため、将来を見越してコンセントの数を決めるとよいでしょう。
コンセントの位置が悪い
大手メーカーの洗面台ではコンセントが鏡の下部に設置されている場合があり、水ハネが気になる人もいるでしょう。
他にも床近くにコンセントを設置しなかったため、小型暖房器具や扇風機などのコードを、コンセントのある高い位置に持ち上げることになるため、使いにくいという事例があります。
差し込むために長く伸ばしたコードは足を引っ掛けやすいため、注意しましょう。
作業用コンセントが欲しい
洗面所では、リビングやキッチンでは洗えないような汚れのひどいものを洗うことがあります。
スチームアイロンをかけたり、急な雨で部屋干しをしたり、洗面所はいろいろなシチュエーションがありえる場所です。
家事以外でも使うこともあるため、どんな状況にも対応できるようなコンセントが必要でしょう。
コンセントの安全対策
多くの電化製品を使う洗面所では、電気事故が起こらないよう注意を払いましょう。
ここでは洗面所で起こりうる問題と安全対策について解説します。
感電防止対策
洗面所で気になるのはコンセントへの水ハネです。
水ハネによってすぐにショートすることはありませんが、水がついたままですと危険なため、すぐに拭き取るようにしましょう。
入浴後に濡れた手で使う可能性があるドライヤーや暖房器具は、感電や回線ショートが起きないように、特に注意が必要です。
また、コンセントに差し込んだままの充電プラグにたまった埃も、湿気が加わるとショートの原因になります。こまめな掃除を心がけましょう。
電気容量に注意
注文住宅の場合、設計段階から相談しておけば問題ありません。
しかし、リフォームなどでコンセントを増やすと、電気容量を超えて発火し、火事になる危険もあります。
業務用の高性能ドライヤーは、一般的なコンセントの電気容量を超えるものもあるため、必ず電気容量を確認しましょう。
電化製品の消費電力一覧
洗面所で使う電化製品の消費電力を紹介します。
一般的なコンセントの容量は、2つの差し込み口を合わせて1500Wです。
例えばドライヤーとヘアアイロンをひとつのコンセントで使うことは、製品にもよりますが容量を超える可能性があります。
ひとつのコンセントで複数の電化製品を使いたい場合は、消費電力をよく確認して使用しましょう。
電化製品 | 消費電力 |
---|---|
洗濯機 | 200~400W |
掃除機 | 850~1000W |
ヒーター | 500~1500W |
扇風機 | 30~50W |
除湿器 | 150~500W |
ドライヤー | 600~1200W |
ヘアアイロン | 20~700W |
電動歯ブラシ | ~2W |
電動シェーバー | ~10W |
アイロン | 600~1500W |
設計段階で洗面所の使いやすさが決まる
ここまで、洗面所のコンセントの数や位置を決める際のポイントや失敗例、安全対策も含めたノウハウを解説してきました。
注文住宅の場合はコンセントの数や位置を自由に設置できるため、打ち合わせの段階から、設計担当者に相談することをおすすめします。
洗面所の使い勝手がいいと、日常生活での小さなストレスが解消されます。
家族が快適に過ごすためにも、しっかりと時間をとって、コンセントの数と位置を考えてみてはいかがでしょうか。