家づくりの収納は失敗例から学ぼう!収納で後悔しない心得や対策を紹介

    こだわりぬいたマイホームでも、住んでみたら「こんなはずじゃなかった」と後悔する人がいるのも事実です。

    その中でも収納は、失敗すると不便を感じるポイントNo.1といっても過言ではありません。

    収納が使いやすく、家族が快適な暮らしを送れることは、住宅の満足度を決めるポイントになるからです。

    この記事では、収納で後悔しない心得や、場所別の失敗例を紹介します。

    家づくりにおいて重要である、収納作りの参考にしてください。

    なぜ収納に失敗したのか?収納の後悔トップ3

    収納部屋

    新築で家を建てた多くの人は、熟考しながら家づくりの計画を立てたはずです。

    しかしなぜ「収納に失敗した!」と後悔してしまうのでしょうか?

    失敗の要因のトップ3を解説します。

    収納スペースが足りない

    室内のスペースを優先したため、収納スペースが足りなくなったケースや、思ったよりも収納する物が大きくて入らなかったというケースは、起きやすい失敗例です。

    原因は収納スペースを無計画に作っていること。

    KAORI

    収納したいものの数や大きさを把握できていなかったり、ギリギリのスペースしか作らないと、物はすぐにあふれてしまうでしょう。

    収納が使いづらい

    収納スペースは十分取ったのに、

    • 出入り口が狭くて物が出し入れしにくい
    • 屋根裏収納があってもハシゴの上げ下げが面倒で使っていない

    など、日常生活で何度も使う収納が使いづらいと、せっかくの収納スペースが台無しです。

    床下収納や奥行きが広すぎる収納は、出し入れするだけでも体に負担がかかるため、誰も使いたがりません。

    そのため、一度収納すると、ほとんど出すこともなくなり、どこに何があったかも分からなくなりがちです。

    収納を設置する場所を間違えた

    家の中の至る所に収納を設けたり、階段下をクローゼットにしたり、やみくもに収納場所の数を多く作ったとしても、生活動線や家事動線と相性が悪いと使わなくなってしまいます。

    よく使う衣類やタオルなどは、欲しいタイミングにすぐに取り出せないと、とても不便を感じるものです。

    結局新たな収納を購入することになると、せっかくの収納スペースも宝の持ち腐れです。

    家づくりで収納を失敗しないための5つの心得

    家づくりの中でも、収納スペースの設計は重要なポイントですが、どうすればいいか悩んでいる人も多くいるでしょう。

    下記では、注文住宅で収納作りを失敗しないための5つの心得を解説します。

    収納のスペースは余裕を持って計画する

    収納は多すぎても少なすぎても後悔するもの。

    基準は、現在住んでいる家の収納スペースよりも1畳~2畳分広くなるように考えましょう。

    長く家に住み続ける間に、ライフスタイルに変化があったり、家族の増減も考えられるからです。

    収納スペースと荷物の量・サイズを把握する

    収納スペースが足りない原因は、計画段階で物の量やサイズを少なく見積もりすぎることが考えられます。

    収納の中に家具などを入れるのであれば、設計の段階から考慮して収納を確保しましょう。

    収納スペースと物の大きさを把握していれば、いざ新築の収納に物を入れる際に「置けない!」という事態が防げます。

    KAORI

    さらに収納する物のサイズが新しい収納と合っていれば、物の出し入れがしやすいのでストレスになりません。

    生活動線をイメージして収納の適材適所を考える

    収納は、使う場所の近くに設けるのが鉄則です。

    部屋によって収納する物と用途が違うからです。

    たとえ収納スペースを広くとったとしても、使う場所と収納する物の量が見合っていなければ不便を感じます。

    生活動線をイメージしながら適材適所を考えれば、後悔しない収納が実現しますよ。

    収納率で決めない

    一般的な収納率は床面積の率で全体の12%、畳6~7枚分のスペースがあれば良いとされています。

    しかし、建物全体の広さによる比率が、実際に保有している物の量にとって、適度な収納スペースだとは言い切れないことも。

    物の量は各家庭のライフスタイルや家族の人数によって千差万別であるためです。

    ミニマリストの方もいれば、コレクション好きで物が多い家庭もあるでしょう。

    したがって収納率だけで判断せず、現実的な物の量を目安に収納を考えることで、無駄な収納や収納スペースがなくなり、足りない事態にはなりにくくなります。

    これまでマンションやアパートに住んでいた方が家づくりをするときは、数字上で判断しやすいので注意しましょう。

    電気配線を考慮する

    電気配線は、忘れがちであり後悔しやすいポイントです。

    奥行きが深い・空間が広い場合は、収納スペース用の電気設備は必須です。

    照明や換気設備の取り付けが可能になり、出し入れがしやすく生きた収納となるでしょう。

    また電気配線を考える際は、コンセントの位置や数など、使いやすさを考えておくと後々困りません。

    コンセントを設置したものの荷物の影になってしまったら、使いにくさにつながるからです。

    KAORI

    収納スペースの手前かつ足元に設置すると利便性もよいでしょう。

    場所別の失敗例と対策

    ひとことで収納といっても、場所により使うものが異なり、用途や量も違うもの。

    下記では場所別での失敗例と、それを解消できるポイントを紹介します。

    玄関

    玄関
    失敗例
    ベビーカー、三輪車、遊び道具、さまざまな大きさのボールなど意外に物が多く、来客時に収納できず乱雑なので少し恥ずかしい。子育て世代にとっては広い収納スペースが必要だと感じました。

    まずは玄関に収納したいものをすべて把握しましょう。棚板の高さを変えられるシューズクローゼットを置けば、玄関回りが変化するライフスタイルに対応できる収納となるでしょう。その際は扉付き収納を選べば、来客時でも整った玄関が実現できます。

    リビング

    リビング
    失敗例1
    気がつけば本や服、子どもの学校用品やゲームなどで散らかってしまいます。

    リビング収納は「隠す収納」「死角を活かす収納」を心がけましょう。隠す収納でおすすめなのは、テレビを中心とした扉付きの壁面収納です。収納力も高く、デザイン性も優れているものが多いため、散らかるのを防げます。死角を活かす収納はソファーの下にしまえる収納がよいでしょう。簡易的な引き出し収納を用いれば、子どもでも片付けしやすい丁度いい場所ができます。

    失敗例2
    リビングは開放的な空間にしたかったので大きい窓を設置しましたが、壁面収納が作れず、物をしまう場所がなくなりました。

    家族の人数によってリビングに置いておきたいものは異なります。採光も大事ですが、まずはリビングに収納したいものと収納場所を決めた後、窓の大きさを決めたほうがより快適さにつながります。

    キッチン

    キッチン
    失敗例
    キッチン回りの収納をたっぷりもたせたくて奥行きをとりましたが、奥のものが取りづらい結果に。さらにパントリーも使いこなせず失敗しました。

    キッチンの収納は比較的小さいものが多いため、奥行きではなく間口を広く取るとよいでしょう。また造作棚でキッチン用品の定位置を決めたり、昇降式のダウンキャビネットを活用したりすれば、出し入れもしやすく家事の効率アップが期待できます。パントリーの場合は、奥行きは50センチほどにして棚の高さが自由に変えられる仕様にすれば、家電や食器類、常備食が管理しやすくなります。

    各部屋

    収納のある居室
    失敗例
    憧れのウォークインクローゼットを設置しましたが、物がごちゃごちゃする上に意外に収納力が小さくて後悔しています。

    ウォークインクローゼットは中に通路が必要なので、壁面収納に比べて収納率は低いもの。どの衣類をどのくらい収納するかをあらかじめ計画しておけば、衣類をかけるポールの位置や収納ケースの数も決められます。さらに、あえて各部屋でハンガーラックスタイルにするなど、見せる収納にするのもよいでしょう。整理整頓に意識が向き、ライフスタイルの変化にも対応しやすくなります。

    脱衣所・洗面所

    洗面所
    失敗例
    意外に収納するものが多くて、消耗品や常備品が混在していて整理しにくい場所。化粧棚の収納だけでなく、他にも収納スペースを作ればよかったと後悔しています。

    脱衣所・洗面所で使用するものをスッキリさせるには、造作の可動棚やニッチカウンターを設置すればスッキリ収納できます。例えば、シャンプーや洗剤などのストックする場所は足元に、ドライヤーは上部に、掃除用具はまとめて収納というように、自分の好みに合わせてアレンジできます。新築だからこそできる技を、フルに活かしましょう。

    収納の満足度は住み心地に直結!計画性をもって楽しもう

    ウォークインクローゼット

    家づくりはどうしても間取りや内装、外観などに目がいきがちです。

    しかし快適な住まいである一番の条件は、使い勝手のいい家であること。

    収納が適材適所でなければ、新築であっても後悔してしまうこともあります。

    部屋の間取りと同じように、収納も吟味して、計画を立てましょう。