北欧家具を選ぶときは、ついデザインやサイズに目がいきがち。
けれど「ソープ仕上げ」や「オイル仕上げ」といった塗装方法も重要な要素の一つです。
この記事では、北欧家具の仕上げの特徴やお手入れ方法について詳しく解説します。
目次
北欧家具の定番の仕上げは2種類
北欧家具の定番の仕上げには、大きく分けて「ソープ仕上げ」と「オイル仕上げ」の2種類があります。
どちらも自分でメンテナンスをおこなえるので、家具を育てたい方に最適。
汚れや水分から木材を守りながらも、木の質感が味わえるのも嬉しいポイントです。
また化学薬品を用いないのも、共通する特徴です。
ソープ仕上げでは合成の界面活性剤を使用しない純石けん、オイル仕上げでは「亜麻仁(アマニ)」「胡桃(クルミ)」「荏胡麻(エゴマ)」といった「乾性油」や、天然のワックスなどを使います。
石けんで保護するソープ仕上げ
「ソープ仕上げ」は北欧などで、よく使われる仕上げ方法です。
名前の通り、石けん水で汚れを落とし、木の導管に石けんを入れ込み汚れを着きにくくすることで木製家具を保護します。
デンマークの家庭で家具や床のメンテナンスに石けんを使っていたことから、生まれた手法だといわれています。
触り心地はサラッとしており、素材本来の色味を楽しめるのが特徴です。
ビーチ材など、白っぽい家具が好きな方におすすめ。
汚れが気になったら洗えるので長い間、白さを保てます。
たとえばハンス・J・ウェグナーの名作「Yチェア」なら、リーズナブルな価格もありビーチ材のソープ仕上げが人気です。
ソープ仕上げのメリット
ソープ仕上げのメリットは使うほどに、滑らかさとツヤがアップすること。
オイル仕上げと異なり濡れ色にならないため、木本来の質感に近い風合いが楽しめます。
細い傷ならサンドペーパーやスチームで修復できるのも魅力です。
ソープ仕上げのデメリット
ソープ仕上げのデメリットとしては、オイル仕上げよりも染みや汚れが目立ちやすいことが挙げられます。
メンテナンスのときに石けん水を作るなどの手間が掛かります。
お手入れに、なかなか時間が取れない人にとっては難点といえるでしょう。
より経年変化が楽しめるオイル仕上げ
油分を木材に染み込ませて、薄い塗膜を作る「オイル仕上げ」。
ソープ仕上げに比べるとツヤ感があり、しっとりとした触り心地が特徴です。
時間が経つにつれオイルが酸化し、もともとの木より、深みのある色合いに変化します。
ソープ仕上げよりも経年変化を楽しめるので、家具をじっくり育てたい方におすすめ。
ヴィンテージ家具との相性も抜群です。優しい風合いは日本の住宅にも、よく馴染みます。
オイル仕上げのメリット
ソープ仕上げと比較すると汚れが目立ちにくいのが、オイル仕上げのメリットです。
オイルが木に浸透しているので、外部の影響を受けにくいためです。
塗り重ねていけば、より保護効果がアップします。
傷が付いたら研磨したり、できてしまった凹みにはアイロンを当てたりして元の状態に近付けることも可能です。
オイル仕上げのデメリット
オイル仕上げのデメリットは、耐水性がないこと。
テーブルの場合、グラスに付いた水滴などで輪ジミができやすいため、ランチョンマットやコースターで対策する必要があります。
また使用する環境にも要注意。
木は呼吸しているため、湿度が高かったり暖房機器に近かったりすると、反りやひび割れなどの変形を引き起こすケースがあります。
おすすめの樹種と仕上げの組み合わせは?
それぞれの仕上げのメリット・デメリットでも紹介した通り、組み合わせる樹種によって相性の良い仕上げ方法は異なります。
TIMBER YARDがおすすめする樹種と仕上げの組み合わせは、下記の表の通り。
お気に入りの家具の素材を選ぶときの参考にしてください。
樹種 | おすすめの仕上げ |
---|---|
ビーチ材 | ソープ |
オーク材 | オイル or ソープ |
ウォルナット | オイル |
チーク | オイル |
マホガニー | オイル |
ソープとオイルどちらの仕上げも美しく映える「CH24(Yチェア)」
ソープ仕上げとオイル仕上げ、どちらを選んでも美しいのが「CH24(Yチェア)」。
ハンス・J・ウェグナーがデザインした、北欧家具の象徴ともいえる名作です。
独特なY字の背もたれと、ペーパーコードで作り出す抜群の座り心地、全身を包み込むような曲線美が大きな特徴です。
色と素材の選択肢が豊富で、オイル仕上げであれば美しい光沢や高級感、ソープ仕上げは素材本来の味わい深さを感じられます。
使い込むほどに味が出てくる、一生かけて育てたくなるチェア。
興味がある方はぜひ詳細もチェックしてみてください。
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メンテナンス方法
ソープ仕上げとオイル仕上げのどちらにも、定期的なメンテナンスが必要です。
使っているうちに表面の油分が取れるので、放っておくと乾燥や色落ちの原因につながる場合があります。
この章では、具体的なお手入れ方法について解説します。
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共通のお手入れ
普段のお手入れはソープ仕上げとオイル仕上げともに、乾いた布巾か固く絞った布巾で拭けば十分。
傷や汚れが気になったら、メンテナンスをおこないましょう。
ソープ仕上げは年に数回、オイル仕上げなら年1〜2回がお手入れの目安です。
水拭きの回数が多い方は、ソープやオイルが取れやすいので、ケアの回数を少し増やすのがおすすめです。
ソープ仕上げのお手入れ方法
ソープ仕上げの場合、購入して最初の半年くらいは1〜2週間に約1回程度のお手入れが必要です。
繰り返すうちに表面が泡の膜でコーティングされ、汚れや水分を弾きやすくなります。
塗膜が定着してきたら1カ月に1回、年に数回と少しずつ頻度を減らしていきます。
あらかじめ汚れやホコリを取り除いておく。
固く絞った布巾で拭いた場合は、しっかり乾燥させる。
石けんの泡をぬるま湯で溶かしながら、食器用スポンジなどで泡立てる。
ソープ仕上げ用の「ソープフレーク」を使用するのがおすすめ!
フレークが無い場合は、固形石鹸を削って代用します。
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泡をとって食器用スポンジのザラザラした面を使って洗います。
汚れているところはこすって落としましょう。
意外としっかりこすっても大丈夫です。
タオルや布で余分な泡や水分を拭き取る。
拭き残しは後になってしまうので丁寧にふき取ってください。
日陰で完全に乾燥させる。
乾燥させた後は木の表面が毛羽だっているので目の細かいサンドペーパーで木目に沿って研磨して仕上げる。
オイル仕上げのお手入れ方法
1年に1〜2回メンテナンス用のオイルをタオルや布で塗り伸ばしたあと、乾かします。
木肌にオイルが浸透することで、ツヤや深みを感じる色合いに。
細かい傷やシミも目立たなくなります。
汚れが気になるときは目の細かいサンドペーパーで研磨するとキレイに。
やすりを使う頻度は5年に1回程度が目安です。
オイル仕上げの場合はまず、「マルセイユ石鹸」を泡立てて汚れを洗う準備をします。
要らない布を使うのがおすすめです。
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軽く絞ったらオイル仕上げのされている部分全体を洗います。
汚れの気になるところは念入りに。
全体的に洗い終わったら泡の拭き残しが無いように乾いた布でしっかりと泡をふき取ります。
拭き残しは後になってしまうので注意!
拭き終えたら日陰で十分に乾かします。
乾いたら、汚れや毛羽立ちの気になるところをサンドペーパーで木目に沿ってやすります。
最後に、「メンテナンスオイル」を乾いた布にしみ込ませてオイル仕上げを行います。
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オイルが乾くまで日陰で乾かしてメンテナンスは完了です。
塗装方法の特徴を押さえて北欧家具を選ぼう
ソープ仕上げとオイル仕上げには、特徴に違いがあります。
白っぽい木の質感が好みの方はソープ仕上げ、経年変化を楽しみたい方はオイル仕上げを選ぶのがおすすめです。
どちらの塗装方法も、定期的なお手入れは必要。
覚えてしまえば難しくないので、メンテナンスも楽しみながらおこなってみてくださいね。
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子供やペットのいるご家庭での使用や、メンテナンスするときも安心です。