家具をはじめとしたインテリアを見ていると、「オーク材」という素材を一度は目にしたことがあるかもしれません。
なんとなく人気の木材ということは知っている方もいるけど、素材によってどんな違いがあるのか、なぜオーク材が人気なのか、そこまでは知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回はオーク材の特徴とそのメリット、デメリットをご紹介します。
目次
オーク材とは?その特徴は?
家具やフローリング材として人気のある「オーク材」。
オーク材というとブナ科コナラ属の落葉広葉樹を指すことが多いのですが、どんな特徴があるのでしょうか。
まず、色はナチュラルな肌色に近い明るい色で、年が経つにつれて色が濃くなって褐色に変化していくので経年変化が楽しめます。
材質は堅くて重く、無垢材といえば「オーク」と言われるほど、加工がしやすく素材品質が良いことで知られています。
オークは堂々とした立派な佇まいから、西洋では「King of Forest(森の王)」とも呼ばれているのです。
無垢材とは天然木から取り出した木を一枚板に加工したものを指します。
オーク材の種類は大きく分けて3種類
オーク材というと、大きく3種類に分けることができます。
- ナラ(ミズナラ)
ナラ(ミズナラ)は国内だと北海道や東北地方など、寒い地域や冷涼な山の中で育ちます。どんぐりがなる木というとイメージしやすいかもしれません。国産ナラと呼ばれるものはこのミズナラを指すことが多く、特に北海道のミズナラは高級材として知られています。 - ホワイトオーク
2つ目のホワイトオークは、アメリカやカナダなどの北米東部などが主な産地です。3つ目のレッドオークと比べて強度や耐久性に優れていることもあり、ワインやウイスキーの樽材としても使われています。 - レッドオーク
レッドオークはその名の通り赤みがかっています。木目が粗めで、目立ちやすく、適度な硬さで加工しやすいのが特徴です。
よく耳にするウォールナット材との違いは?
ウォールナット材とは、クルミ科の広葉樹のことを指し、建築材としては主にブラックウォールナットを指します。
オーク材もウォールナット材もどちらも家具などによく使用されますが、大きな違いとして2つ挙げられます。
1つは、”素材の色”です。
オークはナチュラルで明るい色であるのに対し、ウォールナットは紫も混ざったような黒っぽい茶色です。ウォールナットの方が重厚感があると言えるでしょう。
もう1つの違いは、同じく色に関することですが、”経年変化の仕方”です。
オークは色が濃くなって褐色に変化するため、味が出てくる印象がありますが、ウォールナットは濃い茶色が明るい色へと変化していくため、中には色あせのように感じる人もいるようです。
オーク材には3つの木目表情がある
家具やフローリング、ドア材などで選ぶときに気になるのが木目のデザイン性。
オーク材には3つの木目表情があります。それぞれの特徴をご紹介します。
板目
1本の木を切る時に、外側に近い部分を切ると板目の木材になります。
つまり、年輪がわかる山のような、たけのこ型のような模様になるのです。
木によってもその模様の出方は異なるので、個性的で独特の味わいが出ます。
そのため、板目はテーブルなど広い面で使用される家具などによく使用されています。
柾目
柾目は、木を切る時に中央に近い部分を切ったときの木目です。
木目が平行になっていて、とてもシンプルな印象を与えてくれます。
同じテーブルでも、モダンでスタイリッシュな雰囲気にしたい時には、柾目のものを選ぶといいでしょう。
虎斑
ブナ科のオーク材によく見られる模様として、「虎斑(とらふ)」があります。
先ほどご紹介したホワイトオークの柾目材などにこの虎斑が現れます。
柾目を横切るような帯状の杢目で、縞模様のようになっています。
この杢目のことを班(ふ)といい、虎の毛のような模様に見えることから「虎斑」と呼ばれています。唯一無二の模様を持つオーク材の美しさを感じられるでしょう。
オーク材のメリットは?
インテリアで人気の高いオーク材ですが、様々な木材がある中でオーク材にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
オーク材の見た目の美しさだけではなく、その品質の良さなどを中心に5つのメリットをご紹介します。
耐久性・耐水性が高い
先ほど少しご紹介したとおり、オーク材は硬くて重く、密度が高い木材であるため、”耐久性が高い”のが特徴です。
また、樽材として使用されるほど、耐水性も高いのです。
そのため、傷を付けてしまったり、飲み物や食べ物などを落としてしまったりする床のフローリング材としても使いやすく人気があります。
硬い性質を活かせる
無垢材は基本的に、湿度によって伸び縮みしやすいのですが、先ほどご紹介したとおりオーク材は硬いので伸び縮みが少ないという特徴があります。
フローリング材として利用しても、隙間があいたり、割れてしまったりしにくいということがいえます。
また、その硬さから彫刻を施す家具などにも向いているのです。細工がしやすいというのもオーク材のメリットといえます。
価格は比較的安い
木材において、針葉樹と広葉樹の2種類ありますが、その種類によって価格も異なります。
オーク材も分類される広葉樹は、針葉樹よりも高いのが特徴。
しかし、広葉樹の中でもオーク材は比較的安く手に入れることができます。
その理由の一つは、先ほどオーク材の種類で説明したホワイトオークなどが北米で入手しやすく、産出量が多いため。
メリットの多いオーク材ですが、価格も安いというのは嬉しいポイントです。
防虫効果がある
木材を選ぶ時に気になることの一つが、シロアリをはじめとする害虫被害ではないでしょうか。
オーク材は、渋柿などに含まれることでよく知られるタンニンという成分が多く含まれています。
タンニンは害虫が嫌うため、”オーク材は害虫がつきにくい”特徴があります。
経年変化を楽しめる
そして、なんといってもオーク材の一番の魅力と言っても過言ではないのが、「経年変化を楽しめる」ということ。
冒頭でもご紹介したとおり、オークの中でも種類によって変化の仕方も異なります。
明るくなるものから暗くなるものまで、その色合いは様々で木目によってもその印象は違ってくるでしょう。
あなたのイメージする家の雰囲気に合わせて選んでみてください。
オーク材のデメリットは?
良いこと尽くしのように思えるオーク材ですが、デメリットはあるのか気になるところ。
1点だけ知っておいた方がいい特徴があるので、ご紹介します。
熱伝導率がやや大きい
オーク材の唯一のデメリットとも言えるのが、熱伝導率がやや大きいため床材にすると冬場に冷たく感じてしまうこと。
無垢材は空気を多く含んでいるため、熱はゆっくりと伝わる特性があり、足裏からの体温を奪われにくい傾向にあります。
しかし、オーク材は硬くて空気をあまり多く含んでいないため、熱が伝わりやすく、足がひんやりしているように感じてしまいます。
この欠点を解消したのが、「三層無垢フロアアドモンター」。
天然無垢フローリング素材の良さをそのまま残しながら、三層構造による形状安定性を確保。床暖房にも対応しているので、オーク材特有のひんやり感がありません。
オークの質感とぬくもりを存分に味わいたい人にはおすすめです。
オーク材がよく使われている家具
ここまでご紹介したように、オーク材はインテリアの木材としてとても優秀で人気があります。
最後に、実際にオーク材がよく使われる家具を3つご紹介します。
特徴も合わせて紹介するので、家具選びの参考にしてみてください。
テーブル・デスク
ダイニングテーブルやデスクなどに、オーク材は使用されています。
耐久性や耐水性の高さから、傷がつきにくく、飲み物や水などの水滴にも強いため、あまり傷なども目立たず長く使用することができるでしょう。
また、触ったときの質感もいいので、インテリアとしてのデザイン性と機能性から選ばれることが多いのです。
無垢材のテーブルやデスクは様々な種類がありますが、その中でもオーク材のものを選んでみてはいかがでしょうか。
椅子
オーク材を使用した椅子は、形・色・デザインのバリエーションが豊富な家具として知られています。
味のある木目調を楽しめるのはもちろん、家具職人が作り出す独特な流線美や造形も魅力的。
家具単体としての完成度も高いので、おしゃれなデザインの椅子を一つ置いておくだけでも絵になります。
棚
オーク材の棚は、非常にシンプルなデザインのものから、彫刻が施された飾り棚など様々。
色が濃く黒っぽいものを選べば、重厚感のある印象に。
明るく白っぽいものを選べば、華やかな印象に。
お部屋のスタイルや雰囲気に合わせて好みの色とデザインを選んでみましょう。
経年変化が楽しめるオーク材の魅力を活かそう
耐久性や耐水性、防虫効果などの性能はもちろん、デザイン性も兼ね備えた魅力満載のオーク材。
人気の理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。
無垢材は床材として使用した場合、オイル塗装メンテナンスが必要で面倒な印象がありますが、オーク材は比較的メンテナンスの頻度が少ないのも嬉しい点です。
フローリングや家具など、オーク材のものをお家に取り入れて、経年変化を楽しみながら長く愛用してくださいね。