メリットたくさん!外壁でも内装でも人気の「漆喰」の基礎知識を完全紹介

    漆喰壁は湿気を適度に保ってくれる高性能な塗り壁材で、バリエーションが豊富なほか、外壁でも内壁でも使用できる汎用性の高さを備えています。

    初めて家を建てたりリフォームしたりする人のために、漆喰の概要やメリット・デメリットについて分かりやすく解説していきます。

    漆喰ってなに?その特徴とは?

    漆喰とは、水酸化カルシウム(消石灰)を主原料とする塗り壁材のことをいいます。

    消石灰自体は粉状ですが、糊などと混ぜることで泥状になります。

    泥状にすることで塗り壁材として機能を発揮することができるのです。漆喰の壁のことを漆喰壁といいます。

    漆喰と珪藻土の違いとは?

    塗り壁材について調べていくと、漆喰と珪藻土(けいそうど)との違いが気になってくると思います。

    漆喰と珪藻土との違いはどんなところにあるか説明します。

    漆喰は消石灰を原料とする塗り壁材。

    漆喰は自ら固まる性質を持っています。

    そして珪藻土とは、珪藻という藻類の一種を原料とする塗り壁材となります

    珪藻は自分では固まらないので、副資材という固める素材を混ぜ合わせることで塗り壁材にします。

    漆喰は強度に優れているため、外壁でも内壁でも使うことが可能。

    一方、珪藻土は水に弱いので、内壁に使うことになります。

    漆喰のメリット

    漆喰を塗り壁材に使うとどんなメリットがあるのか、6つのポイントで解説します。

    「呼吸する壁」と言われる湿度調整機能

    漆喰壁は「呼吸する壁」といわれています。

    漆喰は二酸化炭素を吸い込むことで消石灰が石灰石へと戻ろうとしていきます。

    「呼吸する壁」というのは、漆喰のこのような働きをいい、漆喰が呼吸することで湿気と乾燥のいずれも防ぐ効果があります。

    内壁に漆喰壁を使っておけば、年間を通じて湿度を適切に保ってくれるため夏場は湿気を抑え、冬場は乾燥を抑えてくれるのです。

    また、漆喰の湿度調整機能があれば、エアコンの結露を防止する効果もありますね。

    手軽にお手入れできる

    漆喰壁のメリットとしてはメンテナンスが簡単で、手軽にお手入れできるというものがあります。

    例えば、漆喰壁をこすった際にできたキズについては、消しゴムやメラミンスポンジを使用することで簡単に補修することが可能。

    飲み物を漆喰壁につけてしまった時は、サンドペーパーを使って、やさしくこすればキレイに落とせます。

    サンドペーパーでも落ちないような強い汚れには、重曹と漂白剤を使って落とすようにしましょう。

    まず、粉末状の重曹に水を含ませて泥状にして下さい。

    重曹を汚れに塗り付けてしばらく放置しておきます。

    そして、5倍程度に水で薄めた漂白剤を霧吹きに入れて重曹に噴霧し、再び放置します。

    最後に水を吹きかけ漂白剤を薄めることで、汚れが落ちていきます。

    抗菌・消臭効果

    漆喰壁には抗菌・消臭効果があるといわれています。

    その理由は、消石灰にあります。

    消石灰には細菌を抑える機能があるので、消石灰からできている漆喰壁には抗菌・防臭効果があるという訳です。

    漆喰壁の抗菌効果を持つ細菌には、インフルエンザが代表的です。

    細菌にはエンベローブウイルスとノンエンベローブウイルスという種類があり、インフルエンザはエンベローブウイルスに該当します。

    燃えにくい壁材で防災効果

    漆喰の原料である消石灰は燃えない性質を持っています。

    つまり、漆喰壁を使うと火災に強い防災効果があるということです。

    内装・外装を漆喰壁で統一すれば、木造住宅などでもある程度の防火性能を担保できるようになります。

    自然素材・安全性

    せっかく壁をつくるなら、自然素材で安全性の高い原料を使いたいところ。

    自然素材を使わない原料で壁を作ると、シックハウス症候群にかかる可能性があります。

    シックハウス症候群にかかると、喉の痛み・アレルギー症状が出ます。

    漆喰壁にはシックハウス症候群の原因物質・発性有機化合物などを含まないので、健康に悪影響を及ぼさない安全な壁なのです。

    たくさんの色と模様を選べる

    漆喰壁には様々なバリエーションがあります。

    平らで白い壁はもちろん、多彩でオリジナルなデザインの模様を楽しむことができるのです。

    また、漆喰壁は着色料を混ぜることができるため、好みのデザインの壁を作ることができます。

    漆喰のデメリット

    漆喰のデメリットにはどんなものがあるか説明します。

    ひび割れの可能性があるため、メンテナンスが必要

    漆喰壁は、ひび割れの可能性があることがデメリットです。

    地震や施工環境の影響でひび割れになることがあります。

    ひび割れになったら上塗りを行うことで補修することができますから、メンテナンスが必要になります。

    手間・時間・費用は一般の壁紙よりかかる

    同じ壁でもビニールクロスのような一般の壁紙は安価で、手間もかかりません。

    ビニールクロスは壁に接着剤を貼って終わりなのですが、漆喰壁は職人が時間をかけて壁に塗っていくものです。

    そのため、施工期間もかかりますし、職人にも技術が要るので、漆喰壁は手間と時間がかかるといえます。

    また、漆喰壁は費用もかかります。

    職人の技術が要ることと、施工期間がかかるために一般の壁紙よりもお金がかかるのです。

    塗る面積が広ければ広いほど、費用はかさんでしまいます。

    漆喰壁を検討する際には、どのくらいの面積にするか、予算と相談しながら決めたいところです。

    よく聞かれる漆喰に関する質問

    次は、漆喰壁を検討するときによく聞かれる質問について回答します。

    漆喰はDIYできる?

    漆喰壁は手間がかかるため、職人に依頼することが多いですが、DIYも可能なのでしょうか。

    結論から言うと、やれないことはないですが注意が必要になります。

    DIYで漆喰壁を塗る場合のフローを紹介します。

    ①塗りたい壁を調べて面積を測る
    ②スケジュールを立てる
    ③材料と道具を準備する
    ④養生する
    ⑤下地をつくる
    ⑥下塗りをする
    ⑦仕上げ塗りをする


    まず、塗りたい壁の面積がどのくらいかを調べましょう。

    そして、スケジュールを立てて、どんな流れで漆喰壁を塗っていくのかを決めて下さい。

    下地をつくったり下塗りをしたりする作業は、多少粗さがあったとしてもやりきるようにしましょう。

    失敗したからといって何度も塗り直していると工程が遅れてしまったり、見た目が悪くなったりしてしまうでしょう。

    7つのフローの中で特に注意したいのが「スケジュールを立てる」です。

    職人ではないので綿密なスケジュール作成は要りませんが、「AをやったらBをやり、BのあとにCをやる」という流れはきちんと押さえておかないと、間違えてAのあとにCをやってしまうようなミスをしてしまいかねません。

    取り返しのつかないことにならないよう、基本的な流れをスケジュールしておき作業を行うようにして下さい。

    漆喰を塗るときに下地が壁紙の場合はどうする?

    DIYで漆喰壁を塗るときに、下地が壁紙の場合もあります。

    例えば既にビニールクロスが貼ってある場合です。

    その時は、ビニールクロスに大きな傷がなければ漆喰を塗って大丈夫です。

    ビニールクロスが汚れている時はキレイにすれば漆喰を塗れます。

    ただし、ビニールクロスが剝がれていたり、大きな傷や穴がある時は一度ビニールクロスを剥がしてから漆喰を塗るようにして下さい。

    漆喰壁の価格相場は?

    漆喰壁を職人に依頼する時の価格相場は、1㎡あたり4,000~7,200円あたりが相場となります。

    ただし、下地のビニールクロスなどを剥がす作業が発生した場合は、別途費用が必要になります。

    ビニールクロスの貼り換えの場合は1㎡あたり1,000~1,500円あたりが相場ですから、漆喰壁は高価ですね。

    自然な雰囲気を演出する「漆喰壁」にしてみませんか?

    漆喰壁は湿度調整機能に優れ、燃えにくい素材で作られ、また、色や模様も多様な種類から選択することができます。

    ビニールクロスのように人工的な印象を与えず、自然な雰囲気を演出できるのでステキな仕上がりになります。

    手間と費用がかかるのがネックではありますが、リフォームや新築の時に漆喰壁を検討してみるのも良いかもしれません。