マンションの1階は、防犯・湿気・虫などの不安要素が先行し、購入をためらう方もいるのではないでしょうか。
しかし、1階のメリット・デメリットを理解してリノベーションすれば、暮らしやすい住まいが実現します。
今回は、マンションリノベーションで1階を購入すべきか悩んでいる方に、メリット・デメリット・購入の注意点を詳しく解説します。
1階に住むイメージが湧き、検討材料になる内容なので参考にしてくださいね。
目次
マンションの1階に住むメリット
1階は、他の階と比べて3つの暮らしやすいメリットがあります。
どれも1階だからこそ得られるメリットであり、理想のライフスタイルに欠かせない要素であればおすすめです。
下の階の住人と騒音トラブルになりにくい
1階なら、音に関する迷惑を下の住人にかけにくい特徴があります。
特に子育て世代だと、物を落としたり走り回ったりする音に細心の注意を払いながら生活している方も多いでしょう。
庭のある暮らしが実現するかもしれない
1階の場合、庭付きの物件は珍しくありません。
庭があることで室内から見る景色が広々とし、まるで平屋に住んでいる感覚になれるのが魅力的。
専用庭は、家庭菜園・子供の遊び場( 遊具置き場)・ペットの運動スペースなど、さまざまな用途があります。
また、場合によっては庭の横に駐車場付きの物件もあります。
マンションにいながら戸建てのメリットを感じられる点は、1階の特権です。
災害時に避難しやすい
1階はエレベーターを使用しないため、緊急時に避難しやすい点が特徴です。
災害時は、エレベーターが混雑したり止まったりなど混乱が生じる場合もあるでしょう。
その点、1階なら玄関とベランダから逃げられます。
高層階に比べて逃げ遅れる可能性は低く、外に出られる移動距離が短いためスムーズに避難できるのです。
マンションの1階のデメリットはリノベーションで解消できる!
マンションの1階は、5つのデメリットがあります。
しかし、その中でも3点はリノベーションで解消でき、2点は物件探しや内見時に確認すれば避けられること。
以下では5つのデメリットと、解決策やチェックポイントを解説していきましょう。
防犯面の不安
1階は中層階に比べて防犯面では不利な場合があります。
前述したように、災害時には避難時に出入りしやすい反面、侵入されやすいからです。
しかし、マンションの被害件数は一戸建てに比べると半分以下。
また、侵入手口の7割は「鍵のかけ忘れ」「ガラス破り(鍵の周辺のガラスに穴を作り開錠する)」です。
- 補助錠
鍵を増やせばガラス破りの時間を延ばせます。 - 防犯フィルム
室内側のガラスに貼り、割れにくくします。 - 二重サッシ
室内側に内窓を追加して、窓を二重にすること。ただし、サッシやガラスの交換は共用部のためリノベーションできません。
虫の問題
1階は地面と接しているため、虫の侵入に悩まされる可能性があります。
虫は、高層階になるほど飛んでくる機会や階段から上がる機会が少ない傾向です。
- 網戸に虫除けスプレーを吹付ける
- 乾燥機を使用し、洗濯物を外に干さない
- 二重サッシを設ける
湿気の問題
1階は、地下からの湿気を取り込みやすいため湿度が高い傾向です。
特に、水回りと収納スペースは湿度がこもりやすくなります。
- 壁や床、天井に断熱材を入れる
室内の断熱性を高めるリノベーションなら、部屋の冷え込みが抑えられます。
結露対策と省エネ効果が同時に期待できます。 - 調湿効果がある素材を取り入れる
珪藻土や漆喰は、湿度が多いと水分を吸い取り、湿度が低いと水分を放出する特徴があります。
これらの素材を壁や天井に取り入れれば、人間が快適に感じる40〜60%の湿度が期待できます。 - 内窓を取り付ける
内窓を設ければ室内外の温度差は緩和され、結露を防止できます。
一般的に専用部分のリノベーションは可能ですが、内窓を取り付ける際は管理規約で確認しましょう。
水害の危険性
洪水による浸水のリスクが高い1階は、リノベーションでは防げません。
1階の物件選びが決め手になります。
外からの視線
立地にもよりますが、1階は外を歩く人の視線が入りやすい物件もあります。
生垣や目隠しがなければ外から丸見えになり、日中もカーテンを閉め切らざるを得ません。
また、隣や向かいに高い建物がある場合は、上から覗き込まれる可能性もあります。
1階をマンションリノベーションするのがおすすめの方
1階はデメリットが多いように見えますが、以下の方にとって1階はおすすめです。
今後のライフプランを見据えてどのような暮らしがしたいか判断材料にしてください。
子育て世帯
1階は子育て世帯にとって生活音や転落のリスクを気にせず暮らせる点がメリットです。
「迷惑をかけられない」と思いながら暮らすのは、親にとって負担がかかることもありますが、1階なら安心です。
専用庭がある物件なら子どもをのびのび遊ばせられ、万が一、目を離した隙にベランダから落ちる心配もありません。
子育て世帯が安心して暮らせる要因を満たしているのです。
高齢者世帯
バリアフリーを意識したリノベーションにすれば、高齢者に優しい住まいが実現します。
万が一車椅子を使用することになっても、外への出入りが楽なので体に負担がかかりません。
また、専用庭があれば家庭菜園などの趣味も広がり、セキュリティが高い平屋の感覚で暮らせます。
バルコニーだけでは物足りない人
家庭菜園を始めたい方やアウトドアが趣味の方は、専用庭や庭の隣に駐車スペースがある物件はおすすめです。
土や道具など購入した際は、負担なく車から運んでそのまま庭で展開できます。
また、キャンプグッズを車に積むのも楽になり、帰ってテントを干したり道具を手入れしたりなどおもいきり活用できます。
1階のマンションリノベーションで後悔しないための注意点
実は、「マンションの1階を購入してリノベーションしたけど、後悔した…」と感じている方もいます。
主な理由は、「購入したけど理想の間取りにできなかった」「売却に苦労した」が挙げられます。
以下で詳しく解説していきましょう。
専用庭の使い方やリノベーションに関しては規約に従う
専用庭は1階の特権ですが、管理規約を守って使用しなければいけません。
煙やニオイを発生させるなど、近隣に迷惑をかけてはいけない決まりがあります。
また、専用庭はエレベーターや駐輪場を含む共用部分であり、リノベーションできません。
マンションによっては庭の使用料を請求する場合もあります。
ウッドデッキや石を敷いて庭の形状を変えたいなら、管理組合に許可を得なければいけないため注意しましょう。
資産価値は期待できない場合がある
一般的に、マンションの資産価値は階層が下がるごとに0.5〜2%前後の価格差があると言われています。
つまり、他の階に比べて売却価格は期待できない可能性があるのです。
例えば、8階が3,800万円の場合、1階下落するごとに2.5%ずつ下がれば1階は3,130万円です。
つまり、約660万円の差が生じます。
少しでも資産価値を高めるなら「日当たりがよい」「立地が良い」「庭付き」といった魅力的な条件を意識しましょう。
ライフスタイルに合わせたマンションリノベーションなら、1階でも魅力的な空間が実現する!
マンションの1階は、騒音トラブルになりにくく、万が一の場合は外への出入りがスムーズです。
専用庭付きなら、平屋のような感覚で住める点も魅力です。
防犯面・湿気・水害を含めた不安がある一方、室内のリノベーションと物件選びのポイントをおさえれば安心して暮らせます。
条件のよい1階の物件を選んで、ライフスタイルに合ったリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、1階なら生活音が出ても、下の階の住人に気を遣わず生活できます。