立水栓は、暮らしやすさに直結する設備です。
屋外で水を使う場合に利便性があるため戸建てライフに欠かせません。
とはいえ、家づくりの中で意外に後回しにされやすく、計画せずに設置すると外観から浮いたり使わなくなったりなど後悔することも。
今回は、立水栓を設置するポイントや活用事例を解説します。
また、記事の最後にはデザイン性のある立水栓もご紹介します。
ぜひ、参考にしてください。
目次
立水栓とは
立水栓とは屋外に設置する柱状の水栓設備です。
主に水栓柱・蛇口・排水パン(水受け)から構成されています。
それぞれ素材や高さが選べる仕様であるためオリジナリティを演出できる設備であり、近年はデザイン性の高い立水栓を選ぶ方が増えています。
例えば、排水パンを石材やタイルにしたり、蛇口のデザインはアンティーク風にしたりなど。
水栓設備の目的だけでなく、庭のインテリアとしても注目されています。
また、立水栓は主に「カバータイプ」と「施工タイプ」の2種類あります。
施工タイプは、業者に依頼して必要な場所に設置できるため、使い勝手を重視できる点が魅力です。
また、カバータイプよりもデザインが豊富であり、外観の雰囲気に合わせて立水栓を選べます。
特に注文住宅で家づくりをするなら、立水栓もエクステリアの一つとして統一性をもたせられる施工タイプがおすすめです。
おしゃれな立水栓がアクセントになり、実用性も兼ね備えた暮らしを彩る家が実現します。
ここでは、施工タイプを前提として解説しますね。
立水栓のメリット・デメリット
立水栓のメリットは3つ、デメリットは1つあります。
- 屋外で水を使うときのストレスがない
- 温水が使える
- デザインが楽しめる
立水栓は用途に合わせて高さを決められるので気軽に使用できます。
ガスをひいたり耐熱性の高い配管を使用したりすればお湯が出る仕様になり、寒い時期でも安心して使えます。
また、後述しますが、豊富なデザインがある点は最大の魅力です。庭や外観に合わせてオリジナリティを演出できます。
- コストがかかる
立水栓は屋外設備であるため、新築の場合は排水や給水設備の工事が必要です。
一般的に、本体価格と工事費で約15万円前後が目安です。
また、本体価格は排水パンの大きさや水栓柱の高さにより価格幅があることを理解しておきましょう。
立水栓の活用シーン
近年、暮らしの多様化により屋外での時間も充実させたい人が多い傾向です。
その背景から、立水栓の使用目的も家庭によってさまざま。
ここからは、立水栓の活用シーンをご紹介します。
ガーデニング
こだわりのお庭があるならば、庭木や花の手入れに水やりは欠かせません。
立水栓に蛇口が2つあるタイプにすれば、一つはシャワーヘッドを付けて水やりを、もう一つは手洗いや水汲みに使用できます。
レジャー
ビニールプールやバーベキューの片付けでも立水栓は重宝します。
子ども用のプールを使用する場合、家の中からホースを引いて水をためる労力もいりません。
また、庭でバーベキューをした後も室内を汚さずに外で網や鉄板を洗えます。
キャンプや登山、スポーツが趣味の方は土汚れを気にせず洗えるため、定期的なメンテナンスができる点も魅力的。
洗車
ガレージや駐車場近くに立水栓を設置すれば、洗車に便利です。
洗車時のホースの取り回しが煩わしいこともありますが、立水栓との距離が近ければ不便は感じないでしょう。
ペットのシャンプー
散歩後のシャンプーや足を洗うのにも立水栓は活躍します。
玄関に設置すればスムーズに洗えるので、室内を汚す心配もありません。
この場合は立水栓の高さを低めにして、排水パンを大きめにすれば周囲に泡が飛び散る心配もないでしょう。
温水が出るようにすればペットも快適です!
エクステリアや汚れものの掃除
外壁やアプローチを高圧洗浄機で洗う際も立水栓があれば便利です。
また、汚れた運動靴や体操着など浴室で洗うには抵抗があるものでも、屋外だと気にせず洗えます。
立水栓を設置するポイント
立水栓を設置すると決めた後は、いきなり製品を選んで設置できそうな場所に導入するのは避けましょう。
安易に決めてしまうと不便と感じ、使わなくなるケースもあるからです。
ここからは、設置を検討する際の順番とポイントを詳しく解説していきましょう。
1:立水栓の目的を決める
まずは、立水栓の使用目的を決めましょう。
先述したように、屋外で水を必要とするシーンは意外に多く、作業によって立水栓の理想の高さや設置場所が異なるからです。
用途を明確にすれば、この後決めるべきことがスムーズに進みます。
2:設置場所を熟考する
次に、立水栓の設置を目的に適した場所か熟考しましょう。
用途や使用頻度によってベストな場所は異なりますが、基本は壁沿いに設置します。
立水栓は柱状であるため、設置場所によっては邪魔になる可能性があるからです。
また、デザイン性を重視した立水栓ならばあえて目立つ場所に設置し、装飾として演出するのもよいでしょう。
殺風景になりがちな外構のアクセントとして映える効果をもたらします。
3:高さを選ぶ
意外に盲点なのは、立水栓の高さです。
施工タイプの立水栓は、高さ60〜120cmから選べます。用途や使用する人の身長に合わせた高さを選べば体の負担を軽減でき、使いやすさが向上します。
例えば、立って作業するならば90〜120cmだと腰に負担をかけずに使用でき、座って作業する場合は60cmなら水の跳ね返りも少なく扱いやすい高さといえるでしょう。
4:デザインや素材を選ぶ
最後に、好みのデザインや素材を選んで雰囲気を統一させましょう。
水栓柱・蛇口・排水パンはモダンやナチュラル、アンティーク調などデザインや形状が選べます。
住宅のデザインと調和した立水栓を選べばおしゃれな印象を与えますよ。
- 太い・細いが選べる蛇口
- 1つの立水栓に2つの蛇口が付いているもの
- 真鍮やステンレスなど
- 素材|ステンレス・陶器・石材・モルタル・タイル など
- 形状|丸形・四角型・すり鉢型 など
デザイン性のある立水栓をご紹介
近年は機能性とデザイン性の高い立水栓を設けるケースが多く、内装のテイストと同様にこだわる方が増えています。
おしゃれにするポイントは、セットで統一するのではなく、あえて自分好みのものをそれぞれ選ぶことです。
ここからは、おしゃれな立水栓をご紹介しましょう。
モダンスタイル
ステンレス製の立水栓は高級感が漂う輝きを放ちます。
モダンな外観に映えるためシックな雰囲気に!
また、排水パンを陶器にすれば装飾品の佇まいを感じさせ、シンプルの中にも上品さを感じる立水栓になります。
ナチュラルスタイル
ナチュラルスタイルなら、あたたかみを感じる丸型のパンも素敵です。
水栓柱にはアースカラーのモザイクタイルを使えば、お庭にも馴染みやすくなります。
アンティークスタイル
真鍮の蛇口にモルタル素材の排水パンを合わせれば、レトロな雰囲気になります。
また、レンガ調のデザインを取り入れれば一気にクラシカルな雰囲気が漂いますよ。
和風スタイル
どこか一箇所に深みをもたせたカラーを取り入れれば、重厚感ある日本庭園の雰囲気に!
また、和風スタイルに欠かせない要素である陶器やガラス、木製などの見栄えする素材を取り入れると落ちついた印象を与えます。
立水栓は目的に合わせてデザイン性のあるものを取り入れよう!
立水栓のある暮らしは、作業の選択肢を広げて楽にしてくれます。
さらに、エクステリアのアクセントにもなるため、オリジナリティを楽しめる点も魅力的。
ガーデニングなどの趣味を楽しむ人、日常の家事を楽にしたい人はぜひ取り入れてほしい設備です。
好みのデザインを選んで、屋外の時間を充実させてみてはいかがでしょうか。
カバータイプは既存の立水栓に被せて使用し、雰囲気を手軽に変えられるものです。
施工タイプに比べて低コストである点が魅力です。