住宅の壁紙は白やオフホワイトなどが多く、単調になりがちです。
だからといって「壁全面の色を変えるのはちょっと気が引ける…」と躊躇する人も少なくありません。
そんなときは、一部の壁紙を変えるアクセントクロスを使えば、メリハリのあるおしゃれな空間をつくれます。
この記事では、アクセントクロスを取り入れる際のポイントや注意点などを解説していきます。
目次
アクセントクロスとは
アクセントクロスとは、部屋の壁や天井の一部に使う壁紙のことで、施工事業者によってはアクセントウォールともいいます。
部屋全体で使われている基調色や柄と異なるものにすることで、部屋を印象的に装飾し、おしゃれな雰囲気をつくり出す効果があります。
アクセントクロスを取り入れる効果
アクセントクロスは、部屋の壁紙がすべて同じ色であるときよりも空間にメリハリをつけやすく、おしゃれな印象を与えます。
白を基調とした壁の一部に赤やブルーなどビビッドな色を合わせると、空間が締まり、個性的でセンスを感じさせる部屋になるでしょう。
失敗しないアクセントクロス選びのポイント
アクセントクロスは壁の一部であってもかなりインパクトがあり、部屋のイメージを決めてしまいます。
一度採用してしまうと、ごまかしが利きません。
そこでこの章では、アクセントクロスで失敗しないために、選び方のポイントを押さえましょう。
部屋全体のイメージで選ぶ
最初にどんな部屋にしたいのか、イメージを明確にしましょう。
例えば「シック」「カジュアル」「ナチュラル」「リラックス」などのコンセプトを設定し、クロスの色を決めていくと良いでしょう。
白を基調にした場合、「シック」ならライトグレーを組み合わせ、「カジュアル」なら黄色やグリーンを合わせて明るい雰囲気をつくるなどの演出が可能です。
部屋の利用方法で選ぶ
「在宅ワークで仕事に集中したい」「子どもがのびのびと遊べる部屋にしたい」など、部屋の利用方法で選ぶのもおすすめです。
この場合、クロスの機能性に注目しながら選ぶと良いでしょう。
汚れ防止機能や消臭効果があるクロスなど、用途にあったものを選んで、快適な部屋を作りましょう。
アクセントクロス選びの注意点
アクセントクロス選びで失敗しないために、事前に知っておきたい4つの注意点を解説します。
部屋全体の30%までにする
部屋全体の壁面積のうち、アクセントクロスが映える割合は10〜30%です。
部屋の壁面が4面ある場合は、そのうち1面をアクセントクロスにすると良いでしょう。
基調色とコントラストが強い色の場合は、20%程度に抑えておくと、センスよく部屋がまとまりやすくなります。
大きいサンプルで色をチェックする
壁面の色を決める際は、できるだけ大きいサンプルを取り寄せ、壁に直接当てながら決めることをおすすめします。
カタログにある小さなサンプルや、インターネットの画面では、色の濃淡などの印象が異なることがあります。
「思っていたのと違った」と、失敗の原因になる可能性が高いでしょう。
部屋全体を3色にまとめる
部屋のコーディネートをセンスよくまとめるためには、部屋全体の色味を3色以内にまとめると良いでしょう。
そのためアクセントクロスは、部屋に置くインテリアや床材と同色または同トーンで合わせると、部屋をおしゃれにまとめられます。
迷ったらインパクトのある色にする
アクセントクロスの色選びで迷う場合は、インパクトのある色をおすすめします。
失敗を恐れるあまり強い色を選べず地味な色を選んでしまうと「基調色と似たような色だった。アクセントクロスの意味がなかった」ということも。
アクセントクロスを貼る面積に注意しながらも、メリハリのある空間にするための色選びをしましょう。
部屋別:アクセントクロスの選び方
アクセントクロスは、間取りやインテリアによって大きく印象が変わります。
この章では、部屋ごとにアクセントクロスの選び方や、おすすめの設置場所を解説します。
リビングのアクセントクロス
リビングは家族が集まる場所で、長く過ごす部屋でもあります。
そのため「飽きる可能性」を念頭に置いて、アクセントクロスを選ぶ必要があります。
強い色や印象に残りやすい柄を避け、流行に左右されない色や柄を選択しましょう。
ただし、ライトグレーやライトベージュを選ぶ場合は、薄い色になりすぎないように注意してください。
アクセントクロスを貼る場所は、奥行きを出したい壁やテレビの背面などがおすすめです。
ダイニング・キッチンのアクセントクロス
ダイニングやキッチンは食材をあつかう場所のため、寒色のアクセントクロスはあまりおすすめしません。
リビングとつながるタイプの間取りの場合は、広い空間全体に配慮しながらアクセントクロスの色や柄を選びましょう。
キッチン奥など日当たりが少ない場所には、パステル調や木目柄などの明るく温かみのあるクロスを選ぶと、空間の印象を変えられます。
寝室のアクセントクロス
リラックスを目的にする寝室のアクセントクロスは、落ち着いた印象の色や柄を選ぶと良いでしょう。
ブルーやグリーン、グレーなど清涼感のある色合いや、ダークブラウンやダークブルーなどで高級感のある色も合うでしょう。
アクセントクロスを貼る場所は、ベッドの頭部にあたる壁がおすすめです。
子ども部屋のアクセントクロス
子ども部屋は明るい色や柄にすることで、楽しい雰囲気を出すと良いでしょう。
ただし、子どもの成長により好みが変わる可能性も考えられるため、赤やブルーなど強い色よりも、ライトブルーやピンクなどのパステル調の色合いが向いています。
柄を採用する場合は、細かいデザインがおすすめです。
カラー別:アクセントクロスの選び方
アクセントクロスは色や柄によって、部屋の雰囲気を一変させられます。
イメージ通りの演出ができるよう、この章では、カラー別での選び方を解説します。
暖色系アクセントクロス
赤やオレンジ、黄色などの暖色系の色は、エネルギッシュで暖かい印象を与えたい場所に最適です。
明度の違いによって、ポップにも、温かみのある演出にも使用できるため、リビングや子ども部屋などに向いています。
インパクトのある色のため、落ち着いた静かな空間には向かないでしょう。
寒色系アクセントクロス
青、グレー、モノトーンなどの寒色系の色は、涼しげで爽やかなイメージを与えます。
静かにじっくり取り組める効果があるため、勉強部屋や書斎に最適です。
また、騒がしさを感じさせずリラックスするのにも向いているため、寝室やリビングとも相性が良いでしょう。
中間色アクセントクロス
明度の低い中間色のグリーンや紫は、大人っぽい落ち着いた空間に向いています。
リラックス効果も期待できるため、リビングや寝室のアクセントクロスに適しています。
クラシックなインテリアとも相性が良く、上質な空間演出も可能です。
柄物アクセントクロス
柄物のアクセントクロスは、メリハリをつけたい、デザイン性を強調したい部屋に使うと効果的です。
木目柄やレンガ柄は、どの部屋にも使いやすいため、インテリアのテイストに合わせて検討しましょう。
植物柄や幾何学柄も、色数を抑えたものであれば、単色のクロス同様に配置することができます。
大胆でインパクトの強い柄は、比較的狭い空間であるトイレや個室などで使うのも良いでしょう。
こだわりのアクセントクロスを選んで理想の空間を作ろう
ここまで、アクセントクロスを取り入れる際のポイントや注意点などを解説しました。
インテリアコーディネートに自信がない人も、アクセントクロスを使えば、部屋をおしゃれな印象に変えられます。
単調な壁の色では表現できない、こだわりの空間をつくれるのが魅力のアクセントクロス。
効果的な場所にアクセントクロスを配置して、理想的な空間を演出しましょう。
また、基調色とトーンが近い色を取り入れると、目の錯覚により、部屋を広くみせる効果もあります。