共働きで子どもがいる家庭では、天気や時間帯を気にしなくて済むように、室内干しを積極的に行っている人も多いでしょう。
「ランドリールーム」や「サンルーム」を導入して、洗濯の効率を上げれば、時間だけでなく、心にもゆとりが生まれます。
この記事では、注文住宅で室内物干しを設置する専用スペースを設けるときのポイントについて解説します。
目次
室内干しで洗濯物を乾かす3つのポイント
洗濯物を乾かす時間が短ければ雑菌が繁殖しにくいため、生乾き臭や部屋干し臭などの嫌なニオイを防げます。
まずは、室内で洗濯物をなるべく早く乾かすためのポイントを押さえましょう。
1:湿度が低い
空気が乾燥しているほど、洗濯物の乾きは良くなります。
これは、衣類に含まれている水分が蒸発しやすいのが理由です。
家の中の空気を一年中快適な温度に保てる「全館空調」など、除湿機能がはたらく場所に室内物干しスペースを導入できると良いですね。
2:風通しの良さ
洗濯物をカラッと乾かすには、風通しの良さも大切です。
空気が循環すれば、衣類から蒸発した水分が周りの空気中にこもりにくくなります。
洗濯物同士の間を空けて干したり、サーキュレーターや換気扇、衣類乾燥・除湿機などを活用するのもおすすめです。
3:気温が高い
気温が高い方が、洗濯物はよく乾きます。
具体的には20度以上がベスト。
同じ家の中でも、日当たりの良い部屋など、なるべく暖かい場所に室内物干しスペースを設けられると良いでしょう。
室内干し派におすすめ!ランドリールーム
ランドリールームとは、洗濯や家事を行うための専用部屋のこと。
「洗う・干す・取り込む・たたむ」といった工程がひとつの部屋で完結するので、室内干し派の方にぴったりです。
導入する場所としては、洗面脱衣所の隣や、洗面脱衣所内に設けるケースが一般的。
2~3畳で作る脱衣所に、室内物干し用のスペースをプラスするイメージです。
衣類収納ケースやラック、ハンガーポール、アイロンがけをする作業台などを設置したり、日当たりや風通しが良くなるように天窓を付けたりします。
快適な家事動線を作れるので、注文住宅の設計プランでも特に人気が高いです。
ランドリールームを導入するメリット
「あえて洗濯専用のスペースを設けなくても、ほかの部屋に干せば良いのでは?」と考えている方もいるでしょう。
この章では、ランドリールームを導入するメリットを2つ解説します。
間取りによっては家事がスムーズに
家事動線を意識してランドリールームを設置すれば、洗濯だけでなく、ほかの家事の効率もアップ。
キッチンからの出入りを考えた間取りにすることで、洗い物や調理の合間に洗濯できます。
室内干しによる生活感をカバーできる
ランドリールームがあれば、リビングに室内干ししなくて済みます。
家族が集まる場所に洗濯物がないので、生活感をカバーできます。
また、室内干しによるリビングの湿気やカビを気にしなくて良いのも嬉しいポイントです。
ランドリールームを導入するときのポイント
魅力が大きいランドリールームですが、間取りによってはメリットを十分に感じられない場合もあります。
この章では、ランドリールームを導入するときのポイントを紹介します。
洗濯の工程をしっかりイメージする
ランドリールームを設置する前に、洗濯するときの流れや、普段の自分の動きをしっかりイメージしましょう。
「洗う・干す・取り込む・たたむ・しまう」という工程から、ハンガーやピンチハンガーの大きさ・数、それぞれの衣類の収納場所まで、具体的に思い浮かべることが大切です。
日当たり・風通しを意識する
ランドリールームを導入するときは、日当たりや風通しの良さを意識するのが大切。
日光や風により、乾きが良くなります。
物干しポールの近くに窓を設けるとベスト。
洗面脱衣所に室内物干しスペースを設ける場合は、浴室からの湿気対策も重要です。
必要に応じて、サーキュレーターや除湿機を活用しても良いでしょう。その場合は、コンセントの位置や数の確認も忘れずに行ってくださいね。
サンルームの導入もおすすめ
ランドリールームではなく、サンルームを導入するのもおすすめです。
「サンルーム」とは、日差しがたっぷり入るように、ガラス張りにしたスペースを指します。
昼間の日光を活用することで、室内に湿気がこもるのを防げますし、外からの花粉や黄砂、プライバシー対策にもなります。
洗濯物を干すだけでなく、日向でくつろぐなど、自宅にいながらアウトドア気分を味わえるのも魅力です。
洗濯だけでなく、日光浴や植物用の温室、アウトドアリビング風にもできる自由度の高さが魅力。同じく注文住宅で人気の設計プランのひとつです。
専用スペースを設けないなら室内物干しがおすすめ!
ランドリールームやサンルームなど、専用スペースを設けなくても、物干しポールが設置できる場所は作れます。
家族の人数や、洗濯物の量に合った竿が使える空間を探しましょう。
ハンガーやピンチ類の収納場所も確保できるとさらに便利です。
物干しポールは、高さの調節ができる「昇降式」がおすすめ。
使わないときは天井近くにすっきり収納できます。
アイアン製や木目調のポールなら、インテリアとしても楽しめます。
注文住宅であれば、部屋のサイズに合ったオーダーメイドの物干しや、収納式でスペースを取らない物干しなど、生活に寄り添った設備を作れるのでおすすめです。
室内物干しスペースの失敗事例&対策方法
「いろいろ考えて室内物干しスペースを導入したのに、使いにくい」といったことにならないように、失敗事例と対策方法をチェックしておきましょう。
室内物干しスペースが狭くて干しにくい
快適な室内物干し専用スペースにするには、空間に余裕が必要です。
ある程度ゆとりがないと、衣類を干したり取り込んだりするたびに体が壁にぶつかってしまうことも考えられます。
洗濯物を干した状態に加えて、約50cm余裕をもたせるのがベターです。
将来的に使わなくなってしまう可能性も
室内干しスペースを設けても、将来的に使わなくなる場合も考えられます。
子どもが成長して家を出て夫婦2人になれば、洗濯物の量が減って持て余してしまうかもしれません。
洗濯だけでなく、ほかの家事の生活・趣味・仕事などを考慮して、フレキシブルに使える空間にするのも方法のひとつ。
現在の状況だけでなく、将来の暮らしもイメージしながら間取りを考えることが大切です。
室内物干しスペースを設置して毎日の家事を快適に
今回は、ランドリールームやサンルームの特徴や、室内物干しを導入するときのポイントについて解説しました。
衣類が乾きやすい条件や、家事動線を意識した間取りなら、毎日の洗濯がグッと楽になります。
注文住宅で理想的な洗濯環境を実現したいなら、ぜひ室内物干し専用のスペースを検討してみてくださいね。
ランドリールームの広さや設備を考えるときの、判断材料として役立ちます。