腰窓とはどんな窓?腰窓のメリットやカーテンの高さ、選び方のポイントを紹介

    光を取り入れ、空気を循環させる機能をもつ窓。

    住宅に欠かせない設備のひとつです。

    窓の形や位置を変えることで、住宅の雰囲気や性能が変わります。

    そこで最近注目されているのが「腰窓」です。

    この記事では、おしゃれ感がアップする腰窓のメリットや、取り付けるカーテンの長さと種類、設置の際の注意点を解説します。

    ぜひ参考にしてみてください。

    腰窓とは?

    腰窓の説明図

    腰窓とは名前の通り、人の腰の高さにある窓のことで、「腰高窓」とも呼ばれています。

    基本的には人の出入りには使われません。

    腰窓の標準サイズは、幅180cm、高さ90~120cmが一般的です。

    リビングの窓として一般的に使われている掃き出し窓と、腰窓の違いは窓の底辺の位置とバリエーションの豊富さです。

    • 掃き出し窓
      幅180cmで床から天井近くまである窓
    • 腰窓
      床面から約80~90cmの高さが底辺となる窓

    腰窓の幅は180cmのサイズもあれば、それより小さめなサイズもあります。

    また腰窓は出窓にしてディスプレイを楽しんだり少し低めに設置して腰かけとしても使えるため、アレンジの幅がききます。

    洋室のイメージが強い腰窓ですが、近年はデザインを丸型にして和室で取り入れられることも。

    デザインの幅も大きく遊び心で設置を検討している人もいます。

    腰窓が選ばれる5つのメリット

    腰窓には主なメリットが5つあります。

    1:場所を選ばず採光を取り入れ、換気ができる

    腰窓は掃き出し窓に比べて、サイズが多種あります。

    そのため、隣の家との距離が近い住宅や狭小住宅、マンションなどの狭い空間でも設置可能なためおすすめです。

    場所を問わず採光を取り入れ、換気ができるすぐれものといえるでしょう。

    2:室内のレイアウトの幅が広がる

    窓の底辺が腰の高さの腰窓。

    そのため腰窓の下の壁が使えるので、窓を塞ぐことがなくさまざまな用途に利用できます。

    室内のスペースが広がるので、その分レイアウトの自由度が高くなるのです。

    例えば背の低いデスクやソファー、電化製品などを置くことも可能です。

    窓があっても光や風を取り入れながらレイアウトを楽しめる点は魅力的ですよね。

    3:外気の影響を受けにくい

    外気は窓ガラスから室内に伝わります。

    ガラス面が小さければ影響も受けにくく、光熱費も抑えられます。

    腰窓は掃き出し窓と比べてガラス面も小さいため、外気の影響はさほど受けません。

    したがって腰窓を取り入れると、エコな住宅に近づくといえるでしょう。

    4:経済負担が軽い

    換気の機能も兼ね備えている腰窓。

    住宅の換気設備は高額なものが多いため、予算内におさめるなら腰窓を検討することもおすすめです。

    さらに窓が小さい分、カーテン代もコストカットできます。

    腰窓を選ぶことで金銭の負担も軽くなるでしょう。

    5:プライバシー保護になる

    腰窓の高さとサイズによっては外部からの侵入を防ぎ、外部から見えにくい点もメリットです。

    また腰窓には既製品でも面格子つきのサッシがあります。

    それにより、より防犯面で強化をはかれます。

    具体的な面格子サッシは以下の3種類です。

    1. 縦格子
    2. 横格子
    3. ヒシクロス格子

    腰窓に適したカーテンの長さ

    腰窓のある家

    窓を設置すると、カーテンの長さも気になるポイントですよね。

    カーテンの長さを変えるだけで室内の雰囲気もガラッと変わり、大胆なコーディネートが楽しめます。

    長さを決めるのに大事なこと
    • 窓まわりのインテリア
    • 生活する上で考えられる状況を把握しておくこと

    下記をぜひ参考にしてください。

    標準の長さ

    標準的な長さは、窓枠下よりも約15~20cm長め、もしくは窓の大きさの1.03~1.05倍にしたサイズだといわれています。

    窓全体をすっぽりと覆えるので、外気や光を防いでくれます。

    窓まわりに何も置かない場合は、この長さがおすすめです。

    窓枠内におさめる長さ

    窓枠内に長さをおさめると、レイアウトがカーテンに縛られないのでスッキリした印象になります。

    例えばベッドのヘッドボードやデスクなどを置く場合、カーテンが長いと裾が邪魔になるため、窓の下に家具を置く場合は窓枠内におさめるとよいでしょう。

    注意点は、窓枠内にカーテンレールがついているかどうかで、なければ取り付けが必要です。

    床まで覆う長さ

    腰窓を選んでも、掃き出し窓のような長さのカーテンは取り付けられます。

    窓が大きく見えて、ドレープのプリーツカーテンをつければ室内全体に高級感を演出できる点が魅力です。

    カーテンをまとめるタッセルにもこだわれば、部屋のアクセントにもなります。

    しかし、見る人によっては圧迫感を感じて印象が変わることも。

    家族の中では好みが分かれる場合もあるでしょう。

    腰窓におすすめなカーテンの種類

    「窓にはカーテンをつける!」という固定概念はありませんか?

    カーテンにはさまざまなタイプがあります。下記では代表的な3つを紹介します。

    スクリーンタイプ

    腰窓のある家:スクリーンタイプ

    スクリーンタイプにも2つ種類があります。

    1. ロールスクリーン
      スクリーンを棒に巻き取って昇降させる仕組みです。
    2. プリーツスクリーン
      スカートのように生地にヒダがついているタイプです。近年は和室に合うように和紙タイプのものもあります。

    ブラインドタイプ

    腰窓のある家:ブラインドタイプ

    細長い羽根を重ねた仕様がブラインドタイプです。

    生地はアルミや木製があり、腰窓には横型のブラインドが適しているでしょう。

    シェードタイプ

    腰窓のある家:シェードタイプ

    シェードタイプはすだれをイメージした仕様です。

    紐で生地を上げ、平行に重なって畳まれていく仕組みで上に開きます。

    メリットはカーテンレールが不要な点です。

    デメリットはカーテンよりも値段が高く、お手入れが少々面倒だといえるでしょう。

    腰窓を設置するときの注意点

    メリットが多い腰窓ですが、設置時の注意点もあります。

    主に注意すべき3点を説明します。

    設置する方角を考える

    腰窓のある家

    腰窓は採光や換気を兼ねているので、窓を取り付ける方角を考えて設置すれば失敗がないでしょう。

    場所によっては、室内日焼けにも用心してください。

    掃き出し窓に比べると採光は少ないですが、あまりにも採光がある方角だと思わぬ日焼けを招くことも。

    窓の前に置く家具や大切な置物などに注意が必要です。

    季節により日照角度も変化します。

    その点も考慮しながら腰窓を設置する方角を決めましょう。

    家具の配置・動線を考える

    主にリビングでは、窓と家具の兼ね合いによる失敗談が多々あります。

    • 窓と家具の配置が噛み合わない
    • 窓があることで動線に不都合が生じる

    平面の見取り図だけで「なんとなく大丈夫だろう」と思いがちですが、のちに困ることがあるのも事実。

    可能であれば立面図や模型などを見て判断し、窓の位置を決めることが大切です。

    窓の外の状況を考える

    腰窓を検討する際は、設置する外の状況も確認しましょう。

    例えば、道路や隣の家からの見え方などがあげられます。

    日当たりが良い方角をリビングとして検討される方も多いですが、その方角が道路に面していると外から丸見えになることも。

    結局カーテンを締め切ったまま……と、腰窓の効果が発揮されない住宅も見かけます。

    室内だけでなく、外の環境にも目を配ることが大切です。

    ライフスタイルに合わせて腰窓を選ぼう

    腰窓のある家

    居心地がよくおしゃれな住宅が理想の方にとって、窓選びは最も重要です。

    リビングの窓といえば掃き出し窓のイメージがある人も多いでしょう。

    しかし、少しのスペースで換気ができて採光も取り入れられる腰窓は、従来のリビングのイメージに適度な変化をもたらせてくれます。

    あなたの暮らしの中で窓を工夫すること、設置場所を柔軟に選ぶことは居心地のよい住宅に直結します。

    ぜひ腰窓を選択肢として検討してみてくださいね。