「注文住宅の打ち合わせって何をするのかな?」「打ち合わせを上手に行うコツは?」という疑問を持たれている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、注文住宅の打ち合わせに臨むときの事前準備や注意点を、それぞれ6つのポイントで解説します。
注文住宅の打ち合わせの回数は、一般的に10回〜20回前後(1回につきは2〜3時間)、期間は3ヵ月〜6ヵ月程度が予定されますが、施主や関係者の数によって異なります。
打ち合わせをスムーズに行いたい、そのために何をすればいいか迷われたときに、この記事をぜひお役立てください。
注文住宅の打ち合わせが大変な理由
何も知らずに打ち合わせを始めると、思った以上にやることが多くてびっくりしてしまうかもしれません。
まずは、なぜ打ち合わせが大変なのかを説明します。
決めることがとにかく多い
注文住宅では、家のあらゆる部位について施主が決定していかなければなりません。
ゼロから住宅を建築していくために設計士に設計図を書いてもらいますが、設計図に書かれることは施主の所有物になるため、設計士は施主にすべての判断を仰がなければならないからです。
目に見えるところだけでなく、
- 配管の種類や位置
- コンセントの数
- 床材の厚さ
など、「こんなところまで決めるの?」というくらい設備や資材まで細かく決めていきます。
ほとんどの場合、建築のプロである設計士が最適な提案をしてくれます。
快適な生活をおくるために必要なプロセスだと信じて、詳細をしっかり確認しましょう。
建築完成までの期間が流動的
最初に家の完成時期を決定しても、施主と設計士のイメージのすり合わせがうまくいかず、打ち合わせの進行が予定より遅くなることがあります。
着工できる段階になると、設計士やハウスメーカーが工事を請け負う会社と具体的な期日を決め、契約内容によっては工事期間が厳密に決定されます。
予算の配分に迷いやすい
打ち合わせが進んでくると、思っていた以上に予算がかかる場所が出てきたり、家族同士で意見が分かれたりして、予算配分をどう決定するかが一番の難問となるでしょう。
こだわりと妥協のバランスをどうとるか、家族や設計士とじっくり話し合うことが必要です。
設計士との相性がある
建てたいイメージの家を過去に建てている、もしくは、建てられそうな設計士が在籍している工務店や設計事務所を見つけましょう。
イメージの共有には相性があります。
設計士が施主のこだわりたいポイントをすぐに理解してくれれば、打ち合わせ回数を減らすことにつながります。
事前準備のポイントは6つ
1回の打ち合わせを効率の良い濃密な時間にするには、事前準備がとても大切です。
ここからは、家族でできる準備のポイントを詳しく解説します。
住宅ローンの事前審査を終わらせる
一番はじめに行ってほしいのは、住宅ローンの事前審査です。
スムーズに打ち合わせを進めていても、ローン審査が通らないために着工できないとなりかねません。
条件によっては希望する会社でのローン審査が通らず、ほかの会社で再審査するなど時間がかかる場合があります。
家を購入すると決めたら、工務店を決めるよりも前に準備することをおすすめします。
ハウスメーカー決定前に仮審査ができるかは、ローン会社に確認が必要です。
予算の上限を決めておく
注文住宅の設備の選択肢は幅広くあり、いいものを提示されると迷ってしまいますよね。
やみくもにグレードアップは難しいですから、予算の上限をしっかりと決めておきましょう。
見直してみたら予算オーバーで、すべての設備でも再検討とならないように、設備の相場やメーカーの情報も事前に調べておきましょう。
完成希望時期を決めておく
あらかじめ打ち合わせ回数や家の完成希望時期を設計士と共有しましょう。
完成希望時期が具体的であればあるほど、間に合わせようとする設計士やハウスメーカー側の進行力が発揮され、打ち合わせ内容が充実します。
注文住宅の打ち合わせは共同作業です。
関係者が一丸となって打ち合わせに臨めるようにしましょう。
必要な間取りを決めておく
快適な家をつくるためにイメージしている間取りを、漠然でもいいので事前に考えましょう。
- 部屋数はいくつ必要か
- キッチンはリビング一体型がいいのか、半個室がいいのか
- トイレは2つ欲しい
など、家族の希望や優先順位をまとめておくと、打ち合わせがスムーズに進みます。
希望が叶わないことがあっても、優先順位にしたがって修正していくことで的確な判断ができるでしょう。
イメージを共有できる素材を集める
設計士に建てたい家のイメージをきちんと共有してもらえるように、材料を集めましょう。
相性のいい設計士とイメージをしっかり共有できれば、短い期間で納得のいく設計図が完成するからです。
SNSで集めた写真や住宅系の雑誌はもちろん、住宅系の媒体でなくても、好きなモノ、趣味、世界観を共有できるものがイメージの要素です。
できるだけ資料を集めて、「どのような家を建てたいのか」を明確にできれば、設計士が最良の提案をしてくれるでしょう。
乳幼児を連れていくなら準備万端に
注文住宅の打ち合わせは2〜3時間、もしくはもっと時間がかかる場合もあります。
小さなお子さんが参加される場合、長時間の滞在に必要な準備をしましょう。
打ち合わせ場所に乳幼児が休憩できる場やおむつ台があるか、ミルクに使うお湯を使わせてもらえるかなどの確認もしておくと安心でしょう。
打ち合わせの注意点は6つのポイントを守ろう
ここからは、打ち合わせでの注意点を解説します。
1回の打ち合わせで多くのことを決定できれば、全体の打ち合わせ回数を減らせるでしょう。
優先順位を決める
打ち合わせの中でオプションの話が出てくることがあります。
事前準備で間取りの優先順位を決めることを紹介しましたが、オプションに惑わされずに優先順位を意識すると、判断がしやすくなります。
例えばユニットバスのオプションとシステムキッチンのオプションが提示された場合、優先順位はキッチンであると家族間で決めておけば、ユニットバスのオプションを止める判断ができます。
それでも迷う場合は見積りを持ち帰り、家族でじっくり決めるのがよいでしょう。
疑問点や不安箇所を明確にする
設計士との打ち合わせでは、すべての疑問点や不安箇所を提示して、納得がいく形で解決しましょう。
後から「イメージが違う」とわかった場合、変更するタイミングによっては追加料金が発生することもあり、スケジュールも変更することになる可能性もでてきます。
「何となくわかった」「もうこれでいいかな」という判断をしないように、分からないことを明確にして、設計士やハウスメーカーにしっかりと確認しましょう。
仕上げ材料のサンプルチェックは大きなもので
壁紙や床材などを決定するときは、カタログだけで済ませずに現物の大きなサンプルを見せてもらいましょう。
現物のサンプルでないと、質感や色の雰囲気がつかめないからです。
カタログでは同じような色合いに見えても、微妙な色の加減や凹凸で部屋の印象は変わってきます。
モデルルーム・ショールームで確認
家の設備を納得して選ぶためには、可能な限り現物を見たり触ったり使ったりして確認しましょう。
カタログで見るのと現物を目の前にするのでは、印象が大きく変わる可能性があるからです。
特に水まわりの設備は、数センチの高さの違いや微妙な色の違いで、全体のボリューム感が大きく違って見えます。
図面上では問題ないはずが、実際に設備を見てみると予定していたサイズでは狭く感じたり、やっぱりサイズにはこだわりたいと思ったり、さまざまな体感を得られるでしょう。
ぜひモデルルームやショールームでは、触って使って確認してみてください。
打ち合わせの記録をとる
打ち合わせではこれまで何を決めてきたのか、これから決めることは何か、しっかり記録をとりながら進めていきましょう。
記録をとる目的は、決定するべき膨大な項目の確認と疑問点の把握、設計士やハウスメーカーと意思疎通がうまくいかずトラブルが起きたときの対応策としてです。
録音で記録したい場合は、打ち合わせに参加する方々に必ず許可を取って行いましょう。
納得できるまで打ち合わせをする
打ち合わせを開始すると、迷いや疑問点、間取りや予算による不本意な選択など、モヤモヤした気持ちが発生する場合があります。
そのようなときは、思い切って完成期限を伸ばすことも視野に入れて、納得できるまで打ち合わせをしましょう。
着工してからの変更はリスクが大きく、変更できないとずっと心残りがあるまま生活していかなければならないからです。
長距離走になる打ち合わせを楽しもう
この記事では、注文住宅の打ち合わせの事前準備や注意すべき6つのポイントを紹介しました。
注文住宅の打ち合わせは長期間で何度も行うため、大変さを感じることでしょう。
それでも、建売住宅では実現できない、唯一無二の家が建てられる喜びが上回るはずです。
完成して住み始めると、自分の望んでいた理想の生活が送れている感動が得られるでしょう。
事前準備や打ち合わせは、夢をかなえるプロセスのひとつです。
考えることや調べることを楽しみながら、理想の家づくりを実現してくださいね。
できれば太陽光の下でサンプルを比べて、判断することをおすすめします。