PK11は半円状の座面と背もたれが上品で美しいアームチェアです。
ステンレスのフレームと革の座面、アッシュの無垢材で作られた背もたれの3つを絶妙なバランスで配合。
無駄を一切省いたミニマムな美しさと優雅さを併せ持っています。
この記事では、個性的でありながら空間にフィットするPK11の魅力や導入事例を紹介します。
目次
PK11とは?
PK11は1957年に「ポール・ケアホルム」によりデザインされたアームチェアです。
ワークテーブルであるPK51と組み合わせる椅子としてデザインされ、ケアホルム自身もPK11を自邸に置き、書斎で愛用していました。
3本脚のステンレススチールのフレームで構成され、複雑な作りでありながら美しく洗練されたフォルムの椅子に仕上がっています。
ケアホルムの死後、1982年にE.コル・クリステンセンからフリッツ・ハンセンに生産が移行しました。
モダンで洗練された美しいフォルム
デザイナーのケアホルムによって「nothing less than visual beauty(視覚的な美しさに勝るものはない)」とのコンセプトで作られたPK11は、上から見たときの半円形に描かれたラインが特徴です。
背もたれとアームが一体となったバックレストは、30以上のパーツを組み合わせたアッシュの集成材。
そして座面は上質な座り心地をもたらす革素材を採用し、3本脚のフレームはサテン仕上げのステンレススチールで作られています。
3種類の異なる素材を抜群のバランス感覚で組み合わせ、複雑な作りでありながら丸みを帯びた無駄のないラインを実現しました。
ケアホルムは家具を造る際の信念として「隠す部分があってはならない」との考えをもっていました。
それぞれのパーツをつなぐジョイントの部分や3本脚のストッパーに至るまで、どこを見ても美しいアートのような作りになっている傑作です。
快適さも忘れない、まるでアートなチェア
PK11はまるでオブジェのような見た目に反し、座り心地の快適さも考慮されています。
腰をかけると、体を程よく包み込んでくれる感覚を味わえるアームレストの存在を感じるでしょう。
ちょうど腰のあたりをサポートしてくれるデザインなので、長時間の座り仕事が続いても快適に過ごせます。
さらに座面が低く大きすぎないPK11は、風情を感じられる日本家屋に合わせやすいという点も大きな魅力。
和室になじみやすいサイズ感で強い自己主張をせず、日本人が持ち続けている美意識とも調和する控えめで穏やかな佇まいです。
演出したい雰囲気に合わせて5つのレザーから選べる
フレームはステンレス、アームレストはアッシュの無垢材で固定しているPK11ですが、シートは5つのレザーから選択可能です。
「ナチュラルレザー」「ラスティックレザー」はそれぞれ1色、「エンブレイスレザー」は2色、「グレースレザー」は3色、「オーラレザー」は4色のカラー展開が用意されています。
部屋を落ち着きのあるリラックス空間にしたい場合には、ベージュ系の色を選ぶと控えめで上品な雰囲気を演出できるでしょう。
またブラックやダークブラウンを選ぶと、座面がポイントになりスッキリとシャープな美しさを表現できるほか、部屋のアクセントにもなります。
ワークテーブル「PK51」と組み合わせるためのPK11
前述のとおりPK11は、ワークテーブルのPK51に組み合わせるチェアとしてデザインされました。
PK51の脚部はPK11と同様でサテン仕上げのステンレススチールが用いられ、天板はアッシュ材のナチュラルウッドが使われています。
ワークテーブルと組み合わせるため、PK11は一般的なダイニングチェアに比べて座面が浅く、背もたれも低く設計されています。
両者の高さがちょうど合うように作られているだけではなく、PK11の正面が直線的なデザインのためPK51に美しく収まるように計算されている点も魅力です。
PK11の導入事例を紹介
個性的でありながら機能性の高いPK11の導入事例を紹介します。
デザインの美しさだけでなく座り心地も快適なPK11をぜひ取り入れてみてください。
書斎のワークチェアとして配置する
座ったときに背筋が伸びて長時間の作業も快適に過ごせるPK11は、書斎のワークチェアとして最適。
集中力とモチベーションを高く維持しつつ作業に取り組めるでしょう。
背もたれが低く視線を遮らないため、スマートに片付いたデスク周りの印象を与えられるメリットもあります。
北欧家具のドレッサーに合わせる
北欧家具の木製ドレッサーにPK11を置けば、洗練されたおしゃれな空間を楽しめます。
ドレッサーには背もたれがないスツールを合わせることが多いですが、背もたれのある椅子のほうが快適にメイクアップできるでしょう。
女性がドレッサーの前に座る時間は、自分を見つめ直す大切な時間。
PK11なら低い背もたれが体をしっかりと支えてくれるほか、使わないときにも鏡面をふさぐことがありません。
リビングのアクセント家具として置いてみる
個性的なフォルムでありながら、シンプルで品のあるPK11をリビングのソファの横に置くと、部屋に北欧家具の空気感がプラスされます。
またPK11は重心が低いため日本の家具にも合わせやすく、独特の存在感で空間の質を高めてくれるでしょう。
ダイニングチェアとしても
ワークテーブルとして作られたPK51ですが、ダイニングテーブルとしても活躍します。
家族が集まるダイニングに配置したPK51にPK11を置けば、両者がお互いの魅力を引き立てるでしょう。
また大きめのサイズで6つまで椅子を並べられるPK51。背もたれの低いPK11を6脚並べても圧迫感はありません。
食事のときだけでなく、家計簿の記帳や書き物をするとき、お子さまがダイニングで勉強するときなど、多岐にわたるシーンで愛されています。
PK11で理想の北欧空間を再現しよう
この記事は、3つの異なる素材を組み合わせた彫刻のような美しさをもつPK11について紹介しました。
ステンレスで作られたスタイリッシュな3本の脚や、半円状に描かれた座面、優雅で繊細なラインを描いている背もたれが特徴です。
上品で洗練されたフォルムのPK11は、1脚だけでも抜群の存在感を示します。
暮らしの空間にPK11を取り入れて北欧の空気感を再現しましょう。