グランプリチェアは、1957年にアルネ・ヤコブセンがデザインした作品です。
コペンハーゲンの「デンマーク工芸博物館」の展示会で発表されました。
印象的なY字型のフォルムと優れた機能性により、アルネ・ヤコブセンの代表作である「セブンチェア」や「アントチェア」に並ぶ名作となりました。
この記事では、グランプリチェアの特徴や魅力、活用アイデアについてご紹介します。
目次
グランプリチェアとは?
グランプリチェアは1957 年に、北欧家具の巨匠として知られるアルネ・ヤコブセンがデザインした作品です。
当初は「3130モデル」と名付けられ、コペンハーゲンの「デンマーク工芸博物館」にて開催された春の展示会で初公開。
同じ年にイタリアでおこなわれた国際博覧会「ミラノ・トリエンナーレ」で、最高賞を獲得したことから「グランプリチェア」と命名されました。
製品化されたものの、技術面の問題により生産は中止に。
その後フリッツ・ハンセン社によって改良され、2008年にスチール脚バージョンが復刻を果たします。
印象的なY字型のフォルム
グランプリチェアはY字型のフォルムが印象的。
アルネ・ヤコブセンがこだわった機能美により、単体で配置するだけでもオブジェのような存在感を放ちます。
彼の作品の中では珍しく木製の脚を採用していますが、他の成形合板チェアのスチールベースと同じように緩やかなラインを描いているのが特徴的です。
アルネ・ヤコブセンの優れた技術により「セブンチェア」や「アントチェア」と並ぶ名作に。
グランプリチェアは「成形合板チェア」が世間に認められるきっかけとなった作品となりました。
グランプリチェアが選ばれた「ミラノ・トリエンナーレ」
グランプリチェアが最高賞を受賞した「ミラノ・トリエンナーレ」は、世界最大のデザイン都市であるミラノで開かれる美術展覧会です。
基本的に3年に1度のペースで開催されデザインやファッション、建築などの分野の中で最も優れたデザインに賞が贈られます。
グランプリチェアの受賞は、アルネ・ヤコブセンの技術が世間に認められた証といっても過言ではないでしょう。
自分好みにアレンジできる個性豊かなバリエーション
グランプリチェアは自分の好みに合うタイプを選べるのも大きな魅力。
ここからは豊富なバリエーションについて、詳しく解説していきます。
選べる2種類のベース
グランプリチェアのベース(脚)は2種類から選択できます。
- ウッドレッグ
木目がはっきりと分かるウッドレッグは、ナチュラルかつモダンな雰囲気を感じるのが印象的です。2サイズ展開で脚は本体と同色になります。 - スチール
スチールパイプのクローム仕上げは、クールかつ洗練されたイメージ。モノトーンやモダンなインテリアに似合います。スチールタイプはスタッキングが可能なので、複数使いしたい人におすすめです。
本体は印象の異なる3タイプから選択可能
グランプリチェアの本体は3種類から選べます。
- ナチュラルウッド
- カラードアッシュ
- ラッカー
また布やレザーでのフロントパディングやフルパディング加工も可能。
それぞれに違った良さがあるので、じっくり検討してくださいね。
ナチュラルウッド
木の質感を活かしたナチュラルウッドなら、空間に温もりをプラスできます。
どんなインテリアにも合わせやすいので「どれを選べば良いか分からない」という人にもおすすめです。
同じナチュラルウッドタイプでも、素材の種類によって雰囲気が異なります。
カラードアッシュ
カラードアッシュは、鮮やかなカラーからニュアンスカラーまでバリエーション豊富。
インテリアのアクセントに最適です。
木目もしっかり見えるので、色と素材の質感の両方を楽しめます。
またナチュラルウッドに比べて、耐久性に優れているのも魅力的です。
ラッカー
ラッカーは木目が見えなくなるまで色を重ねているのが特徴です。
ナチュラルウッドやカラードアッシュと異なり、ツヤのある質感に仕上がっています。
使い込むほど光沢が増し、美しく変化していくのも魅力です。
\TIMBER YARDオンラインストアはこちら/
グランプリチェアのコーディネートアイデアを紹介
Y字の背もたれが、程よい存在感を放つグランプリチェア。
デザインの美しさと機能性を持ち合わせているので、さまざまなシーンで活躍します。
ここからは、お部屋のインテリアにグランプリチェアを取り入れるときのアイデアや実際のコーディネート事例を紹介します。
複数配置してダイニングチェアとして活用
まずはグランプリチェアにおいて最もポピュラーな、ダイニング空間のコーディネートを紹介。
ダイニングテーブルにグランプリチェアを複数レイアウトするだけでも、洗練された空間を演出できます。
あえて違った素材やカラーを組み合わせて、空間に遊び心をプラスするのもおすすめ。
色合わせに迷ったら、部屋のテーマカラーをセレクトすれば統一感のある仕上がりになります。
他のチェアと組み合わせてダイニングを上質な空間に
シンプルでどんな空間にも合わせやすいグランプリチェアは、他の名作チェアとの相性が良いのも特徴です。
特に北欧家具・北欧照明はデザインの根底にある考え方に共通点があり、好きな家具を適当に組み合わせるだけでもおしゃれな空間に仕上がるのが魅力。
写真は言わずと知れた北欧ダイニングチェアの名作「Yチェア(CH24)」と組み合わせたコーディネート例。
洗練された美しい形と、職人技によって生み出される座り心地を体感できる、唯一無二の空間をつくれます。
クールな印象を与えるスチール脚ですっきりとした印象に
ある程度の統一感をもたせつつ、クールな印象にまとめたいなら、スチールパイプのベースを選ぶのがおすすめ。
シェル(背もたれ)の素材を統一したスチールパイプ脚のチェアを複数配置すれば、開放的ですっきりとしたお部屋に仕上がります。
同じスチール製の脚をもつダイニングテーブルと一緒にコーディネートすれば、よりスタイリッシュな空間になります。
スチールパイプの脚はスタッキングして収納できるので、普段は物が少ない住まいで暮らしたい方にもおすすめです。
書斎や仕事部屋のデスクチェアにも採用できる機能性
見た目はもちろん、使い心地にも優れるグランプリチェアは、書斎・仕事部屋・作業スペースなどのデスクチェアに採用するのも素敵です。
メインデスクのほか、スキップフロアやヌックスペースの近くに設けた作業机に合わせるのも良さそう。
TIMBER YARDが注文住宅や別荘で設計する上質な造作家具と組み合わせれば、写真のようにシックで居心地の良い書斎空間をつくることも可能です。
廊下や玄関に単体で配置してオブジェのように見せる
グランプリチェアがもつ美しい造形は、インテリアアイテムとして単体で配置しても様になります。
リビングの隅や廊下、玄関など、ちょっとしたスペースに配置すれば、空間のアクセントになってくれるでしょう。
ゆったりとした時間を楽しむ椅子として活用できるのはもちろん、座面の上に観葉植物や雑貨をディスプレイして、アート作品のように見せるコーディネートも素敵です。
世界が認めた機能美を体験してみよう
グランプリチェアは美しいY字のフォルムと、快適な座り心地が魅力的。
長時間使用しても疲れにくいので、デスクチェアとして取り入れるのもおすすめです。
またアルネ・ヤコブセンデザインの中では珍しいウッドレッグは、人と違った北欧家具を手に入れたい人にぴったり。
世界にも認められたデザインと機能性を、ぜひ実際に体験してみてくださいね。
\TIMBER YARDオンラインストアはこちら/
オリジナルのデザインはそのままに、脚や座面のジョイント部に最新の技術を施しグレードアップ。2014年に再び生産がスタートしました。