心地よさを叶えた「FH429」の魅力に迫る|デザインの特徴やコーディネート事例を紹介

    クラシック家具をよりモダンでオーガニックにリ・デザインしていた「フリッツ・ヘニングセン」最後の名作「FH429」。

    シンプルな構造で細部にまでこだわり抜かれたデザインは、ふんだんに曲線をあしらった美しいフォルムが魅力です。

    今回は圧倒的な魅力を放つラウンジチェア、FH429について徹底解説します。

    FH429とは?

    FH429

    「FH429」とは「シグネチャーチェア」とも呼ばれ、1954年に「フリッツ・ヘニングセン」が制作したラウンジチェアです。

    ディテールまでこだわり抜いてデザインを施す完璧主義者のヘニングセンがデザインしたFH429は、角がなく豊富な曲線を取り入れたピュアなフォルムが注目を集めています。

    制作・販売を担当したのは北欧・デンマークを代表する家具メーカー「カール・ハンセン&サン」。

    100年以上続く歴史のなかでクラフトマンシップを忠実に守り、さまざまなデザイナーの名作を世に送り出している名ブランドです。

    腰を掛けるとお尻のほうに向かって緩やかな坂となり、体が「くの字」に保たれるFH429。

    部屋に配置するだけで特別な空間へと導いてくれる逸品です。

    優雅な曲線が美しいシンプルなフォルム

    FH429

    FH429の最大の特徴といえば、眺めているだけで穏やかな気持ちになれる優雅な曲線美。

    シンプルながらもヘニングセンのこだわりを感じられる美しいフォルムはまさに芸術といっても過言ではありません。

    また浮いたように滑らかなアームによって作り出されるカーブは、安定した座り心地をサポートします。

    加えて背もたれから座面まで連続性のある作りも特徴で、全身を包み込むような快適さを実現させています。

    徐々に作品が簡素化していくヘニングセンの作風

    長いキャリアのなかで徐々に作風が変化している点も面白いポイントです。

    ヘニングセンの作品は次第に簡素化したフォルムを感じさせるデザインに移行しています。

    そしてヘニングセン最後の作品であるFH429は、ヘニングセンの集大成ともいえるデザイン。

    できるだけパーツは使わず「座面と背もたれ」、「アームと脚」を上品な曲線でスムーズにつないでいます。

    また「この上ない座り心地を実現させる」、これがヘニングセンの最後のテーマでした。

    思わず座ってみたくなるようなシンプルで温かみのある座り心地は、至高の空間を作り上げるのにふさわしいチェアといえるでしょう。

    空間に合わせて選べる素材

    FH429は空間に合わせて素材やカラーを選べる点も魅力です。

    張地は「皮革」と「ファブリック」から、脚とアームの木材は「ウォルナット材」または「オーク材」から選べます。

    そしてカラー展開にも種類があり、スタイリッシュな印象を与えるブラックや、シックで落ち着きのある空間にしてくれるブラウン、部屋を華やかに彩るオレンジなどがあります。

    たとえば「ブラックレザー・オーク材オイル仕上げ」のFH429を選ぶと、ナチュラルな雰囲気のオーク材をブラックレザーがビシッと引き締め、洗練された空間を演出できるでしょう。

    また「オレンジのファブリック・オーク材オイル仕上げ」を部屋に設置すれば、そこはまるでカフェのようにおしゃれで華やかな空間に変貌します。

    FH429を配置する場所に合わせて、素材やカラーをセレクトしてみてください。

    小さな模型作りからはじまったFH429

    ヘニングセンによる小さな模型作りからはじまったFH429。

    家具職人であったヘニングセンはデザイナーに転身したあとも、自身が生み出す家具はすべて自分でデザインを担当し、自分で製品化するのが当たり前でした。

    その工程を実現させるための模型作りは、細部に至るところまで完璧に作られていたのです。

    具体的には、立体的なモデルを作るための粘土であるインダストリアルクレイで作成。

    そして滑らかな曲線をもつアームと脚にはマッチ棒が使用されました。

    このミニチュア模型が完成すると、ヘニングセンは自分の工房で実物大のプロトタイプを作り、満足するまで微調整が行われます。

    その作業は何度も繰り返されました。

    これほど完璧主義であったヘニングセンだったため、FH429を発表した当時は20脚程度しか作られませんでした。

    しかしより多くの人に使ってほしい想いから、2015年にカール・ハンセン&サンが復刻版を生産開始したのです。

    シグネチャーチェアのためにデザインされた「FH430」

    FH429のある空間

    シグネチャーチェアのためにデザインされた「FH430」についても紹介します。

    「シグネチャー・フットスツール」とも呼ばれ、FH429とセットで使うとより洗練された空間に導いてくれるスツールです。

    FH429に共通して、流れるような曲線美を持つ脚が特徴のFH430。

    シンプルながらも精巧に作られたスツールで、ヘニングセンの典型的なデザインともいえます。

    しっかりした座り心地のため、FH429に腰を掛けて脚を伸ばすために使うほか、玄関に配置してちょっと腰掛けたり荷物を置いたりするときにも活躍するでしょう。

    FH429の導入事例を紹介

    最後にコーディネート事例を紹介します。

    FH429をどのように配置したらいいのか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

    サイドテーブルと一緒にリビングに配置する

    FH429のある空間

    全身を安心して預けられるFH429は、まさにリラックス空間にピッタリのラウンジチェアです。

    外から帰宅してホッと一息つけるリビングに配置すれば、いつもの部屋が極上の癒し空間に変身します。

    FH429の横にはコーヒーや本、テーブルランプなどを置けるサイドテーブルを置いてみましょう。

    自分だけのお気に入りの空間を実現させてくれるFH429にきっと満足できるはずです。

    ホテルやカフェに配置して顧客満足度を向上させる

    FH429のある空間

    たくさんの人が集まるホテルやカフェ。

    そこに優雅なFH429を配置してみるのもおすすめです。

    FH429はゆったりした時間を過ごすホテルやカフェによく馴染み、その場に訪れる人を魅了します。

    さらにヘニングセンの「この上ない座り心地を実現させる」がテーマとなったFH429が並んでいれば、リラックスしたラグジュアリーな気分となり顧客満足度を向上させられるかもしれません。

    FH430と組み合わせて寝室に配置する

    落ち着いて腰掛けられるFH429に、専用のスツールであるFH430を組み合わせたら、一日の終わりを過ごす寝室に配置してみましょう。

    寝室にラウンジチェアを置けば、寝る前のリラックスタイムや朝のリフレッシュタイムを優雅に過ごせます。

    スツールに足を乗せて後ろにもたれかかるだけで非日常へと引き込まれる点も嬉しいポイントです。

    空間に優しさを与えるFH429で極上のマイスペースを

    今回は、フリッツ・ヘニングセンの最後の作品・FH429について紹介しました。

    自分でデザインから制作まで担当していたヘニングセンだからこそできた、シンプルかつ上品なラウンジチェアで、配置するだけでその空間をお気に入りの場所にしてくれます。

    優しい印象のラウンジチェアをご検討中の場合には、ぜひヘニングセンのシグネチャーチェアを導入してみてください。