北欧風のインテリアを、さらにおしゃれに演出してくれるモビール。
飾ってみたいと思いながらも、一歩踏み出せずにいる人もいるでしょう。
モビールは動く彫刻とも呼ばれ、アート性の高いオブジェなので、気に入ったものは長く飾っていても飽きることはありません。
この記事では、そんなモビールの魅力についてや、おすすめのブランドをご紹介します。
目次
- 1 北欧で愛されてきたモビールとは
- 2 北欧インテリアに合うモビールの魅力
- 3 間取りに合わせたモビールの飾り方
- 4 小宇宙をつくり出す「satellite 」
- 5 さまざまな遠近感を楽しむ「perspective」
- 6 イームズ夫妻デザインの「Eames Plywood Mobile, Model A」
- 7 不思議で有機的なモチーフが魅力「Eames Plywood Mobile, Model B」
- 8 静かな存在感がある「ガラスのモビール〈声〉」
- 9 モビールの老舗ブランド「Flensted mobile」s
- 10 立体感のあるペーパークラフトでつくる「Livingly」
- 11 北欧デザインのモビールで空間に変化をつけよう
北欧で愛されてきたモビールとは
モビールとは、主に糸と針金と紙やプラスチック、または薄い木や金属板などで構成された、動くオブジェです。
多くは天井から糸で吊るされ、空気の揺らぎによって、バランスを取りながらユラユラと動くのを楽しみます。
窓から入る風や、部屋を移動する人の動きなど、ほんの少しの空気をとらえるため、ゆっくりと回転して動くのが魅力的です。
モビールの原型は、スウェーデンやフィンランドにルーツがある「ヒンメリ」という民芸品や、デンマークの室内装飾で愛されてきたオブジェがあります。
そして1932年、アメリカの彫刻家アレクサンダー・カルダーがスタンド型の動く彫刻作品を発表しました。
その作品を見た芸術家のマルセル・デュシャンが「モビール」(フランス語で「動く」という意味)という名称をつけました。
その後モビールは芸術作品としてだけでなく、インテリアや知育玩具として、世界中で身近なものとなっています。
北欧インテリアに合うモビールの魅力
北欧インテリアに合うデザイン性の高いモビールのモチーフには、鳥や魚、動物のモチーフや、船や気球などの乗り物もありますが、抽象的なモダンデザインのものも多く発表されています。ここでは北欧デザインのモビールの魅力をご紹介します。
インテリアのアクセントに
モビールをモダンな北欧デザインのインテリアとコーディネートすると、おしゃれな空間演出ができます。
◯型や長方形、棒状のモビールなど、いくつもの単純なパーツが空気の流れによって複雑に動いていく様は、動く彫刻のように見えるでしょう。
季節やイベントで楽しむ
モビールを季節やイベントに合わせて飾ることで、空間が華やかになる効果があります。
モビールに使われるモチーフには、天使やツリーなどクリスマス関連のものや、チョウチョやツバメ、鯉のぼりなど季節を感じさせるモチーフもあります。
構造が単純で、設置も簡単なため、気軽に取り換えられるのも魅力です。
季節を感じさせるモビールを使って、1年中楽しんでみてはいかがでしょうか。
間取りに合わせたモビールの飾り方
ここでは、家の間取りに合う北欧デザインのモビールをご紹介します。
リビング
リビングに飾るモビールは、インテリアのテーマと合うデザインを合わせるとおしゃれさが際立ちます。
ナチュラル系のリビングならカラフルでポップなモチーフ、モダンな空間なら抽象的なデザインで、メタリックな素材のモチーフなどがおすすめです。
窓からの光で反射したり、壁に影が写り込んだりして、家族が楽しめる空間づくりができるでしょう。
子ども部屋
子ども部屋に飾るモビールは、動物や魚のモチーフや、キャラクターを使ったモビールが合うでしょう。
色もカラフルで、見ていて楽しいデザインを用意すると子どもが喜びます。
赤ちゃん用ベッドのメリーとして使う場合は、赤ちゃんが目で追いやすいよう、赤や青などハッキリした色を使うと良いでしょう。
和室
モダンでシンプルなモビールは、和室の空間とも相性が良く、おしゃれな演出ができます。
色はモノトーンかナチュラル系、形は抽象的なものを選ぶと、落ち着いた雰囲気をつくり出せます。
柱など木目が多い空間ならば、木製のモビールを飾っても良いでしょう。
階段上
階段を登り切ったあたりの空間にも、モビールをコーディネートしてみましょう。
階段を上がる先にモビールがユラユラ揺れていると、特別感のある空間演出ができます。
階段を登った後に頭が当たらないよう、天井から吊るす長さに注意しましょう。
小宇宙をつくり出す「satellite 」
サテリテはイタリア語で「衛星」という名前がつけられた木製モビールです。
日本人デザイナー村澤一晃氏によってデザインされ、温かみを感じさせます。
大きい輪から小さい輪まで5枚の円盤が、1枚の板からレザーカットでくり抜かれており、緻密な設計で作られています。
ウォルナット・杉・ケヤキ・マホガニーの木肌による落ち着いた色合いが、優しい雰囲気を醸し出しています。
さまざまな遠近感を楽しむ「perspective」
パースペクティブはプロダクトメーカーのマザーツールがデザインした、木製の窓枠が連続したような大きなサイズのモビールです。
パースペクティブには「釣り合いの取れた見方・遠近法」といった意味があり、縦や横への配置、大きさの違う長方形の窓枠によって、さまざまな遠近感を錯覚させる不思議な感覚を体験させてくれます。
イームズ夫妻デザインの「Eames Plywood Mobile, Model A」
イームズ プライウッド モビールは、1940年代初頭にミッドセンチュリーを代表するイームズ夫妻によって生み出されたモビールです。
成形合板の技術向上を目的とした実験中につくられ、夫妻のアパートにも吊るされていました。
アメーバのような有機的なデザインでインパクトがあり、遊び心のある空間づくりができるでしょう。
不思議で有機的なモチーフが魅力「Eames Plywood Mobile, Model B」
モデルAと同様、イームズ夫妻によってデザインされたモビール。
成形合板でできた木製パネルに、ブラックラッカーを施した2つの同じデザインパーツからできた単純な設計です。
しかしカタツムリのような、動物の足跡のような、不思議で有機的なモチーフが目を引きます。どの場所に飾っても楽しく眺められるでしょう。
静かな存在感がある「ガラスのモビール〈声〉」
グラフィックデザイナー大原大次郎氏と菅原工芸硝子の職人が生み出した、ガラスでできたモビール〈声〉。
ガラスの細い管を折り曲げて、糸でつなげることで〈声〉という漢字を表したモビールです。
2つの流線形の筒状ガラスと、宝石のような丸い粒状ガラスで構成され、絶妙なバランスで揺れるのが魅力的です。
透明な〈声〉は、まわりの風景に溶け込みながらも、静かな存在感を示しています。
モビールの老舗ブランド「Flensted mobile」s
フレンステッド・モビールは、デンマークで古くから手工芸として継承されてきたペーパークラフトを、現代的なモビールとして生まれ変わらせた、半世紀続くブランドです。
これまで生み出されたデザインは250種類にもおよび、コペンハーゲン国立美術館の常設展示でも見ることが可能です。
子ども部屋に合うポップなものから、動く彫刻のアートモビールまで幅広く生産しており、どんなシーンにも合うモビールが見つかります。
立体感のあるペーパークラフトでつくる「Livingly」
リビングリーは、2008年にデザイナー夫婦によってデンマークで設立したペーパークラフトのブランド。
2011年にイギリスの百貨店ジョン・ルイスとのクリスマス装飾のコラボレートにより、広く知られるようになりました。
ペーパークラフトの立体感をうまく引き出したモビールは、カラフルで可愛らしいだけではなく、計算し尽くされた彫刻的魅力があります。
デンマーク王室でも飾られているフェルトボールをモチーフにしたモビールも発表しています。
北欧デザインのモビールで空間に変化をつけよう
モビールにはインテリアのアクセントとしてだけでなく、気持ちが癒やされたり、楽しい気分になったり、不思議な心理的効果があります。
さらに、重量も軽く、どこにでも気軽に飾れるのが魅力です。
気分をリフレッシュしたい、特別な空間をつくりたいなら、お気に入りのモビールを見つけて飾ってみましょう。
小さなサイズのモビールでも、動き続けると目を引くため、インテリアのアクセントとなるでしょう。