PP68の魅力と導入事例|高い機能性で至極の座り心地を堪能できる

    美しいアームの曲線が目を引く「PP68」は、高い機能性で至極の座り心地を堪能できるダイニングチェアです。

    どのように座っても、自然と正しい姿勢に導く機能性と外見の美しさを兼ね備えており、自宅で過ごす食事や作業の時間をより豊かにしてくれるでしょう。

    この記事では、PP68の特徴と導入事例を紹介します。

    PP68とは?

    PP68に座るウェグナー

    「PP68」は、1987年に北欧家具デザイナー「ハンス・J・ウェグナー」によって作られた最後のダイニングチェアです。

    生涯で500種類以上ものチェアを世に送り出したウェグナーの集大成といえるPP68は、座り心地と機能性を追求した「ウェグナーらしい工夫」が散りばめられています。

    そして製造・販売を担当しているのは、デンマークの家具メーカー「PPモブラー」です。

    「木」への愛情が深い同社と、自然素材を取り入れた家具をデザインしてきたウェグナーのタッグにより、PP68は現在もなお世界中で愛されています。

    また細部にこだわりを詰め込んでいるのにシンプルな佇まいは、どのような空間にもよく馴染むでしょう。

    圧迫感のない椅子がほしい人や、ナチュラルな雰囲気を味わいたい人などにおすすめです。

    2つの座り方が楽しめるダイニングチェア

    ウェグナーがとくにこだわったのは、さまざまな座り方に対して「常に快適な座り心地」を実現した機能性です。

    背板に腰を合わせると、なだらかに後傾した座面から少しヒップ部分が突き出て背骨を支え、理想的な座り姿勢を作ります。

    意識せずとも猫背が解消され、作業のしやすい姿勢を保てるでしょう。

    さらに浅く腰掛けると、カーブした背板が優しく背中をキャッチしてくつろぎの姿勢が作れます。

    身体を包み込むように大きく突き出たアーム部分に腕をかければ、よりリラックス状態を楽しめるでしょう。

    このようにPP68は「作業する時間」と「くつろぐ時間」のどちらにも最適な座り心地を実現します。

    角のない美しい曲線が魅力のフォルム

    PP68

    角のない美しい曲線でできたフォルムも、ウェグナーらしい特徴といえるでしょう。

    とくに印象的な曲線を持つアーム部分は、ひとつの木から削りだされています。

    可能な限り木のぬくもりを感じるように作られたデザインは、木材をこよなく愛するウェグナーならではの発想です。

    背板の曲線は座る人の背中を優しく包み込むだけではなく、カーブさせたことで背中を長時間つけていても痛くなりません。

    座る人を最優先に考えた高い機能性と、美しい見た目のPP68は、ウェグナーの繊細な配慮を具現化した名作チェアです。

    涼しげなペーパーコードの座面

    PP68

    座面には素朴ながらも耐久性をもつ「ペーパーコード」を取り入れています。

    デンマーク産の天然コルクでできた紙を使用したペーパーコードは、経年変化で座る人のお尻に合わせて形を変え、包み込むような座り心地を作るのが特徴です。

    ウェグナーの作品で同時期に発売された、座面が革張りのチェア「PP58」よりも軽やかで涼しげな印象を与えるでしょう。

    好みに合わせてぜひ比較をしてみてください。

    特徴的なアームを机に引っ掛ければ掃除もラクになる

    絶妙な長さのアームは、チェアをより扱いやすくする機能を与えました。

    推奨テーブル「PP70」「PP85」の下にもぐりこんで収納できるように設計されており、コンパクトな空間も広く使える仕様です。

    さらにチェアを持ち上げてアームを机に引っ掛ければ、テーブル下の掃除もラクにできるでしょう。

    テーブル周りを広く使いたいときにも便利です。

    過去にウェグナーが生み出した作品を見ると、ダイナミックで場所を要するようなデザインも多くありました。

    しかしこのPP68は暮らしに取り入れやすいアイデアを詰め込んでおり、より多くの家庭で愛されるチェアとなりました。

    フェリー用チェアとして強固な作りで製作されたPP68

    PP68の物語は、DSBフェリー(デンマークの国有鉄道)の客室用チェアとしてデザインされたことから始まります。

    当時、デンマークの島々を渡る移動手段はフェリーのみでした。

    多くの乗客が長時間座ることを想定したウェグナー達は、「優れた耐久性」「多種多様な座り方」「機械加工が可能で低価格」の3つの論点に注目して客室用チェアを作ろうと決めたのです。

    こうして1987年に製作されたPP68ですが、結果的にフェリー用チェアとしては「PP208」が選ばれてしまったため、当初の目的は果たされませんでした。

    しかし機能性や耐久性に優れているのはもちろん、さまざまな姿勢で座ることを想定して作られているチェアだったことから、現在では家庭のダイニングチェアとして多くの人から愛されています。

    PP68の導入事例を紹介

    ここではPP68の導入事例を紹介します。

    ナチュラルな佇まいと快適な座り心地は、自宅のダイニングにやすらぎの時間を与えるでしょう。

    PP68の導入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

    ダイニングの主役チェアに

    PP68のあるダイニング

    優れた機能性を持つPP68は、リビングの主役となるダイニングチェアとして最適です。

    アームの曲線との統一感を持たせる丸い形のダイニングテーブルや、コーナーが丸みを帯びたダイニングテーブルと組み合わせれば、柔らかさを感じる優しい空間を演出できるでしょう。

    ウェグナーがデザインしたダイニングテーブルのPP70とPP85は、PP68の推奨テーブルとされています。

    推奨されるだけあり、サイズ感や雰囲気の相性は抜群です。

    コーディネートに迷ったら、PP70もしくはPP85で王道の組み合わせを試してみてください。

    ナチュラルな雰囲気漂う書斎に

    座り姿勢を自然と正してくれるPP68は、長い作業時間を過ごす書斎にもピッタリです。

    木材の魅力を活かしたPP68なので、書斎に置くインテリアも木製にしたり、植物を飾ったりしてナチュラルな雰囲気を作ると統一感が出ます。

    またPP68はオークとブラックの2色展開です。

    オークフレームはナチュラルで温かみのある雰囲気を演出し、一方でブラックフレームは木のぬくもりとシックな雰囲気が融合して洗練された空間を作れるでしょう。

    両者は異なる印象をもつため、理想の空間に合わせて選んでみてください。

    ほかの種類のチェアと合わせて

    あえて統一感を出さずに、違う種類のチェアと組み合わせても個性のある空間にまとまります。

    異素材の組み合わせによるコーディネートに自信がない場合は、チェアの色味を統一して形だけを変えたり、形を統一して色味だけを変えたりと、少しずつ試してみると失敗しにくいでしょう。

    またPP68の価格がネックになっている場合でも、ほかのチェアと組み合わせることで全体的なコストを抑える効果も期待できます。

    姿勢正しく座れるPP68をダイニングに並べよう

    この記事では、ハンス・J・ウェグナー最後の名作・PP68の特徴と導入事例を紹介しました。

    ダイニングチェアは食事をしたり作業をしたりと、座っている時間も比較的長くなります。

    自然と正しい姿勢に導くPP68を取り入れて、どのような時間も快適に楽しめる理想の暮らしを送ってみてはいかがでしょうか?