高台に建つ家を見かけると「見晴らしがよさそう!」「老後は不便そう」と、一長一短に感じる方もいるのではないでしょうか。
高台の家は暮らしのイメージがしにくい反面、別荘としては根強い人気があります。
今回は、高台の家のメリット・デメリットを徹底解説し、別荘を建てるには最適である理由もご紹介します。
知っているようで知らない高台の家。好条件の高台の土地を見つけたならば、ぜひ判断材料にしてくださいね。
目次
なぜ高台の家が注目されているのか
日本は山が多く、傾斜地や高台は珍しくありません。
山を削って整えた後、住宅地や別荘地として整備されている土地もあります。
土地探しの選択肢として高台を視野に入れている方も多いでしょう。
高台は以下3点の理由により昔から注目を集めています。
- 土地で後悔しているポイント上位5つの内3つをクリア
- 東日本大震災の影響
- 高台に住むことがステータス
家の購入経験がある455人を対象に「2023年 家の立地で後悔していることについて」のデータによると、高台は「1位:騒音がある」「2位:日当たりが悪い」「4位:災害のリスクが高い」をクリアしています。
これらは後述する高台の家のメリットであり、上位3つを解消できるため注目度が高いと考えられるでしょう。
特に2011年の東日本大震災の影響もあり、災害のリスクに備えて高台の住宅地が改めて指示されています。
また、「高台=高級住宅街」というイメージがあるのも事実です。
江戸時代では、階級の高い人が高台に住んでいた背景があります。
また、海外セレブや富裕層は高台や丘の高級住宅地に住んでいることもイメージを強める要因になるでしょう。
つまり、昔も今も一定数の人にとって高台に住むことがステータスの一つであるとされています。
高台に建つ家のメリット
高台の家には5つのメリットがあります。
眺望を楽しめる
視界を遮るものがない高台の家は、お気に入りの景色を室内から見渡せます。
屋外に接する面に大きめの窓やテラスを設ければ、高台からの景色を生活に取り込めて開放的な気分を味わえるのです。
海沿いの高台ならリゾート感に浸れますよ。
特に高台の分譲地一帯は「第一種低層住宅用地」に指定されていることが多く、隣地に高い建物が建つ心配はありません。
家から景色や夜景を楽しめるため、開放的でリラックスできる住宅が実現します。
日差しを遮る心配がない
高台の家は、プライベートを確保しながら日差しを遮らないメリットがあります。
特に南向きなら工夫次第でどの部屋にも日差しを取り入れられ、夜以外は照明がいらないことも。
一般的に、平地の南向きは日差しを取り込んでも外部からの視線に対策を施さなければいけません。
しかし、高台の家だと外からの視線も気にせずに日差しを取り込めるため、時間や場所にかかわらず明るい家になります。
熱がこもりにくい
高台は平地よりも風通しがよく、熱がこもりにくいため夏は涼しく過ごせます。
これは、建物が密集していないことと、標高100m上がるごとに気温が0.65度下がる「気温減率」が影響しています。
十分に風を取り込む設計にすれば「ヒートアイランド現象」の緩和にもつながり、寝心地のよい家になるでしょう。
落ち着いた環境で暮らせる
高台は幹線道路や商業地から離れており、周辺は緑地が多い傾向です。
静かで落ち着いた環境なので以下のメリットを得られます。
- 車の騒音や排気ガスに悩まない
- 季節の移ろいを感じられる
- のびのびと子育てできる
水害のリスクが低い
高台の家だと津波や河川の氾濫を心配する必要はありません。
また、大雨であっても冠水する可能性が低いため、水害に強いといえます。
日本は災害が多い国であり、その大半は台風や豪雨などの水害です。
つまり、高台に家を建てれば災害のリスクを下げると言っても過言ではありません。
高台に建つ家のデメリット
高台の家にはデメリットが以下3点あります。
高台の土地を購入するかの判断材料として理解しておきましょう。
交通の便が悪く、坂道の負担がある
高台は平地へのルートが少なく、坂道とは切っても切れない関係です。
公共交通機関の本数が少ない傾向もあり、場合によっては徒歩や自転車での移動が困難な高台もあるでしょう。
日常生活が高台だけで完結することは少なく、買い物や病院、通勤通学では車の利用を余儀なくされることも。
とはいえ、車で移動しやすい便利な高台なら不便は感じにくく、ネットスーパーなどを活用する方法もあります。
生活の場ではなく、別荘や二拠点生活なら問題ありません。
水圧が弱い可能性がある
一般的に水道管は地中に埋められているため、高度が高いほど水圧が弱くなります。
また、高台の家で電気を使用して水を上げている場合は、水道の基本料金が高く設定されていることもあります。
しかし、専門の業者に相談すれば水圧を高める特殊な蛇口に交換することも可能。
水圧が弱いと日常生活に支障をきたすため、あらかじめ水圧を調査しましょう。
追加費用がかかる場合がある
高台に家を建てるには高さが2m以上だと擁壁工事が必要であり、5m以上なら自治体から許可を取らなければ建てられない場合があります。
そのため、家を建てるには追加の工事費用がかかると予測されます。
特に注意点は、家を支えるために壁状の構造物を作る擁壁工事です。
すでに擁壁があっても老朽化している可能性があるため安心できません。
高台に家を建てるなら高低差によって追加費用がかかると考えておきましょう。
高台の家を別荘にすればデメリットの影響を受けにくい
高台の家に利便性を求めると暮らしが不便に感じることもあるでしょう。
しかし、別荘目的であれば前述したデメリットの影響を受けにくいといえます。
高台はリゾート地や別荘地として人気が高く、景色のよさや非日常を感じたい方には適した土地です。
車で移動しやすいルートがある高台なら、交通の不便さも気にならないでしょう。
坂道の負担があっても、別荘ならば頻繁に行き来することもありません。
つまり、高台に別荘を建てればデメリットの影響を受けにくく、ゆったりした時間を過ごせる特別な空間になります。
高台の家のメリットを別荘に活かせば人生を潤す空間が実現する
高台の土地にある家は眺望が楽しめて、災害のリスクを下げたり涼しく過ごせたりなど機能性がある点がメリットです。
一方、交通の便や坂道の負担などに懸念がありますが、別荘地としてなら好条件に変わります。
高台は昔からリゾート地や別荘地として人気が高く、現在も注目されている土地です。
別荘を検討している方は、お気に入りの景色が望める高台の土地を検討してみてはいかがでしょうか。