洗面所は1日に何度も使う、暮らしやすさに直結するスペースです。
そのため、使いやすい広さがあることは重要なポイントといえるでしょう。
しかし、洗面所の最適な広さや間取りは、家族構成やライフスタイルによって異なります。
この記事では、洗面所の広さを決めるポイントや、快適に感じる間取りのアイデアなどを解説します。
洗面所を使いやすい空間にするために、ぜひ参考にしてください。
目次
洗面所の一般的な広さとは
洗面所というと、一般的な建売住宅の場合、洗面と脱衣を兼ねている空間がほとんどです。
基本として、洗面台と洗濯機を設置し、隣に浴室を設けます。
この間取りで最低限必要な広さは2畳程度です。
使いやすさを重視するなら、空間に余裕ができる2.5畳程度あるとよいでしょう。
さらに収納を多くしたり、朝の渋滞を避けたりしたい場合は、3畳程度の広さが最適です。
この広さなら、数人が使用してもゆったり支度ができます。
バリアフリーの洗面脱衣所にする場合は、車椅子を使うことを前提として、3畳以上の広さが必要です。
脱衣所と洗面所を分けるなら
脱衣所と洗面所を分けると、洗面所と浴室が離れるため、湿気がこもりにくくなります。
また、誰かが浴室を使っているときでも、気兼ねなく洗面所を使えるメリットがあります。
洗面所単独の場合は、最低でも1.5畳あると、身支度を整えるのに使いやすいでしょう。
2畳分あると、ホテルのようなゆとりある洗面所ができます。
また、脱衣所と違って、洗面所は個室である必要がないため、廊下の一部を洗面所にすることも可能です。
そうすれば、省スペースで設置できるため、費用を削減できます。
また、1階と2階に1つずつ洗面所をつくると、家族の生活動線が分かれるため、ゆったりと使えるでしょう。
ランドリールームを兼ねるなら
洗面所とランドリールームを兼ねる間取りも人気です。
ランドリールームとは、洗濯物を干すための空間を指します。
ランドリールームと兼ねる場合、最低でも3畳あるといいでしょう。
おすすめの広さは、さらに広い4~5畳です。
作業できるカウンターをつければ、アイロンがけや洗濯物を畳むなど同じ空間の中でまとめてできるので、家事の効率化が期待できます。
洗面所の広さを決めるポイント
では、家族のライフスタイルにあった洗面所の広さは、具体的にどのくらいでしょうか。
ここでは洗面と脱衣をする洗面所として、まずは必要な設備を考えます。
これ以外にも、家庭によって必要なものもあるでしょう。
例えば、歯ブラシやタオル、洗濯用品などだけでなく、着替え用のパジャマや美容家電を置くケースもあります。
それらをふまえて、どのくらいの広さが必要か、検討してみましょう。
設備の大きさ
洗面と脱衣をする洗面所で必ず設置する、洗面台と洗濯機のサイズを確認しましょう。
- 洗面台
幅75cm×奥行き50cm程度が主流
(コンパクトサイズで幅60cm×奥行き50cm) - 洗濯機
幅58cm×奥行き60cm~幅73cm×奥行き62cm程度が主流
洗面スペースは、大人1人に必要な幅は約60cm以上といわれています。
2人並んで使う場合、幅120cm以上のスペースに2個の洗面ボウルがあれば、朝の渋滞が緩和されます。
洗濯機置き場は、ドラム式か縦型によってサイズが異なるため、どのタイプを置くかでサイズを決めましょう。
家族構成
家族構成によって、洗面所の必要な広さが異なります。
洗濯機の大きさや収納スペースのサイズは、家族の人数が多ければ、その分大きくする必要があるからです。
学生がいると朝の渋滞が起きやすかったり、小さい子どもがいるとゆとりのある入浴準備のスペースが必要になったりするため、ゆとりを持った広さがあると快適に過ごせます。
ドアのタイプ
洗面所の広さを確保するためには、ドアの種類も検討しましょう。
開き戸の場合は、ドアを開けられるだけの広さが必要です。
奥行きがあまりない場合は、引き戸にするとスッキリします。
ライフスタイルによっては、洗面所と脱衣所を分けて、洗面所にドアをつけない選択肢もあります。
使いやすい洗面所の作り方
洗面所は家族が毎日、ひんぱんに使う場所です。
ここでは、使いやすさや快適さを確保するためのポイントを紹介します。
家事動線を考える
洗面所をつくる配置は、家事動線と合わせて考えましょう。
小さなお子さんがいる家庭では汚れた衣服や手足をすぐ洗ったり、料理をしながら浴室の準備をしたりできると便利です。
家事動線上に洗面所があれば、複数の家事が効率的にこなせるため、家事の負担を減らせるでしょう。
水に強い内装にする
洗面所は水を使用する空間のため、水に強く、カビが発生しにくい内装材を選ぶ必要があります。
床材は、耐水性や耐薬品性、耐傷性などの機能を持つ素材がおすすめです。
脱衣する際には、足触りがよく、滑りにくいクッション性のある素材が良いでしょう。
壁紙は、洗剤や漂白剤などに耐えられたり、高い吸湿機能があったりすると安心です。
アクセントクロスやタイルを選んで、おしゃれな空間を演出しても良いでしょう。
洗面用・洗濯用収納をつける
洗面所の収納棚は洗面用と洗濯用を分けてつくると、細かい化粧品や洗濯用品が混在せず、整理しやすくなります。
洗濯機の上に収納をつくる場合は、可動棚にすると便利です。
洗濯機を買い換えた場合に、大きさに合わせて棚の位置を自由に調整できるメリットがあります。
化粧や掃除もしやすい照明にする
洗面所に設置する照明は、周りがはっきりと見える明るいタイプが人気です。
照明が明るくないと、化粧や掃除がしにくくなります。
リラックスする空間にもしたいなら、電球色と昼白色などをスイッチで切り替えられるようにすると良いでしょう。
デザイン性の高いもので、おしゃれに演出すれば、ホテルのような雰囲気を味わえます。
必要なコンセントの数と位置を確認する
洗面所に設置するコンセントの数と位置をしっかり検討しましょう。
洗面所で使う機器は多く、コンセントが足りなくなるケースもあります。
身支度に電気シェーバーや電動歯ブラシ、ヘアアイロンなどを使う場合は、高い位置に充電用のコンセントがあると便利です。
脱衣所と共有する間取りでは、ヒーターや除湿機などの家電を使うことも考慮に入れ、低い位置にコンセントを設置すると使いやすくなります。
換気と採光のための窓を設置する
洗面所に窓を設置すると、換気や採光ができるため、カビや臭いの対策ができます。
洗面所は、季節や天候を問わず換気できることが重要です。
外から洗面所が見えないようにするなら、高い位置の窓や曇りガラスを採用しましょう。
天井に接する位置に開閉しないFIX窓を設置する場合は、換気扇を設置しましょう。
洗面所の広さを決める際の間取りのアイデア
ここでは、洗面所の広さを決めるポイントとなる、間取りのアイデアを紹介します。
キッチンとつなげる
洗面所をキッチンとつなげると、家事効率を上げられます。
洗面所とキッチンを隣合わせにするか、廊下を挟んで真向かいの間取りであれば、直線的に移動できます。
キッチンで料理をつくりながら洗濯をしたり、お風呂の準備をしたりを、短い家事動線でできるのが魅力です。
玄関とつなげる
洗面所を玄関とつなげて帰宅した後に直行できれば、花粉やウイルスなどを部屋に持ち込む前に、手洗い・うがいができます。
雨や雪で濡れて帰宅した後も、濡れたまま部屋の中を移動する必要がないため、廊下が水浸しになることもありません。
小さなお子さんやペットがいる家庭の場合は、素早く泥や汚れを落とせるため便利です。
クローゼットとつなげる
洗面所とクローゼットを隣接させる間取りもおすすめです。
外出する際、洗面所で身支度を済ませた後、クローゼットですぐに着替えられるため、準備の時間を短縮できます。
また帰宅後も、手洗い・うがい後にすぐ部屋着に着替えられます。
さらに洗面所にランドリールームがあれば、洗濯物も片付けやすく、家事を効率化できる間取りです。
洗面所はライフスタイルにあった広さにつくろう
ここまで、洗面所の広さを決めるポイントや、快適に感じる間取りのアイデアなどを解説しました。
洗面所は収納するものも多く、清潔であることも重要なため、見た目もスッキリした設計が理想的です。
そのためには、収納方法や家事動線をじっくり検討する必要があります。
家族のライフスタイルを考慮して、快適な広さのある、使いやすい洗面所をつくりましょう。
しかし、注文住宅の場合、ライフスタイルによって、洗面所と脱衣所を分ける設計も可能です。