開放感のある家をつくるには?アイデアや間取りの施工例を紹介

    新しく建てる家では、開放感のある間取りをつくりたいと考える人は多いでしょう。

    開放感のある家にするためには、どのような設計をすれば実現できるのでしょうか。

    そこでこの記事では、開放感のある家づくりのアイデアや施工例を紹介し、具体的な方法を解説していきます。

    最後に開放感のある間取りをつくる際の注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

    開放感のある家とは

    吹き抜けのある家

    「開放感のある家」という言葉から連想するイメージはあっても、具体的な方法となると、分からないこともあるでしょう。

    ここでは、開放感のある家とは、どんな家を指すのかを解説します。

    間仕切りが少ない

    「開放感のある家だな」と感じさせるには、壁やドアなどの間仕切りをできる限り少なくし、空間を広くすることで実現できます。

    間仕切りが少ないと視線がさえぎられず遠くまで抜けるため、空間が広く感じて開放感につながります。

    実際の延べ床面積がそれほど広くなくても、視線の抜け感を確保することで、開放感のある間取りをつくることも可能です。

    天井に高さがある

    間仕切りが少ないことと同様に、天井に高さがあると視線が抜けやすくなり、多くの人に「開放感のある家だな」と感じさせます。

    人の目は空間を立体的にとらえているため、部屋の奥行きがなくても、高さがあると開放感を得られます。

    また、平面的な天井よりも、立体感のある勾配天井の方が、高さのある印象を持たせられます。

    採光が充分に確保できている

    空間に採光がたっぷりあると、開放感のある家だと感じやすくなります。

    採光による明るさは、空間を広く見せる効果があります。

    広々とした雰囲気を持たせるためには、自然光を多く取り入れられる大きな窓や、天井に近い高窓などを配置すると良いでしょう。

    開放感のある家のメリット

    開放感のある家を建てると、ストレスの少ない、のびのびとした暮らしが期待できます。

    ここでは開放感のある家を実現するメリットを紹介します。

    明るい家になる

    開放感のある家は、物理的にも心理的にも明るい家づくりができます。

    広々とした間取りは、閉塞感や圧迫感を和らげるため、気持ちをリラックスさせる効果があります。

    自然光の差し込む明るい間取りにすることで、生活のリズムをつけやすいといった影響もあるでしょう。

    風通しが良い家になる

    開放感のある家では、風通しがよくなる効果があります。

    開放感を得るために、空間を隔てる間仕切りを少なくするため、風の抜けが良くなるためです。

    風通しの良い家はカビや湿気が発生しにくくなり、不快なニオイもとどまらないので、気持ちよく生活できます。

    家族の気配を感じる家になる

    開放感のある家は、家族の気配を感じやすい間取りをつくり出します。

    間仕切りが少ないため、広い空間に自然と家族が集まりやすくなります。

    COVA

    その結果、家族同士のコミュニケーションに対するハードルが低くなり、会話が増える効果が期待できるでしょう。

    おしゃれな家になる

    開放感のある家は、おしゃれな家を実現しやすいでしょう。

    広々とした空間を使って、立体的な空間づくりができるため、デザイン性のある間取りができます。

    吹き抜けやリビング階段を設けたり、照明などで空間に陰影をつくったり、おしゃれな空間にこだわった家づくりが可能です。

    開放感のある家をつくるアイデア

    家の敷地面積や条件などはさまざまあり、開放感のある家をつくる工夫は、家ごとに異なります。

    ここでは、開放感のある家をつくるためのアイデアを紹介します。

    家の環境に合わせて、ぜひ検討してみてください。

    大きな窓をつける

    開放感のある家にするために最も取り入れやすいのは、大きな窓を採用することです。

    大きな窓があると自然光が差し込みやすく、風が通り抜けやすい間取りが手に入ります。

    ウッドデッキやテラスなどを併用し、大きな窓から外の風景が視界に入るようにすると、空間が拡張した感覚になり、開放感が得られます。

    ただし、大きな窓を配置する場合、間取りによってはプライバシーを確保しづらいこともあるため注意しましょう。

    天井を高くする

    開放感のある家づくりで、よく知られる手法として、天井を高くする方法があります。

    例えば、吹き抜けや折りあげ天井、勾配天井などが該当します。

    他にも、床を一段低くするダウンフロアを取り入れることで、天井を高く見せる方法があります。

    内装でできる工夫として、天井側の壁は明るい色を使い、床材は暗い色を採用するのもおすすめです。

    家の構造上で天井を高くできない場合は、ロースタイルのインテリアを取り入れると天井までの距離ができるため、空間を広く感じられます。

    仕切り方を工夫する

    間仕切りの必要な場所がある場合でも、開放感のある家を実現するために、仕切り方の工夫も検討しましょう。

    例えば、細い柱を格子状に並べて空間を分けたり、アクリル板やガラスを壁として設置したりして視界をさえぎらないようにすると、デザイン性のある空間を演出できます。

    内装をシンプルにする

    開放感のある家にするために、内装をシンプルにすることも効果的です。

    内装の形状や色をスッキリさせることで、空間に広がりを持たせる作用があります。

    家具を配置する場合も、家具の色を室内の色に合わせて凹凸を感じさせないようにすると、視界をさえぎらず、空間に抜け感が生じます。

    内装をシンプルにする工夫として、内装になじむような収納を造作するのもおすすめです。

    開放感のある家をつくる間取りの施工例

    ここからは、開放感のある家づくりを実現した施工例を紹介します。

    空間に広がりを感じさせる「吹き抜け」

    事例

    この施工例では、広いリビングに吹き抜けと大きな窓を採用し、開放感のある空間を実現しています。

    さらに、壁の色を全て白で統一することで、空間の広がりを感じさせます。

    リビングの上に設置された大きな高窓は、日中の採光を取り入れるだけでなく、夜空も眺められる癒やしの空間を演出しています。

    開放的な空間をつくる「巨大窓」

    事例

    広いリビングの庭側の壁に、巨大な窓を設置した施工例です。

    リビングの奥にあるキッチンに立つと庭の端まで視線が抜けるため、かなりの奥行きを感じさせ、開放感は抜群です。

    高い天井まで大きな窓を配置したことで、非日常的な空間をつくり出しています。

    「土間」で仕切りを工夫したリビング

    事例

    この施工例は、広いフロアに土間とスケルトン階段を採用し、開放的な大空間を実現しています。

    フローリングと土間に段差をつけたことで、開放感を損なわずに、空間を絶妙に仕切っています。

    ペットと暮らすライフスタイルに合わせた、使いやすい工夫がされています。

    採光にも効果的な「中庭」で開放感を演出

    事例

    吹き抜けと中庭、大きな掃き出し窓を組み合わせて開放的な間取りにした施工例。

    ウッドデッキを敷き詰めた中庭は採光の役割も兼ねており、心地良い時間を過ごせるのはもちろん、家全体に自然な光を届けてくれます。

    リビング・ダイニングに隣接する通路にも大きな窓を取り入れ、空間を広く見せているのもポイント。間取りの工夫で開放感を最大限に高めた事例です。

    開放感のある家をつくる際の注意点

    開放感を求める設計をすることで、生じるデメリットもあります。

    ここでは開放感のある家をつくる際の注意点について紹介します。

    断熱性を高める

    開放感のある家にするために大きな窓を設置したり、壁を少なくしたりすることで、断熱性が低下する可能性があります。

    そのため、断熱性能の高い窓ガラスを採用したり、空調システムを完備して空気を循環させたりなどで、断熱性を高める対策をしましょう。

    耐震性を高める

    開放感のある家を建てる際には、耐震性を高める設計にすることも検討しましょう。

    大きな窓や吹き抜けの設置、間仕切り壁を少なくするなどの開放的な空間づくりをするなら、専門的な知識を持つ施工業者へ相談しましょう。

    構造計算を適切にすることで、開放感のある間取りづくりのプランを提案してくれます。

    例えば、SE構法で家を建てれば、木造住宅でも耐震性の高さを確保できます。

    プライバシーを確保する

    開放感のある家にするためには、プライバシーもしっかり確保しましょう。

    外への視線の抜け感をつくる際には、防犯面も考慮する必要があります。

    例えば、中庭や高い目隠し壁を採用するなど、採光や通風を確保しながら、プライバシーや防犯性も確保できる設計を検討しましょう。

    室内でプライバシーを確保したいなら「引き戸」がおすすめです。

    引き戸は仕切るための壁にもなりますが、収納しやすいアイテムです。

    引き戸を使えば、採光や通風の量も手軽に調整できます。

    開放感のある家を建てて毎日を気持ちよく

    ここまで、開放感のある家づくりのアイデアや施工例を紹介してきました。

    開放感のある家は、それほど広くない敷地であっても、設計の工夫でつくることは可能です。

    空間を立体的にとらえて「視線の抜け」を意識しながら、のびのびと暮らせる開放的な家づくりをしましょう。