「庭は芝生にするべき?」「芝生の庭って実際どうなの?」自然の魅力があふれる庭に憧れるものの、このように感じる方もいるのではないでしょうか。
天然の芝生は肌触りもよく、昨今の猛暑によるヒートアイランド現象にも効果を発揮します。
今回は、天然芝を庭に敷くメリット・デメリットを解説し、庭づくりのポイントも紹介します。
また、芝生以外の庭の用途も紹介するので、庭づくりの参考にしてください。
目次
芝生の種類
まずは芝生の種類を解説します。
それぞれの特徴を理解すれば居住地の環境に適した芝生が選べますよ。
日本芝と西洋芝
芝生は主に「日本芝」と「西洋芝」の2種類があり、育成時の気温によって「暖地型」と「寒地型」に分けられます。
暖地型は春から秋にかけて25〜30度で成長し、東北地方より南であればどこでも育つ芝生。
一方、寒地型は春と秋に成長し、15〜20度が適温であり東北地方より北の地域であれば育ちます。
以下は日本芝と西洋芝のメリット・デメリットと特徴をまとめたので参考にしてください。
日本芝 | 西洋芝 | |
---|---|---|
メリット | ・暑さに強くて丈夫 ・高温多湿の気候に適している ・葉の伸びが少なく、手入れしやすい | ・寒さに強い ・種から育てるケースが多いため、日本芝より初期コストが安い |
デメリット | ・寒さに弱い ・冬は葉の色が茶色に変色する | ・病害虫に弱い ・育つまでに時間がかる ・定期的な芝刈りが必須 |
特徴 | 暖地型 | 暖地型 寒地型 |
芝生の庭をつくるポイント
芝生の庭を作るなら事前準備が必要です。
庭作りのポイントを5つに絞って解説していきましょう。
日当たり
芝生は日当たりが悪いと生育に影響を及ぼします。
確認するポイントは以下の2点です。
- 日当たりと風通しがよいか
- 春から秋に最低でも午前中は直射日光が当たるか
北向きや南向きでも近隣建物で日陰になる場合は適しません。
水はけ
水はけが悪い土に芝生を張ると根腐れを引き起こします。
根腐れすると病気にかかりやすく、衛生的によくありません。
土を手に取り、固くて重い粘土質であれば水はけが悪いと推測されます。
もし水はけが悪い場合は、水はけのよい土を盛ったり地面に勾配をつけて水がたまりにくくしたりなどの対策が必要です。
スペースの確保
芝生の家を作るなら、庭の大きさを決めましょう。
設計時に組み込んでおくと芝生の量・種類・レイアウト・設備などを決められるため、スムーズに庭が作れます。
レイアウト
スペース確保に伴い、庭のレイアウトやコンセプトを考えるのも重要です。
例えば、芝生の緑々しさを眺める庭ならば、室内からの目線を意識した配置にしたりレンガや天然石を利用して曲線美を演出したりなど。
芝生の魅力を引き立てるレイアウトであれば、一層おしゃれに仕上がります。
張り方
芝生は、マット状やシート状のものを使用します。
ある程度成長した芝を使うので失敗が少なく、庭全体を覆うのも簡単です。
張り方は主に3つあります。
目地張り | マット状になった芝生を5cm前後の隙間を開けて敷きつめる貼り方。 芝生の成長に伴い、時間をかけて隙間を埋めてくれます。 3つの中では一般的な方法であり、芝生の量を抑えられる点がメリットです。 |
ベタ張り | 芝生を隙間なく敷く貼り方。 一番簡単な方法である一方、庭の面積と同じ量の芝生が必要なのでコストは高額になります。 |
市松張り | 名の通り、芝生を市松模様に敷く方法。 使用する芝生の量は一番少ない一方、仕上げるには技術が必要です。 |
芝生の庭にするメリット
庭を芝生にすることで得られるメリットは5つあります。
美しい自然の風合いを感じられる
芝生がもつ天然のツヤや緑々しい色調は、美しい自然の風合いを感じさせます。
また、天候や光りの角度によって芝生の表情が変わる点も魅力的。
春から夏にかけては生命力やみずみずしさも感じるため、心身に癒し効果を与えてくれます。
裸足で歩ける
芝生特有のクッション性により、裸足で歩ける点はメリットです。
ケガの心配もいらないため、子どもやペットを安心して遊ばせられます。
芝生を敷けば、庭が生活の一部になるでしょう。
夏は涼しい
夏の暑さは、地面の温度や距離との関係が密接です。
芝生だとコンクリートに比べて日差しの照り返しがなく、熱の反射を抑える効果があります。
つまり、庭に芝生を敷けば夏は比較的涼しく、快適に過ごせます。
昨今の猛暑日対策の一助となるでしょう。
泥はねや砂埃がない
芝生の庭は、雨の日でも泥はねを生じにくくします。
ぬかるみもないので靴が泥だらけになる心配もありません。
また、風が強い日や晴れの日でも砂埃が生じにくく、外干しでも気にせず洗濯物を干せます。
初期コストが安い
芝生は、コンクリートやレンガに比べて価格が安く取り入れられる点がメリットです。
庭が広いほど価格は上がるため、庭づくりに芝生を選ぶと初期費用を安く抑えられます。
芝生の庭にするデメリット
安心安全で景観をよくするメリットがある一方、庭を芝生にするデメリットもあります。
芝生は一度敷くとやり直しが困難です。
あらかじめ理解を深めておきましょう。
手入れに手間がかかる
庭に芝生を敷くならメンテナンスは必須です。
年に一度でよいものや突発的な手入れなど、以下5つあります。
水やり | 春・秋は3〜4日に1回、真夏は涼しい時間帯に1日1回水やりが必要です。 芝生が乾いたタイミングで水を与えればよく育ち、病気を生じにくくします。 芝生の面積が広い場合は、散水ホースやスプリンクラーが必要です。 |
芝刈り | 定期的に芝刈りをすれば芝の密度が上がるので、雑草が生えにくくなります。 芝の長さを統一すれば強い芝になり、防虫効果も期待できます。 |
雑草取り | 雑草は生命力が強く、取らなければ本来芝生の栄養となるものが雑草に吸い取られてしまいます。 見つけ次第こまめに取らなければいけません。 |
目土入れ | 目土(めつち)とは、根腐れを防ぐため芝生に土や砂をかぶせること。 特に雨が降った後は土が低くなり芝生に水が溜まるため、目土入れが必要です。 |
施肥(せひ) | 芝生を美しく保つために、4〜9月頃に一度肥料を与えます。 肥料は芝生の成長度合いに合わせて芝生専用のものを撒きます。 |
冬は枯れてしまう可能性がある
芝生は気温の低下とともに成長が止まってツヤがなくなり、茶色く変色します。
つまり、1年中緑々しい状態ではありません。
冬は芝生のメリットを感じられないこともあるでしょう。
芝生を管理する収納スペースが必要
前述したように、芝生の手入れには芝刈り機・肥料・土など資材や道具が必要です。
そのため資材や道具の収納スペースも事前に設けなければいけません。
敷地に余裕がない場合は、庭に芝生を敷くのはデメリットといえます。
芝生以外の庭の使い方は?
芝生の庭を作るには最低でも5つの手入れが必要であり、手間をかけなければ美しい景観が保てません。
手入れの時間がとれないと感じる方は、以下で芝生以外の選択肢も紹介するので参考にしてください。
ウッドデッキ
庭にウッドデッキを設置すれば、居住スペースが増えるためセカンドリビングやアウトドアリビングとして活用できます。
手軽にバーベキューやおうちキャンプができ、ソファを置けば風を感じながら有意義な時間が過ごせます。
中庭
中庭にすれば周囲の視線を遮られるため、子どもやペットを安心して遊ばせられます。
どの部屋からも中庭を見えるようにすれば、いつでも景観を楽しめて採光を取り入れられるメリットがあります。
シンボルツリー
庭にシンボルツリーを植えれば美しい景観を望めます。
季節によって葉の色が変化する木や実をつける木を選べば、四季を感じながら育てる楽しみも増えますよ。
テントサウナ
庭の広さを活かすなら、近年注目されているテントサウナもよいでしょう。
好きな時間に、自宅で手軽にサウナが楽しめます。
1人用の小型タイプや6〜10人用の大型タイプなどサイズもさまざま!
芝生の庭は手入れにより景観を美しくする
芝生の庭なら、美しい自然の景観が楽しめて安心安全に過ごせます。
しかし、1年を通して手入れが必須であるため、管理が大変。
もし庭を作るなら、「家族で楽しめる場所」として庭を活用すれば日常に彩りをもたらすでしょう。
これから庭づくりを計画するなら、ぜひ検討してくださいね。