出入り口のドアや間仕切り、クローゼットの扉などを「建具」と言います。
注文住宅の設計ではよく「建具」という言葉を使います。
建具にこだわると、空間の質が上がりおしゃれな住まいに。
そこでこの記事では、知っておきたい建具の魅力を詳しく紹介します。
記事の後半では、おしゃれな建具を取り入れたTIMBER YARDの事例もお見せします。
建具の種類やおしゃれに使うポイントなど、ぜひこれからの家づくりに役立ててください。
目次
建具とはドアや窓のこと
建具とは、簡単にいうと「扉」「ドア」「窓」のことです。
玄関ドア、リビングやトイレのドア、障子、襖、窓、そして収納の扉なども全て建具です。
普段の生活では建具を意識することは少ないかもしれませんが、見回してみるとあちこちに使われています。
家づくりでは、主に「外部建具」と「内部建具」があります。
外部建具:玄関ドアや窓
外部建具は、主に建物の中と外とを区切る建具です。
玄関ドアや窓、網戸、天窓などがあります。
内部建具:室内のドアや収納扉
内部建具は、室内で使うドアや間仕切りです。
リビングや寝室の入り口ドア、トイレ・お風呂のドア、クローゼットの収納扉、押し入れの襖などが外部建具に該当します。
部屋の出入り口として使うだけでなく、用途に合わせて部屋を区切ったり内部が見えないようにしたりする役割があります。
冷暖房効率を高めるためにも使います。
開き方別の建具の特徴とは?
建具の開け閉めには、次の3つのタイプがあります。
タイプ別にメリット・デメリットがあるので、特徴を踏まえて使いやすい建具を選びましょう。
開き戸
開き戸は、ドアの片方を蝶番で固定し、蝶番を軸に弧を描いて開閉する建具です。
玄関ドア、入り口ドア、収納扉など、さまざまなところに使われており、一般的な住宅では最も多く使われるドアです。
ドア1枚分の枠の中に納まるので、コストがかからず見た目もスッキリしています。
気をつけたいのは、ドアの開閉にスペースが必要なこと。
開いたドアに、家具や別の部屋のドアがぶつからないように設計します。
引き戸
引き戸は、左右にスライドさせて開閉する建具のことです。
1枚の建具を一方にスライドさせる「片引き戸」や和室の襖のように2枚の建具を左右に動かす「引き違い戸」などがあります。
開き戸とは違って、開閉にスペースが要らず、開けたままでも使いやすいのが特徴です。
2室を1室につなげたい場合や風を通したい部分でよく使います。
デメリットは、開き戸より設置コストがかかること。
ドアを横に引き込むスペースも必要なので、引き戸を設置できない間取りもあります。
折れ戸
折れ戸は、クローゼットの扉のように扉を中折れにスライドさせて開閉する建具です。
開き戸の半分のスペースで開け閉めでき、引き戸のように開口部を大きく取れるのがメリット。
両方のいいとこ取りのようなイメージです。
ただし、ドアを開けた時に扉の厚み分のデッドスペースができてしまうため、収納内部に引き出しを設置する場合は注意が必要です。
開け閉めにコツがいるため、小さな子供には扱いにくいことも知っておきたいですね。
建具は既製品と造作のどちらにする?
さまざまな種類がある建具ですが、既製品から選ぶだけでなく、オリジナルで作る「造作建具」を使うこともあります。
既製品建具の特徴
一般的な住宅で使われるのは、建具メーカーが製造販売している「既製品建具」です。
さまざまな素材、色、デザイン、サイズなど、豊富なラインナップから選べるのが特徴。
オリジナルで作る造作建具と比較すると、安価に導入できます。
一方で、細かなサイズ指定や素材選びはできません。
例えばオーダーメイドキッチンと素材を揃えたい、自宅の寸法にぴったりと合わせたいという場合には向いていないでしょう。
造作建具の特徴
サイズや色、素材、扉の持ち手なども自由にデザインできるのが「造作建具」です。
設計者がデザインを起こして素材を決め、大工さんや家具屋さんにつくってもらいます。
既製品に比べてコストはかかりますが、自由度が高く、インテリアとの統一感をはかれるのも魅力です。
全ての建具を造作にするとコストがかかりすぎることもあるため、アクセントとなる建具や既製品ではいいものがないケースで造作建具を採用します。
インテリアの質が上がる、建具使いのアイデア
TIMBER YARDで手がけた住宅では、空間に合わせてさまざまな建具を使い分けています。
細かなところまでこだわることで、インテリアの質は上がります。
ここでは、建具選びの参考になるアイデアを集めてご紹介します。
明るさと抜け感をもたらす「ガラス戸」
TIMBER YARDでは、玄関や廊下を明るくしたい時や、リビングをより広く見せたい時に、ガラスの建具を採用しています。
こちらの事例では、リビングと玄関ホールの間を仕切る建具にガラス戸を選びました。
リビングが広く感じられ、閉鎖的になりがちな玄関ホールも開放感あふれる気持ちのいい空間になっています。
温かみのある「木製扉」
シンプルなインテリアに温かみをプラスしてくれるのが、木製の建具です。
こちらのダイニングキッチンでは、入り口ドアに木目を生かしたタイプを採用。
機能的なステンレスのオーダーキッチンは、冷たく感じてしまうこともありますが、木製建具を入れたことで程よい温かみが生まれています。
木を効果的に使った北欧デザインの家具や照明器具とも好相性です。
ドアを壁と一体化させる「色選び」
あえて建具の存在感を消し、壁や天井との一体感を優先するケースもあります。
こちらの事例では、リビングの一部に小上がりの和室を計画。
収納の扉はあえて壁と同色の白一色で仕上げています。
小さな持ち手を選び、壁と一体化させるデザインを提案。
和の要素が目立ちすぎず、リビング全体の雰囲気の違和感なく馴染んでいます。
光を柔らかく通す「障子」
和室に欠かせないのが「障子」です。
柔らかく光を通し、開け閉めで光の量を調整しやすい障子は、和室には欠かせない建具です。
TIMBER YARDで提案するのは、モダンなインテリアにも合うシンプルな和室です。
そのため、障子の細い桟の比率を計算し、おしゃれな和モダンなデザインになるよう設計しています。
キッチンと収納を一体的にデザインする「素材使い」
TIMBER YARDでは、多くの事例でオーダーキッチンを採用しています。
その理由の一つが、高いデザイン性。
オーダーキッチンでは、収納建具の素材も自由に選ぶことができます。
こちらの事例のように、キッチンとキッチンの後ろにある収納扉の素材を揃えると、キッチンが一つの家具のような仕上がりに。
統一感のある上質なインテリアが実現します。
建具を上手に選んでおしゃれなインテリアを計画しよう
室内を区切るドアや収納の扉、窓など、建具は住まいのあちこちで使われています。
枠の色や素材などコーディネート次第で、インテリアの印象を大きく影響するのが「建具」です。
TIMBER YARDはドアや装飾などもこだわって設計しています。
細部までこだわった注文住宅を建てたい方は、ぜひ気軽に相談してください。
家を出入りする時や光や風を通すために使うので、開け閉めしやすいものがいいですが、防犯、雨風や外気温から家を守るといった役割もあるので、頑丈さも求められます。