「SE構法を建築できるハウスメーカーや工務店ってどこにあるの?」
「大手のハウスメーカーはSE構法を取り扱っているの?」
SE構法は木造住宅の中でも、比較的新しい特殊な構法です。
一般的な在来工法とは異なるため、木造住宅を請け負う会社ならどこでもできる、といった建て方ではありません。
SE構法で建てられる会社は、どのように探せばいいのでしょうか。
また、大手ハウスメーカーでも木造ラーメン構法による建築方法を広告していますが、SE構法とはこれらとも異なります。
この記事では、大手ハウスメーカーが扱う木造ラーメン構法との違いやSE構法を取り扱う工務店の探し方、さらに工務店を選ぶポイントを解説していきます。
目次
ハウスメーカーの木造ラーメン構法とSE構法の違い
大手ハウスメーカーで、木造ラーメン構法を取り扱っている代表的なものは、住友林業の「ビックフレーム(BF)構法」と積水ハウスの「シャーウッド工法」でしょう。
「BF構法」とは、木造ラーメン構法を基本としながらも、接合部はメーカーオリジナルの金具を使用し、柱や梁サイズの太くすることで耐震性を高めています。
積水ハウスが展開する木造住宅の「シャーウッド工法」は、木造ラーメン構法に周りを面で囲う「モノコック工法」を組み合わせたハイブリッド型の工法です。
SE構法が大きく異なる点は、「オープン工法」だということです。
大手メーカーは他の工法でも住宅を建築しており「BF構法」や「シャーウッド工法」の家は、メーカーにとって取り扱っているブランドのひとつに過ぎません。
SE構法の技術は、全国で建てられている木造ラーメン構法の中でも、もっとも広く取り扱われています。
SE構法では木造ラーメン構法と、適切な場所に耐力壁を使うことで、耐震性を確保する構造に特徴があります。
SE構法登録施工店とは
SE構法は「SE構法登録施工店」だけが取り扱える「オープン工法」です。
「SE構法登録施工店」に登録するには、SE構法を開発した株式会社エヌ・シー・エヌの資格制度をクリアする必要があります。
SE構法の基本契約締結と、各種技術研修を受講し試験に合格したSE構法施工管理技士を1名以上在籍させることが条件です。
SE構法の特徴
ここでは、SE構法が選ばれる理由を、SE構法の特徴から紐解いていきます。
地震倒壊0の高い耐震性
SE構法の大きな特徴は、高い耐震性です。
木造建築でありながらラーメン構法を採用し、柱と梁をつなぐ部分にはSE金物とSボルトという特殊な金具を使います。
これにより在来工法よりも強く接合し、柱と梁を一体化させることで建物の「枠」をつくります。
これにより接合部分で地震の揺れを吸収できるようになるため、倒壊しづらい建物を建てられるでしょう。
また、構造計算を駆使して適切な場所に耐力壁を配置し、さらに耐震性を高めます。
そのためSE構法で建てられた家は、新潟中越地震・東日本大震災・熊本地震でも1棟の倒壊もないという実績を持っています。
自由度の高い設計
SE構法は高い耐震性能を持ちながら、柱や壁の位置を選べる「スケルトン&インフィル」の設計手法を採用しています。
これは建物の「枠」の内部を自由に設計できる手法です。
SE構法では1棟1棟それぞれの住宅で構造計算するため、広々としたリビング空間や壁面大開口の窓、大胆な吹き抜けなど、住む人のこだわりに合わせた自由な設計を可能にします。
SE住宅性能保証
SE構法は全棟に「SE住宅性能保証書」が発行されるのが特徴です。
基礎や構造躯体と、それを構成する金物が原因で住宅に損傷が生じた場合、SE構法登録施工店を通じて保証されます。
完成引き渡しから10年間は無償保証となり、10年経過後に指定された検査・メンテナンスを実施すると、さらに10年間の保証が延長されます。
工務店を選ぶポイント
全国に多くのSE構法登録施工店がありますが、その中からどのような基準で工務店を選べばよいのでしょうか。
ここからは、工務店を選ぶポイントを解説します。
SE構法登録施工店か
SE構法で家を建てるなら、SE構法登録施工店を調べましょう。
「重量木骨の家プレミアムパートナー工務店検索(※1)」または「耐震構法SE構法の登録施工店検索(※2)」から検索しましょう。
「重量木骨の家プレミアムパートナー」はSE構法登録施工店約600店の中でも、選抜された優良工務店約70社が登録しています。
工務店と建設地が近いか
施工する工務店は、可能な限り建設予定地と近い方が良いでしょう。
工務店と建設地が近いと、現場の管理が行いやすい、管理コストが抑えられる、トラブルに対処しやすいというメリットがあります。
さらに施工後のメンテナンスや、将来的なリフォーム、万一の修繕工事なども考えると、対応がしやすい場所にある工務店が望ましいでしょう。
安定した企業か
一生に一度の家づくりをお願いした工務店が、実は経営が不安定で、工事中に倒産ともなると家も完成できなくなります。
急きょ他の工務店にお願いする場合、建築コストが増額する可能性もあるでしょう。
SE構法はSE構法登録施工店でしか施工できないため、アフターケアも含めて長期にお願いできる工務店が安心です。
工務店の経営安定度は年間工数に現れるため、依頼する前にチェックしておきましょう。
プランの提案力があるか
SE構法の木造ラーメン構法は規格化されているため、工務店ごとに違いが出やすいのは設計力です。
土地の形状やさまざまな環境の制限を踏まえたうえで、すてきなプランを提案してくれる工務店であれば、依頼したくなるでしょう。
確認する方法は「要望を聞き取る能力があるか」を最初の訪問の際に見極めましょう。
さらに自分の要望に対して、提案や意見してくれるかという点も重要です。
こだわりを実現してくれる技術力があるか
依頼したい工務店が、施主がこだわる内装や外装のデザインを、実現できる技術力を持っているかも確認しましょう。
SE構法で建てるのであれば、大空間を使ったおしゃれなリビングや見晴らしのよい大開口の窓など、ひと味違うデザインでつくりたいと思いませんか?
そのためには工務店が過去に建築した建物や、現在施行中の現場を見に行くのがおすすめです。
できれば家を建てた人に実体験を聞けると、実際の工務店の評価がわかります。
希望予算と大きくかけ離れていないか
SE構法の建築コストは、在来工法と鉄骨造のおよそ中間ほどの金額がかかります。
さらに設計したプランによっても費用は変動するでしょう。
ただし、当初に伝えた希望予算からあまりにもかけ離れていた場合、しっかりと理由を聞きましょう。
解決方法の提示の仕方で、工務店の営業姿勢がわかるでしょう。
コミュニケーションが取れるか
施工してもらう工務店選びでかなり重要になるのは、担当者との相性です。
家づくりの担当者とは、何度も細かい打ち合わせを繰り返すことになり、建築工事と完成後のメンテナンスまでと、長期にわたって付き合いが続きます。
コミュニケーションをきちんと取れる人か、親身に相談に乗ってくれるかなど、人間同士の相性は大切なポイントです。
家を建てたい地域のSE構法登録施工店を検索しよう
今回は、大手ハウスメーカーが扱う木造ラーメン構法との違いや、SE構法を取り扱う工務店の探し方、さらに工務店を選ぶポイントを解説しました。
SE構法を建てられる工務店は全国的に増えていますが、それでも在来工法などに比べると、どこでもできるわけではありません。
全国のSE構法登録施工店の中から、素敵な家を建てられる、パートナーに相応しい工務店を見つけましょう。
SE構法登録施工店の中でも「重量木骨の家プレミアムパートナー」に依頼すると、優れた提案力による、完成度の高い家づくりを実現できるでしょう。
2022年現在、全国に約600の工務店が登録されており、累計25,000棟以上の建物がSE構法で建てられています。