玄関は家のイメージを決定づける重要な場所です。
家族以外の訪問客はほとんどが玄関までしか入りません。
そのため家の印象は、玄関アプローチから玄関ドアを開けたところで決まるといっても過言ではないでしょう。
玄関の床に使われる素材は、一般的にタイルやモルタル、天然石から選択します。
その中でも玄関用タイルは種類が豊富で、さまざまな雰囲気にマッチさせることができます。
この記事では、玄関にタイルを選ぶメリット・デメリット、使われるタイルの色や大きさについて解説します。
玄関の床素材を検討するときは、機能面とデザインの参考材料にしてください。
目次
玄関をタイルにすると何が良いの?
タイルを採用した玄関は高級感や清潔感を得られ、第一印象のよい玄関をつくり出せます。
タイルは色・素材・形・敷き方のバリエーションが豊富なことから、デザインの選択肢が多いのが特徴です。
そのためモダン住宅や和風住宅、北欧インテリア、ナチュラル風スタイルなど、あらゆるタイプの家にマッチするタイルを見つけられます。
敷き方は真っ直ぐ縦横に貼っていくベーシックなものから、少しずつずらしたり、幾何学的に組み合わせるものもあり、玄関という空間でもほかの家とは違う個性を発揮できます。
玄関をタイルにするメリット
分譲新築住宅や注文住宅、高級マンションなど、多くの住宅で玄関アプローチにタイルが採用されています。
それだけデザイン面、機能面でのメリットが認知されているといえるでしょう。
ここでは玄関にタイルを採用するメリットを5つ解説します。
おしゃれなデザインがつくりやすい
玄関にタイルを敷く最大の魅力は、見た目がすっきりとおしゃれになることでしょう。
タイルは色や大きさ、柄などの種類が多種多様にあり、自分がイメージしたスタイルの玄関をつくりだすことが容易です。
ナチュラルにも、北欧風にも、純和風にも合うものが必ず見つかるため、選ぶ楽しさを味わえるでしょう。
水に強く汚れにくい
タイルは湿度やカビに強く、清潔な状態を保ちやすい素材です。
吸収性が低く汚れが付着しにくいので、ホウキでササッと履くだけでキレイになります。
目立つ汚れも水拭きで簡単に取れるため、日常的な掃除の時間を短縮できるでしょう。
夏場はドアの内側が涼しい
タイルは保温性がないため、太陽光が当たらないドアの内側では、ひんやりした状態を維持します。
夏場は玄関の空気が冷たく感じられ、見た目も硬質なタイプを採用すれば、かなり涼しく感じられるでしょう。
耐久性が高い
タイルは磁器や陶器と同じようにガラス質の釉薬をかけて高温で焼いて作られているため、長期間使ってもキズや摩耗に耐えられる製品です。
また一部が壊れても、破損したタイルのみを取り替えられるので、メンテナンスの費用が低く抑えられるのが嬉しいポイントです。
天然石に比べて安い
タイルの価格は玄関に使われる素材の中で、天然石より安くモルタルより高い、中間あたりの価格帯です。
天然石は高級素材の代表格ですが、タイルでも天然石のような風合いを持つタイプを採用すれば、天然石よりも安価に高級感を演出できます。
玄関をタイルにするデメリット
玄関にタイルを敷く5つのデメリットも紹介します。
メリットとデメリットを合わせて熟考することで、納得のいく選択ができるでしょう。
後から後悔しないようにしっかりと検討しましょう。
水に濡れると滑りやすい
玄関に使われるタイルの中でも、表面を滑りにくくする加工が施されていない素材のタイルもあります。
タイルは磁器や陶器と同じように釉薬で表面をコーティングしているため、加工しないと表面がツルツルとしています。
建材メーカーのカタログなどを十分確認して、滑りにくい種類のタイルを選び、転倒を防止しましょう。
設置費用が高額
タイルの形状や敷き方、素材、デザインによって費用が高額になる場合があります。
タイルは機能もデザインも豊富にありますが、特殊なものを選択するとその分費用がかさみます。
工期がかかる
タイルは基本的にモルタルを敷いた上に手作業で貼っていくものなので、モルタルや洗い出し仕上げで玄関をつくる場合に比べると工期がかかります。
「小さなタイルを使って特殊な模様を作る」「変わった形状のタイルを使用する」などによっても工期が長期化するため、どのくらいの工期がかかるかを事前に聞いておくとよいでしょう。
衝撃・振動に弱い
タイルという素材は磁器や陶器と同様に固く柔軟性のない素材のため、重いものを落としたり、強い衝撃を受けると割れやすいという特徴があります。
駐車場との距離や自転車置き場などにも配慮しながら、タイルの設置場所を決めるとよいでしょう。
ドアの外は夏場に高温になりやすい
タイルは熱を取り込む性質があるため、夏の太陽光の下では高温になります。
表面温度がかなり熱くなることもあり、小さな子どもやペットがいる家庭では十分注意が必要です。
タイルの種類によっては熱がこもりにくいタイプも製造されています。
玄関の位置や太陽があたる方角などに配慮しながら検討してください。
玄関タイルの色は何を選ぶべき?
選択するタイルの色や柄によって、玄関の印象はだいぶ違って見えます。
気をつけたいのは、玄関につづく廊下などの壁の色や床の色との相性です。
あまりにもチグハグな色を選んでしまうと、おしゃれな玄関は演出できません。
タイルの色は豊富にあるため、内装とのバランスにも配慮しながら色を選択しましょう。
ここでは玄関タイルの色の特徴を紹介します。
濃い色の特徴
濃いグレーや濃い茶色などのタイルは、玄関の印象を落ち着いた雰囲気にし、かっこよさや重厚感を演出できるメリットがあります。
さらに、泥水が乾いたときの汚れを目立たなくしてくれる効果もあります。
泥遊びをする小さな子どもや、農業・家庭菜園をしている家族がいる場合は、汚れが目立ちにくい濃い色のタイルをおすすめします。
白・淡い色の特徴
白やアイボリー、薄いピンクなどの淡い色のタイルは、玄関を明るく広く見せる効果があり、清潔感や高級感を演出できるでしょう。
ただし白や淡い色のタイルは、素材によって質感が違うとかなり見え方が異なります。
チープな印象にならないように、大理石のような高級感があるタイプを選ぶとよいでしょう。
また、白や淡い色のタイルは泥汚れが目立ちやすいため、こまめな掃除が必要です。
タイルの目地の色を選ぶポイント
タイルの目地のサイズはタイルの大きさによって決まりますが、おおむね3mm〜8mm程度で、色は白とグレーのどちらかを選びます。
淡い色のタイルの場合は白、暗い色のタイルではグレーにするのが一般的です。
目地は汚れがつきやすいため、特に淡い色と白の目地の組み合わせは、塗料・オイル・ホコリなどの汚れにも気をつけましょう。
タイルの大きさ
玄関タイルの大きさは、10cm・15cm・20cm・30cmの正方形が主流ですが、30×60cmの長方形もあります。
小さいサイズを選択すると足元が滑りにくくなりますが、目地が多くなるため汚れが目立ちやすくなります。
大きいサイズは価格も高く、見た目にも高級感が出ますが、狭い玄関では半端なスペースが生じやすいでしょう。
大きさや色を変えて幾何学模様のように敷く方法もあり、ほかにはない個性的な玄関づくりも可能です。
タイルを賢く選択しておしゃれな玄関に!
この記事では、玄関にタイルを選ぶメリット・デメリット、使われるタイルの色や大きさについて詳しく解説しました。
タイルは色も形状も機能もさまざまな種類があり、選ぶタイプによってほかにはないこだわりの玄関をつくり出せます。
最近は大きめのサイズのタイルが人気で、メーカーからも幅広い価格帯で提供されているため、自分のスタイルにあったものを探せるでしょう。
家の顔にあたるのが玄関なので、お気に入りのタイルを選んで素敵に演出してみてはいかがでしょうか。
玄関だけではなく、内装・外壁のデザインや価格帯などもふまえて、優先順位を考えながら選択することをおすすめします。