家作りで知っておきたい!土間コンクリートの用途や施工の流れと基礎知識

    駐車場などでよく用いられる舗装の一つに「土間コンクリート」があります。

    土間コンクリートは耐久性に優れた人気の舗装であり、家を建てるときやリフォームのタイミングなどで土間コンクリートの施工を検討する人も多いでしょう。

    この記事では、土間コンクリートの主な用途や施工の流れなどの基礎知識を解説していきます。

    実際の施工は業者に頼むケースがほとんどですが、不要なトラブルを避けるためにも土間コンクリートに関する最低限の知識を身に付けておきましょう。

    土間コンクリートとは?

    土間コンクリートとは、砂利や砕石を地面に敷き込みローラーなどで締め固めて、その上に生コンクリートを流し込んで作る床のことです。

    土間コンクリートは床表面をフラットにできる特徴があり、車や自転車などを移動しやすくなることから、駐車場・駐輪場でよく用いられています。

    まずは、この土間コンクリートの構造や工事費用について詳しくみていきましょう。

    土間コンクリートの構造と厚さ

    土間コンクリートの構造断面図
    土間コンクリートの構造断面図

    上の画像のとおり、土間コンクリートは「地面・砕石層・コンクリート層」の3層構造となっています。

    重量に耐えられる強度を付けるために、コンクリート層には「ワイヤーメッシュ筋」などの鉄筋を入れるケースもあります。

    COVA

    厚さについては、砕石層が10cm・コンクリート厚が10cmの計20cmが一般的です。

    土間コンクリート工事の費用単価の相場

    土間コンクリート工事にかかる費用については、「1平米あたり8,000〜18,000円」の範囲が相場です。

    この金額は施工する面積や使用する材料、施工業者によって大きく変動します。

    基本的には施工面積が広くなるほど全体の費用は上がりますが、1平米あたりの単価は下がっていくと考えておきましょう。

    土間コンクリート工事施工から仕上げまでの期間

    玄関

    土間コンクリート工事は施工すればすぐに完成するわけではなく、まずは「養生期間」が3~10日程度必要です。

    養生期間とはコンクリートを乾かすために雨風から守る期間のことで、この期間中はコンクリート上にシートを掛けたり、必要に応じて水をかけてコンクリートの亀裂を防いだりします。

    その後、コンクリートが完全に固まるまでは1ヵ月ほどの期間がかかります。

    コンクリートが固まる日数は季節や天候によって大きく変動しますので、上記はあくまで目安として覚えておきましょう。

    よく聞かれる土間コンクリートの疑問

    続いて、土間コンクリートについてよくある疑問とその回答を紹介していきます。

    コンクリートとアスファルトの違いとは?

    「コンクリートとアスファルトの違いがよくわからない」という人も多いでしょう。

    2つの違いを簡単に説明すると、

    • コンクリート
      「砂利・砂・セメント・水」などを練り混ぜて作るもの
    • アスファルト
      「砂利・砂・瀝青材料(れきせいざいりょう)」などを練り混ぜて作るもの

    そのほか「コンクリートは水を通さないが、アスファルトは排水性がある」「コンクリートは固まるまでに1ヵ月ほどかかるが、アスファルトは数時間で固まる」などの違いもあります。

    土間コンクリートの目地って何?なぜ必要?

    土間コンクリートの目地

    土間コンクリートの「目地(めじ)」とは、コンクリートのひび割れ対策のために設ける隙間のことをいいます。

    コンクリートは耐久性に優れる反面、気温の変化によって膨張・伸縮を繰り返す特性があり、体積変化によってひび割れを起こしやすいデメリットがあるのです。

    そうしたひび割れを防ぐために、土間コンクリートには適度な間隔で目地を入れるのが一般的です。

    よく見かける土間コンクリートのひび割れの原因は?

    土間コンクリートのひび

    前述のとおり、コンクリート自体の持つ膨張・伸縮を繰り返す性質がひび割れの代表的な原因といえるでしょう。

    それ以外には「地盤沈下」によってひび割れが発生するケースが考えられます。

    柔らかい地盤の上にコンクリート舗装を行うと、コンクリートの重みによって地盤沈下が起こりひび割れにつながってしまうのです。

    そのため地盤調査も非常に重要な工程ですが、質の悪い業者では手抜き工事をされてしまう可能性もあります。

    あまりにも安すぎる業者は選ばないように気をつけましょう。

    土間コンクリートDIYって可能?

    土間コンクリートのDIY、つまり「自分自身で土間コンクリートを施工したい」と考える人もいるでしょう。

    「土間コンクリートのDIYは可能かどうか」という点でいえば「可能」です。

    しかし初心者の人が施工するにはあまりに労力がかかる作業であり、そのハードルも高いといえます。

    そもそも土間コンクリートを施工するには、生コン工場から生コンクリートを仕入れなければいけませんが、個人への販売は行っていないケースも少なくありません。

    COVA

    施工にかかる手間や失敗するリスクなどを考えると、DIYではなく専門業者に頼むほうが確実でしょう。

    土間コンクリートはどんなところで使われている?

    次に、土間コンクリートはどんなところで使われているのかをみていきましょう。

    駐車場・駐輪場

    土間コンクリートの駐車場

    土間コンクリートが使われる代表的な場所が駐車場や駐輪場、ガソリンスタンドです。

    耐久性に優れ、床をフラットにできるメリットから、土間コンクリートを用いることで車や自転車などのスムーズな出入りを可能にします。

    玄関アプローチや勝手口周り

    土間コンクリートの玄関アプローチ

    駐車場以外にも、玄関アプローチや勝手口周りにも土間コンクリートはよく使われています。

    土間コンクリートを使うことで、雨の日に土を踏んで靴やズボンが汚れてしまうのを防げます。

    また高齢のご家族がいる場合の移動もスムーズになるでしょう。

    庭周り

    庭に生える雑草対策として、庭周りに土間コンクリート施工を行うケースもあります。

    ただコンクリートで舗装して殺風景に仕上げるのではなく、自然石やタイルを貼ったり、目地に植物やレンガを入れたりなど、好みに合わせてさまざまなアイテムで飾るとよいでしょう。

    土間コンクリートの施工〜仕上げの流れ

    ここでは、土間コンクリートの施工から仕上げまでにはどんな工程があるのかを簡単に紹介します。

    土を掘削・残土処分

    まずはコンクリートの施工場所をショベルカーやスコップなどで掘削します。

    草木が生えている場合は、それも木の幹からきれいに取り除かなければいけません。

    掘った土や草木は、地域指定の処分場に適切に廃棄します。

    砕石を敷き詰めてから固める

    削作業が完了したあとは、コンクリートの施工場所全体に砕石(細かく砕いた石)を敷いていきます。

    砕石は駐車スペース1台分に対して「2トントラックおよそ1.5台分」が必要です。

    砕石をならしていく作業は、「レーキ」と呼ばれる整地道具を用いて手作業で行います。

    砕石をならし終わったら、「転圧機」と呼ばれる機械を用いて砕石を押し固めます。

    型枠を設置する

    続いて施工する形状の型枠を設置します。

    型枠には「コンパネ」と呼ばれる板を使うのが一般的です。

    曲線状に施工する場合は、「曲げコンパネ」などと呼ばれるより柔らかいコンパネを使用することもあります。

    鉄筋(ワイヤーメッシュ)を設置する

    型枠の設置が終わったら、鉄筋(ワイヤーメッシュ)を設置します。

    これはコンクリートの強度を上げるのが目的です。

    コンクリート層に鉄筋を入れて十分な強度を出すことにより、自動車などの重さにも耐えられるようになります。

    コンクリートの打設

    コンクリート打設の様子

    続いてコンクリートの打設を行います。

    打設とは、設置した型枠のなかに生コンクリートを流し込む作業のことです。

    生コンクリートは時間経過とともにどんどん固まっていくため、打設作業は迅速かつ正確に行わなければいけません。

    表面を仕上げる

    コンクリートの仕上げ

    最後、「刷毛(はけ)引き仕上げ」などを行い表面を整えていきます。

    刷毛引き仕上げとは、コンクリート表面にホウキで掃いたような刷毛目(はけめ)をつける仕上げ方法で、表面をわざとザラザラにすることで雨や雪の日に滑りやすくなるのを防ぎます。

    COVA

    コンクリート表面は打設後1~3日で固まりますが、コンクリート全体が完全に固まるまでには1か月ほどの期間が必要です。

    土間コンクリートは専門業者に頼もう!

    土間コンクリートの玄関

    今回は土間コンクリートの基礎知識やポイント、施工の流れについて紹介しました。

    記事内でも説明したとおり、土間コンクリートはDIYよりも専門業者に頼むほうが失敗のリスクは少ないでしょう。

    業者によって費用やサポート内容は大きく異なりますので、業者選びは慎重に行っていきましょう。