天窓は通常の窓よりも採光効率が良く、自然の光で部屋を均等に照らしてくれる便利なアイテムです。
高いところに設置するためメンテナンスが難しいというデメリットはありますが、上手に活用すれば温もり溢れる空間を演出することが可能です。
今回は天窓を設置するメリットや、合わせて付けたい日差し避けの紹介、デメリットの解消方法などについて詳しく解説します。
目次
「天窓」をつけるメリットって?
天窓(トップライト)とは、文字通り天井部分に付ける窓のことです。
屋根部分から真下に取り付けるタイプや、勾配天井の斜め位置に取り付けるタイプ、壁の高い位置につける高窓(ハイサイドライト)など、豊富な種類と派生系があります。
では実際に天窓を設置すると、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
今回は6つのメリットにまとめて紹介していきます。
採光:家の中に光を取り入れられる
天井部分に設置する天窓は、通常の窓と比べて約3倍近くも採光効率が良いです。
少ない設置面積で効率よく光を取り込むことができ、蛍光灯では届きにくい部屋の隅々まで均等に照らしてくれるのがメリットです。
自然光は蛍光灯よりもナチュラルな明かりを確保できるので、日中はかなり過ごしやすくなるでしょう。
日差しが厳しい時期は暑くなりすぎる可能性があるので、日差しが安定して降り注ぐ北側に設置するのがおすすめです。
開閉式なら風通しや換気もできる
天窓には、採光のみを目的に作られた「固定式」と、換気もできる「開閉式」の2種類のタイプがあります。
開閉式のタイプを設置すれば、家中に新鮮な空気を送り込むことが可能に。
天窓の通気性能は通常の窓よりもかなり高く、下から上に向かって風が抜ける立体的な空気の通り道を作ることができます。
住宅密集地や狭小住宅など、窓が設置しにくい場所でも積極的に空気の入れ替えをできるのが魅力です。
省エネ:光熱費の節約にもなる
天窓から自然光が降り注ぐ日中は、電気を付ける必要がないほど部屋が明るくなります。
電気の総使用量を抑えることができるので、光熱費の節約に効果的です。
こまめに換気をすれば除湿・排熱効率が高くなるので、エアコンなしでも快適に過ごせる日が多いです。
プライバシー:外からの視線が気にならない
通常の窓を使うときに気になるのが人の目。
天窓は外から見えない位置に窓を付けるので、プライバシーを守りつつ、効率良く採光・換気をすることができます。
人通りに面した部屋が多い立地や、近隣の住宅と近い位置に部屋がある場合は、天窓主体の家を作ることで多くのデメリットを解消できます。
眺め:青空や星空など景色を楽しめる
天窓から降り注ぐ自然光は、蛍光灯では演出できない独特の雰囲気や景色を見せてくれます。
早朝に差し込む朝日や、夕焼けと影が合わさってできるロマンチックな光景、夜は星空を見ながら眠りにつく…などなど、天候や時期に応じて外の景色を存分に味わえるのが魅力!
カーテンやブラインドなどの日差し避けと組み合わせれば光量の調節も可能です。
防犯:侵入の可能性が低い
高い位置にある天窓は、防犯・セキュリティー面でも優れています。
通常の窓は2〜3階部分でも空き巣の標的になることがありますが、天窓は外の足場がほとんど存在しないので進入が困難。
自動で開閉できるタイプや頑丈な素材を使用したタイプなど種類も豊富なので、侵入リスクを大幅に下げることができます。
天窓の日差し避け!タイプ別それぞれの特徴
天窓は光量の調節がしにくいので、地域・天候・季節によっては日差しが厳しくなりがち。
生活スタイルに合った日差し避けをセットで設置することによって、快適な過ごしを実現できるのです。
ここからは天窓と相性の良い日差し避けをタイプ別に紹介します。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを知っておきましょう。
カーテン
天窓におけるカーテンは通常とは少し仕様が異なり、天井付近に布を吊るすタイプが主流です。
強い日差しを緩和できるほか、冬は断熱・保温効果も発揮します。
紐で巻き上げるタイプや自動で開閉するものなど、開閉タイプや素材の種類が豊富に揃っているのが特徴。
垂れ幕のような見た目にもできるので、幻想的な雰囲気を演出したい人におすすめです。
ブラインド
ブラインドの最大のメリットは、羽の位置で光量を調節できること。
カーテンと同様に色や素材、木の厚さなど種類が豊富なので、部屋のインテリアに合わせやすいのも魅力です。
一般的な手動タイプのほか、リコモンで操作可能な自動式もあります。
ほかの日差し避けと比べて保温性能が低いのがデメリットです。
ロールスクリーン
軽くて設置しやすいロールスクリーンは、取り回しの良さが魅力の日差し避けです。
光量調節はできませんが、簡単な操作で強い日差しや紫外線をシャットアウトすることが可能。
素材の厚さによって保温性能と遮光率が変わるので、生活環境に応じてタイプを選択するのが良いでしょう。
ハニカムシェード
ハニカムシェードとは、蜂の巣のような形状をした新しいタイプの日差し避けのこと。
ロールスクリーンと似たような素材感と雰囲気を持ち合わせています。
独自の構造は断熱性能に優れており、夏場は涼しく、冬は暖かく温度を保ってくれるのが特徴です。
比較的新しい素材なので、設置タイプや種類が少ないのがデメリットです。
天窓でよくある3つの困りごとを解決!
非常に便利な天窓ですが、「メンテナンスをしにくい」という最大の弱点を持っています。
ここから先は天窓を設置してからよく発生する3つの困りごとと、それぞれの解決方法を紹介していきます。
雨漏り
天窓は屋根部分に直接窓を設置するので、通常の屋根材よりも雨漏りしやすい構造になってしまいます。
水漏れに強い素材などもありますが、経年劣化で雨漏りする可能性は十分にあります。
もし雨漏りしてしまった場合は、設置を担当した施工業者に連絡して修理してもらうのが一番の解決策!
ほとんどの場合は、シリコンの打ち直し修理(コーキング補修)を行えば改善されるケースが多いです。
そのほか、定期的な掃除やメンテナンスを怠らないように気を付けましょう。
結露
外と室内の温度に差がつきやすい天窓は、頻繁に結露が発生しやすいです。
結露を放っておくとカビや汚れの原因になってしまうので、特に冬場は念入りに掃除をする必要があります。
二重ガラス構造の天窓を採用すると、結露を大幅に防ぐことができるのでおすすめです。
特殊な加工で水の付着を防ぐものや、遮熱・断熱性能に優れた素材など、選べるタイプは多種多様。
結露の発生頻度は地域の気候に左右されるので、環境に合わせて素材や掃除方法を考えるのが得策です。
掃除
天窓の品質を劣化させる大きな原因の一つが掃除不足です。
室内用の脚立を準備して、定期的に掃除をする習慣を身に付けておきましょう。
高所の掃除はある程度の危険が伴うため、無理そうな場合は清掃業者に委託してしまうのも一つの手。
その場合、掃除の頻度や通年でかかる費用などを細かく計算しておくことが大切です。
一般的に固定タイプは清掃代が安く済み、開閉式のタイプは掃除・メンテナンスに手間と費用がかかることを覚えておきましょう。
メンテナンスを忘れずに!天窓で快適な暮らしを
今回は天窓の特徴・魅力・メンテナンス方法について解説しました。
一般住宅では敷居が高いと思われがちな天窓ですが、きちんと特性を理解して導入すれば、効率的に部屋を照らせる便利な採光アイテムとして役立ちます。
性能や価格帯など種類も豊富なので、興味がある人はぜひお気に入りの天窓を探してみましょう!