電気代節約や環境にも良い「省エネ」を無理のない方法でやってみよう

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    毎日使う電気、ガス、水道に始まり、移動や通信、食料や衣服に至るまで、私たちの生活はエネルギーなしでは成り立ちません。

    快適な生活のためにエネルギーは必要不可欠ですが、一方で、エネルギー消費によって引き起こる地球温暖化、環境破壊といった変化も無視することはできません。
    エネルギーを無駄に使わないようにする省エネルギーは、今や全世界の課題です。

    こちらでは、「省エネ」とも呼ばれる省エネルギーの最近の事情や、毎日の生活でできる省エネルギーの方法を紹介します。家の新築やリフォーム、家電を買う時のお役立ち情報もあります。

    知っておきたい!省エネの基本知識

    限りある天然資源の消費を抑えて、エネルギーを無駄に使わないようにする「省エネ」は、関係団体やマスコミの働きかけもあり、日常生活の中で意識されるようになっています。

    各国で温暖化ガス排出削減の目標がかかげられ、日本でも様々な省エネ対策が取られてきました。

    国土交通省では、省エネ性能の基準を満たした新築やリフォームに対して商品などに交換できるポイント制度を設けてきましたが、現在は終了し、より効果のある省エネ対策が模索されています。

    試行錯誤で進む日本の現状を見てみましょう。

    なぜ省エネが重要視されるの?

    私たちが使うエネルギーの多くは、石炭や石油、天然ガスといった化石燃料の燃焼から得ています。これらの燃料は天然資源であり、その量には限りがあります。

    一方で、エネルギーの大量消費は、気候変動や生態系に悪影響を及ぼす地球温暖化につながっていると考えられます。これらの天然資源を大切に使い、地球温暖化も防ぐために、省エネが重要視されています。

    日本では、製造業などでのエネルギー消費は減少傾向にあるものの、”家庭では過去約45年で2倍に増加”。

    このまま化石燃料の消費を続け、地球温暖化を放置していれば、私たちの食や居住環境に大きな影響が出ると予測されるだけに、ひとりひとりが意識して省エネを進める必要があるのです。

    省エネ法とは

    「省エネ法」とは、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の略で、1970年代に起こった石油危機をきっかけに、1979年に制定されたのが始まりです。
    その後、時代の変化と共に改正が行われて現在に至っています。

    省エネ法での「エネルギー」とは、石油、ガソリン、天然ガス、蒸気、温水、冷水、電気などのことで、風力や太陽光、廃棄物からのエネルギー以外を指します。

    規制する分野は製造業、運輸、小売業と幅広く、消費者には自動車や家電製品の消費効率を表示するなどして、省エネの努力を促しています。

    一軒家を建てる際は省エネ法に関わる届け出は必要?

    近年、建築物で消費されるエネルギーの増加が注目されており、建築物でのエネルギー性能を高めるために「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」が制定されました。

    この法律で、一軒家の新築や改修に関係する点はふたつあります。

    ひとつは、建築士から建築主へ省エネ性能の説明を義務化して、省エネ基準を上回る誘導基準に達した建物には、容積率緩和などの特例が適用されることです。特例が受けられるのは着工前で、必要書類を所轄官庁に提出する必要があります。

    もうひとつの点は、省エネ基準の適合認定を受けると、第三者認証ラベルの適合認定マーク「BELS(ベルス)」が受けられることです。建売住宅の購入基準にもなります。

    ただし、これらの法律は、自治体によって細かく基準が定められている場合もあるので、詳しいことは業者に確認すると確実です。

    ちょっとした意識でできる!
    省エネ方法

    これまで見てきたように、地球温暖化を抑えるためには、ひとりひとりの省エネ対策が欠かせません。

    毎日使う家電の省エネを心がければ、電気代やガス代の軽減にもつながり、一石二鳥!ちょっと意識することで、省エネは意外と簡単にできるものです。

    例えば、使わない時もコンセントにさしてあるだけで、家庭の約5%の電力消費につながると言われます。使わない時はコンセントを抜くことも省エネに。

    こちらでは、家電の種類によって異なる省エネ方法を見ていきましょう。

    エアコンでできる省エネ

    エアコンの温度を変えている様子

    エアコンでは、冷房の設定温度を1度上げ、暖房で1度下げると約10%の節電ができると言われます。

    推奨される冷房温度は28度、暖房では20度。
    ドアや窓の開閉は少なくするように心がけ、エアコンは弱に設定するよりも”自動運転にすると消費を抑えられます”。オンとオフを繰り返すより風量調節が節電に効果的。

    また、エアコンの省エネにはカーテンやすだれも有効です。
    冷房では日差しをカットし、暖房では床まで届く厚手のカーテンを使うことで暖かい空気を外に逃さないようにします。

    扇風機も使えば空気が循環され、エアコンの効率が上がります。
    室外機は、夏は風通しをよくして熱を持たせないように、冬は室外機周辺に熱がたまるように工夫します。

    また、住宅の省エネをさらに推進したい場合、全館空調にしてしまうのもおすすめです。居住エリア全域の温度を一括管理してくれるので、快適な居住空間と省エネを両立することが可能になります。

    冷蔵庫の使い方次第で省エネ

    冷蔵庫の扉が開いている様子
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    冷蔵庫は、家庭で電気の年間消費量が最も高い家電のひとつです。

    エアコン同様、冷蔵庫も温度の調節が節電につながります。
    室温に合わせて強度を調節し、熱いものは冷ましてから入れるのが鉄則。熱いまま入れると他の食材にも影響を与えかねません。

    こまめな整理を心がけ、冷蔵庫の奥に眠る賞味期限切れの食材や常温保存できるものは外に出しましょう。ものを詰めすぎず、無駄な開閉も避け、ドアのパッキンはきれいに保ち、ゆるんできたら交換を。

    壁と適切な距離を保つことも節電になります。

    使わないときは消す習慣を!テレビやパソコンで省エネ

    パソコンの置かれた薄暗いデスク
    Photo by Clay Banks on Unsplash

    テレビやパソコンは、気づくと1日に何時間もついていることもあります。使わない時は主電源をオフにすることが予想以上の節電に。

    テレビ画面は、明るさ調節の前にまず掃除を。汚れやすいので1週間に1回を目安に掃除しましょう。省エネモードがあれば、ぜひ活用を。

    パソコンでも省エネモードを活用し、少しの間席を外す時は、モニタの電源オフではなく、システムスタンバイを選びましょう。

    照明・電球を見直して省エネ

    ペンダントライト

    電球は、白熱電球から電球型蛍光ランプ、電球型LEDランプの順に省エネ性能が上がり、寿命も性能に比例して長くなると言われます。

    最近では人感センサーや明暗センサーのある照明器具もあるので、玄関やお風呂場などで使い分けると良いでしょう。リモコンなどで調整できる照明は、使わない時に主電源を消すのを忘れずに。

    照明器具は、空間に合わせて選び、全体的に照らすシーリングライトと一部を照らすフットライトなどを使い分けましょう。

    また、忘れがちなのが照明器具の掃除です。食堂や台所など汚れやすい場所で頻繁に掃除すれば、明るさを保てます。

    その他の家電でもたくさんできる!

    IHに置かれたやかん

    上にご紹介した家電だけでなく、他にも家にある家電で簡単に節約ができます。

    例えばガスコンロ。
    鍋やヤカンは底が平たいものを、炎が鍋底からはみ出さないように調節します。

    掃除機は、部屋を片付けてからスイッチを入れると利用時間の短縮に。パック式はゴミがいっぱいになったら取り替えましょう。

    洗濯機は、お風呂の残り湯を使うようにして、洗剤は適量を。まとめ洗いを心がけ、すすぎは「注水すすぎ」ではなく「ためすすぎ」をしましょう。

    省エネ家電を使用するのもひとつの手!

    家電の省エネ性能は驚くほど進歩しています。
    10年前と比べると、冷蔵庫やテレビは40%以上の省エネが実現できるとか。

    基準となるのは、国が定める省エネ性能の目標基準を満たした機器が表示する「省エネルギーラベル」で、対象の機器は、電球からテレビ、電子レンジ、エアコン、ストーブ、冷蔵庫、車にいたるまで、多岐に渡っています。

    新しく機器を買う時の基準となるでしょう。

    省エネで節約そして環境に優しい暮らしを

    森の中を親子が歩いている様子
    Photo by Dmitry Gladkikh on Unsplash

    省エネは、こちらで紹介した方法以外にも、家族で同じ時間に食べたり、お風呂に続けて入ることで食事や水の温め直しをなくしたり、色々な工夫で実現できるものです。

    肝心なのは、それぞれの機器などの特徴に合った省エネをすること、そして我慢して省エネを実現させようとしないことです。

    こちらで紹介した省エネ方法から、自分で無理なく実現できる方法を見つけて始めてみましょう。毎日意識しながら習慣づけていくことで、きっと無理なく続けることができます。