外からの視線や光を遮るためのカーテン。
カーテンと一口にいってもその種類はさまざまです。使われる素材や構造によって、機能性も大きく異なります。
そのため「どんなカーテンを選べば良いの?」「部屋に合うカーテンはどれ?」と悩んでしまう人も多いはず。
この記事では、カーテンの主な種類・特徴を解説するとともに、カーテンを選ぶときのポイントも紹介します。
この記事を読んで、自分の家にぴったりなカーテンを探してみましょう。
ウィンドウトリートメントとは
カーテンの特徴や種類について詳しく学ぶ前に、「ウィンドウトリートメント」の意味を知っておきましょう。
ウィンドウトリートメントとは、カーテン・ロールスクリーン・ブラインドなど、窓周りに設置する家具装飾の総称のこと。
窓の外側・内側を美しく装飾するのはもちろん、明るさ調節や防音対策、断熱、プライバシー保護など、機能面においてもさまざまな役割を担っています。
代表的な開閉スタイルは3種類
ウィンドウトリートメントの種類は、開閉スタイルに3つに分類できます。
- 左右開閉タイプ
最も代表的なカーテン - 上下開閉タイプ
ロールスクリーンやブラインド - 装飾目的タイプ
開閉を行わずインテリアの一種として扱うもの
それぞれの違いを理解しておくことで、ウィンドウトリートメント選びをスムーズに進められるようになります。
代表的なウィンドウトリートメントの種類と特徴
まずは、日本の住宅において代表的なウィンドウトリートメントの種類を紹介します。
ドレープカーテン
「ドレープカーテン」とは、厚手の生地で仕立てられているカーテンのこと。
多くの人がカーテンといえば思い浮かべる種類でしょう。
表面は波打ってヒダがある形が多いですが、ヒダがないストレート仕様のドレープカーテンなどもあります。
生地が厚いため、保温性や遮光性、防音性などの機能性に優れているのが特徴です。
生地や柄、色も豊富で自分の好みや部屋の雰囲気に合わせて選びやすいことから、幅広い人に好まれています。
レースカーテン
「レースカーテン」とは、透けるような薄い生地で仕立てられているカーテンのことです。
外からの日の光を優しく室内に取り入れます。
さらに嬉しい目隠し効果もあるため、昼間はレースカーテンを閉めて、夜にはドレープカーテンを閉める人も多いでしょう。
最近では、燃えにくい性質を持つ防炎機能付きや、花粉をキャッチしてくれるレースカーテンも登場しています。
室内環境をより快適に向上させたい人は、レースカーテンにもこだわってみてください。
ロールスクリーン
「ロールスクリーン」は、プロジェクターなどでよく使用される光沢感のないスクリーン生地を使用して仕立てられているカーテンの一種です。
上部についている昇降機(布を巻き取る器具)を使って、スクリーン生地をクルクルと上下させて開閉します。
フラットな見た目でスッキリした印象になるため、リビング以外にも和室や小窓などでも活躍します。
ただし、ロールスクリーンはドレープカーテンよりも生地の種類が少ない点がデメリットです。
さらに、生地を巻き上げたときの布の破損や、昇降機の故障などが起こる可能性もあるため覚えておきましょう。
シェードカーテン
「シェードカーテン」とは、ロールスクリーンのように上下に開閉するカーテンです。
ただし、クルクルと巻き上げられるのではなく、少しずつ折り畳められながら開きます。
布地特有の柔らかい印象となるだけではなく、昇降機も比較的シャープで目立ちにくいため、さまざまな場所で使いやすいカーテンといえるでしょう。
布のボリュームも少なく、家具を近くに配置したい場合にもおすすめです。
横型と縦型ブラインド
「ブラインド」とは、スラットと呼ばれる羽根が何枚も組み合わさってできたカーテンの一種です。
ブラインドには、横型(ベネシャンブラインド)と縦型(バーチカルブラインド)があります。
横型ブラインドは、よくオフィスなどの窓に設置されていることが多いでしょう。
オフィスの横型ブラインドは、安価なアルミ製のスラットが使われる傾向にあります。
スラットはアルミ製や木製などの種類がありますが、自宅でブラインドを設置する場合にはオフィスのような印象を与えないように注意しましょう。
また、縦型ブラインドはスラットを垂直に並べた仕様のカーテンです。
横型よりも使い勝手が良く、頻繁に出入りする窓に設置することが多いでしょう。ブラインドの魅力は、外からの光の調節をしやすいことです。
その一方で密閉性には劣るため、断熱性や遮音性は高くありません。住宅環境を考えながら選択しましょう。
ハニカムプリーツスクリーン
「ハニカムプリーツスクリーン」とは、断面が六角形になっているスクリーンカーテンです。
そもそもプリーツスクリーンとは、ジャバラ状になっている生地を上下に開閉させるカーテンのこと。
ロールスクリーンやシェードカーテンと同じような構造です。
このプリーツスクリーンを六角形になるように特殊加工しているカーテンを、ハニカムプリーツスクリーンといいます。
蜂の巣を意味する「ハニカム」。六角形が蜂の巣のように見えることからこう呼ばれるようになりました。
ハニカムプリーツスクリーンは、窓との間に空気の層を作り出してくれるため、優れた断熱効果を発揮します。住宅のなかをできるだけ暖かくしたい人におすすめです。
目的に合わせたカーテンの機能を選ぼう
代表的なウィンドウトリートメントの種類を学んだら、次はカーテンの特徴を深堀りしてみましょう。
カーテンの種類はさまざまですが、生地や仕様が違うだけではなく機能性が備わったカーテンもあることをご存知でしょうか?
ここからは、目的に合わせた機能性カーテンをみていきましょう。
日当たりや西日には遮光カーテン
内外からの光を遮ってくれる「遮光カーテン」。
日当たりや西日に悩んでいる人におすすめです。
遮光カーテンは、おもに4つの段階に分けられます。
等級 | 遮光率 | 遮光した状態 |
---|---|---|
完全 | 100% | 外からの光を完全にシャットアウト |
1級 | 99.99%以上 | お互いの顔の表情がわからない |
2級 | 99.80%以上 | お互いの顔や表情がわかる |
3級 | 99.40%以上 | お互いの表情はわかるが、作業をするには暗い |
遮光カーテンは光を遮るために、生地の内側に黒糸で作られた布を挟んでいます。
そのためカーテン自体に厚みがあるのが特徴です。
休日の朝にゆっくり寝ていたい人は、自分の好みに合わせて遮光カーテンの等級を選んでみてください。
視線が気になるなら遮像機能のある「ミラーカーテン」
近隣住民や通行人からの視線が気になる場合には、遮像機能がある「ミラーカーテン」がおすすめです。
ミラーカーテンとは、裏地に光沢感のある糸を使用することで視界を遮るカーテンを指します。
外からは部屋の内側の様子がほとんど見えないため、防犯性に優れている点がメリットです。
ただし、反対に部屋の内側から外の様子も見えないため、誰かがいても気付きにくいデメリットがあります。
防犯カメラを設置するなどの防犯対策も合わせて行うことをおすすめします。
夏の暑さや結露対策なら「遮熱カーテン」
「遮熱カーテン」とは、窓から入ってくる熱をはね返すカーテンのこと。
カーテンの生地にチタンやアルミニウムを含ませることで、赤外線を遮断してくれるため、室内温度の上昇を防げる点がメリットです。
さらに夏の暑さを抑えてくれるので冷房効果が高まります。
また室内温度の上昇を抑えた結果、外気温との差がひらかずに結露対策にもつながるでしょう。
音漏れや外の騒音が気になるなら「防音カーテン」
「防音カーテン」は、生地の裏側に音が伝わりにくいような特殊加工が施されているカーテンです。
赤ちゃんやペットがいるご家庭や、映画鑑賞・音楽鑑賞が趣味の人などにおすすめです。
反対に、外からの騒音も緩和してくれるため、大きい道路の近くに住んでいる人にも向いているカーテンです。
カーテンの選び方
最後に、カーテンの選び方やポイントを説明します。
これからカーテン選びをする人は、ぜひ参考にしてくださいね。
窓のサイズと種類
カーテンを選ぶときには、まず家のなかにある窓のサイズと種類を把握しましょう。
下記は、主な窓の種類です。
- 掃き出し窓
人が出入りできる開口部が床からのびる大きな窓 - 腰窓
開口部が腰の位置から上にある窓 - 出窓
外壁よりも外側に飛び出した窓 - 小窓
人が出入りができない小さな窓
それぞれの窓によって開き方が異なります。
窓の種類やサイズを把握してから、適したカーテンを選びましょう。
カーテンレールの種類
「カーテンレールなんて気にしたことがなかった!」という人も多いかもしれませんが、種類によっては静音などの機能性を得られたり見た目のおしゃれさを楽しめたりと嬉しいことがあります。
カーテンレールにはいくつかの種類があります。
賃貸物件によく使われている「機能性レール」や、おしゃれなデザインが豊富な「装飾性レール」、突っ張り棒の要領で壁と壁の間にレールを設置する「テンションポールタイプ」などです。
また、レースカーテンなどと組み合わせてカーテンを2枚設置したい場合には、カーテンレールは2本設置しなければなりません。
部屋の雰囲気や設置するカーテンの枚数に合わせて選んでください。
生活の中で必要な機能
部屋に合わせて必要な機能を選ぶことも重要です。
たとえば、リビングは部屋全体が大きいため、必然的に窓も大きくなります。
そのため、リビングの窓には「遮熱カーテン」を設置すると、冷暖房の効果も高まり省エネ対策ができるでしょう。
また、1日の疲れを癒しリラックスしたい寝室には「遮光カーテン」がおすすめです。
密閉性の高い遮光カーテンは、光だけではなく騒音もある程度シャットアウトしてくれます。
このように、その部屋に合わせて機能性カーテンを選んでいきましょう。
インテリアに合わせた素材・色味・デザイン
部屋のインテリアに合わせて、カーテンの素材や色味、デザインを選びましょう。
壁や床がベージュ系の部屋の場合、カーテンもベージュやブラウン系の落ち着きのある色味を選べば統一感が出ます。
リビングなどの人が多く集まる部屋では、統一感を出すことで空間を広く見せることができます。
また、和室にカーテンをつける場合には、和の雰囲気を壊さないようにナチュラルなベージュやグリーン系がおすすめです。
麻素材を使って、カーテンに和を取り入れても素敵ですね。
自分の目的や好みに合わせたカーテンを見つけよう
この記事では、カーテンの種類や選び方を紹介しました。
ドレープカーテンが一般的に多く使用されていますが、シェードカーテンやブラインド、ハニカムプリーツスクリーンなど種類は多岐にわたります。
ご自身でカーテンを設置する目的を明確にして、好みやインテリアに合わせたカーテンを見つけてくださいね。
最後に、シンプルモダンな雰囲気のお部屋を作りたい人にぴったりのインテリアブランドを2つ紹介します。
独創的なファブリック製品を多数扱う「クヴァドラ」。デンマーク生まれのブランドで、ヨーロッパ北部スカンジナビア半島のデザイン文化を色濃く反映したファブリックを扱っています。高品質かつ素材感の強いアイテムが多く、カーテンだけでなくロールスクリーンの種類も豊富。北欧テイストのシンプルな雰囲気を作りたい人にはおすすめです。
ウッドブラインド専門のメーカー「ナニック」です。良質な木材を使用した味のあるブラインド・ウッドシャッターを扱っており、木の質感や素材感を存分に味わうことができます。耐久性が高く経年変化も楽しめるため、ナチュラルテイストなお部屋にはぴったりはまります。調節タイプやサイズも豊富なので、木の味わいを楽しみたい人はぜひ選んでみてください。
一般的な布のカーテン・バーチカルブラインド など
ロールスクリーン・ハニカムスクリーン・ベネシャンブラインド・シェード など
カフェカーテン・バルーンシェード など