「浴室が古くなってきたけど、リフォームするのはまだ早い？」「浴室のリフォームっていくらかかるの？」といった疑問を抱えている人は多いはず。
浴室リフォームの費用相場は、グレードや選ぶ商品によって幅があるため一概にはいえません。
この記事では、浴室をリフォームするのにおすすめのタイミングや費用相場、補助金制度などについて紹介します。
目次
浴室をリフォームするタイミングとは？
はじめに、浴室のリフォームに踏み込むべきタイミングを3つ紹介します。
次に紹介する条件を満たしていた場合は、浴室リフォームを検討してみましょう。
20年近くメンテナンスをしていない
住み始めてから20年近く浴室のメンテナンスをしていない場合は、リフォームを検討する一つのタイミングかもしれません。
一般的に浴室リフォーム時期は15〜20年程度が目安と言われており、この時期を大幅に過ぎてしまうと、見た目はそれほど古くなっていないとしても浴室の内側が劣化してきます。
タイルやコーキングなどのひび割れから水が内部に侵入し、住宅の基礎である木材を腐食させてしまうのです。
そうなれば基礎を修復する大きな工事が必要となり、高額な工賃がかかる可能性があるでしょう。
こうした事態を防ぐためにも、メンテナンス時期を確認しつつリフォームの機会を考えるのがおすすめです。
浴室の掃除をラクにしたいとき
築年数は関係なく、浴室の掃除をラクにしたいと考えている人もいるでしょう。
そんなときにもリフォームがおすすめです。
浴室の中で使われている素材は基本的にカビが生えづらいものですが、毎日水を使う場所なので汚れないように使うのは難しいかもしれません。
そこでカビが生えづらい素材や、水垢がつきにくい素材を使用して浴室リフォームを行えば掃除もラクになります。
最近では汚れに強く掃除が楽に終わることを売りにしたユニットバスも多く販売されているので、求めるスペックに応じて各社の商品を見比べてみるのも良いかもしれません。
カビ・サビ・故障が目立ってきたとき
浴室全体のカビやサビ、故障が目立ってきたときもリフォームする時期といえるでしょう。
長年使っているとシャワーの水圧が弱くなったり、壁や床のタイルが欠けてきたりなど、さまざまな不具合が目につきます。
カビやサビは専用の洗剤を使用すれば、何とか落とせるかもしれません。
しかし故障は専門業者に依頼しなければ直せないこともあるでしょう。
全体的にガタがきていると感じるならば、思い切って浴室を一新してしまうのも手です。
浴室リフォームの費用相場とは？
次に浴室リフォームの費用相場をみていきましょう。
費用相場と一口にいっても、浴室のグレードや戸建て・マンションなどによっても大きく異なります。ライフスタイルや予算を考えながらチェックしてみてください。
グレードによる相場をチェック
浴室のリフォームにはグレードがあることをご存知でしょうか。
メーカーによって呼び方は異なりますが、主に以下の3つに分けられます。
- ローグレード（低）
- ミドルグレード（中）
- ハイグレード（高）
それぞれの特徴は下記のとおりです。
| グレード | 特徴 | 費用相場 |
|---|---|---|
| ローグレード | ・シンプルなデザイン ・プラスチック製のシャワーヘッドや水栓 ・断熱材は不使用（冬は寒い） | 50〜60万円程度 |
| ミドルグレード | ・シャワーヘッドや水栓がおしゃれ ・メタル調で使いやすいデザイン ・床は乾燥しやすい素材が使われることも ・断熱材を使用（冬は暖かい） | 70〜90万円程度 |
| ハイグレード | ・デザイン性が高くおしゃれな浴室を楽しめる ・ジェットバスや肩湯などのオプション付き | 150〜230万円程度 |
戸建て（在来工法）の場合の相場
戸建てに多い「在来工法」とは、通常の部屋に防水加工を施し、その上からコンクリートやタイルを敷き詰めて浴室を作る方法です。
- 在来工法から在来工法へのリフォーム
およそ「50〜200万円」 - 在来工法からユニットバスへのリフォーム
およそ「65〜150万円」
マンション（ユニットバス）の場合の相場
マンションや賃貸物件に多くみられる「ユニットバス」とは、天井や床、浴槽などのパーツを工場で組み立てて浴室を作る方法です。
全体的に継ぎ目はなく、水漏れなどの心配がありません。
また各パーツを組み立てるだけで完成するため、工期が短いメリットがあります。
ユニットバスからユニットバスへの交換工事は、およそ「50〜150万円」が相場です。
部分リフォームで済めば安く抑えられる
「古くなった床だけを張り替える」「ひび割れてきたタイルだけ張り替える」などの部分リフォームで済む場合は、費用を安く抑えられる可能性もあります。
そのほかの部分がまだ使用できるようなら、部分的なリフォームを検討してみましょう。
ただし数回にわたって部分リフォームを別々の時期に依頼してしまうと、ユニットバスで全体交換する費用よりも高額になってしまうケースもあります。
修繕したい箇所が複数ある場合には注意しましょう。
格安でリフォームしたいなら補助金をチェック
ここで浴室リフォームするときに申請できる補助金について簡単に説明します。
浴室のリフォームで補助金を受ける場合は、「国」「介護保険」「自治体」の3種類あります。
国の補助金は金額が大きいですが毎年行われているとは限らないため、ここでは介護保険と自治体の補助金を紹介します。少しでも安くリフォームしたい場合にはチェックしてみてください。
介護保険による補助金
介護保険をお持ちの場合、保険制度を使った補助金を受けられます。
ただし、どんな浴室リフォームでも補助金を受けられるわけではありません。下記のようにリフォームの条件があるため確認しておきましょう。
- 浴室の中に手すりをつける
- 扉の工事（引き戸に交換、入り口を広くするなど）
- 浴室入口の段差解消
- 床を滑りにくい素材に交換する
- 浴室内の断熱性を高める
介護保険制度の補助金を受けるには、上記のリフォームに該当する工事を行う必要があります。
さらにその家に住む人のなかに「要介護」や「要支援」の認定を受けた人がいる場合に限られるため覚えておきましょう。
また「上限20万円、自己負担1〜3割」と補助金額に制限があります。
たとえば20万円の工事をしたと仮定すれば、そのうちの14〜18万円を負担してくれることになります。介護保険を持っている人は、補助金を受け取れるのかどうかを確認してみてくださいね。
独自で補助金を出す自治体も
住んでいる市区町村などの自治体でも、国とは別に独自で補助金を出している場合があります。
ただしこれにも、さまざまな条件があるため注意してください。
先に紹介した介護保険制度のように、上限や自己負担額に加えて、年齢制限などが決められている可能性があります。
また国と同様に、自治体の補助金も毎年行われるとは限りません。
補助金の予算がなくなった時点で、その年の申請は打ち切られてしまうことも十分にあります。自治体からの補助金を検討している人には、早めに申請しておくことをおすすめします。
住宅ローンでリフォームすれば所得税控除が受けられる
住宅ローンを活用してバリアフリーリフォームや増築、省エネリフォームを行えば、所得税控除を受けられる可能性もあります。
ただし「工事費用が100万円を超える」ことや「工事後の床面積が50平方メートル以上」になることが条件に含まれる場合もあるため、気になる人はご自身で事前に調べておきましょう。
浴室リフォームの施工例を紹介
最後に、浴室リフォームの施工例を3つ紹介します。
手すりの付いたバリアフリー型浴室
浴室内に転倒防止のための手すりをつけるバリアフリーリフォームは、補助金対象の工事です。
浴室入口の壁や浴槽など、さまざまな場所に手すりを取りつけられます。
浴室は水や石鹸カスなどで滑りやすくなっているため、住人の年齢に合わせて手すりをつけるリフォームを検討してみてください。
断熱効果が高い高性能ユニットバス
高い断熱性をもつ高性能ユニットバスへのリフォームもおすすめです。
お風呂場が寒いとリビングなどの暖かい部屋との気温差が大きくなり、「ヒートショック現象」が起きる可能性が高まります。
浴室内を断熱効果によって暖かくできれば、部屋間の寒暖差がなくなるので身体への負担も減ります。
お風呂場の寒さが気になっている場合には、断熱効果のあるユニットバスを検討してみてください。
スッキリまとまった掃除しやすい浴室
浴室の代表的な汚れといえば「カビ」と「水垢」です。
そこで浴室のお手入れをラクにしたい人は、水垢がつきにくい素材や速乾性のある素材を選んでみてください。
汚れの原因となる水がすぐに乾いてしまうため、毎日のお手入れの頻度を減らすことができます。
機能性バツグンな快適浴室でバスタイムを楽しもう
今回は、浴室リフォームのタイミングや費用相場について紹介しました。
毎日使うお風呂ですから、キレイでリラックスした空間を整えたいものです。
住み始めてから20年前後メンテナンスしていない場合や、汚れや故障が目立ってきた場合には浴室リフォームを検討してみましょう。
