AJロイヤルは、「シンプルさ」と「個性」という相反する2つの要素を取り入れた照明です。
静かに、穏やかに、光源としてそこにいる人を優しく照らしつつ、インテリアアイテムとして洗練された雰囲気を空間に演出します。
この記事では、AJロイヤルの特徴やデザインの魅力、コーディネート事例を紹介します。
取り入れることで得られる効果について詳しく見てみましょう。
目次
AJロイヤルとは
AJロイヤルは、デンマーク発の北欧照明ブランド「ルイス・ポールセン」が販売を手掛ける照明です。
デザインは、同じくデンマークの建築家「アルネ・ヤコブセン」が担当。
ヤコブセンが1959年に手掛けた、コペンハーゲンにあるSASロイヤルホテルの設計と合わせて製作されました。
ヤコブセンがホテルのために製作した照明はAJロイヤル以外にもあり、卓上を彩るコンパクトな「AJテーブル」、空間に存在感を放つ「AJフロア」、壁一体型の「AJウォール」など種類はさまざま。
名作照明「AJシリーズ」として多くの人から愛されています。
製作当時は銅製(現在は白・黒の2色展開)だったAJロイヤルは、1階のラウンジや中庭後ろのスナックバーに採用され、デンマークモダンデザインを代表する空間事例として広く認知されました。
無駄のないフォルムデザイン
一見シンプルなフォルムですが、AJロイヤル最大の特徴ともいえるのが、上部にある不思議な形状のシェードです。
半円形の一部分にアクセントとなるポイントを設けることで、機能面を充実させつつ、簡素すぎない見た目を実現。
アルネ・ヤコブセンはこの絶妙で前衛的なデザインを、今から60年も前に実施していました。
外側からはわからない二重シェード構造
AJロイヤルの良さは、見た目のデザインだけではありません。
下から照明を見上げてみると、シェード内部の構造を理解できます。
中は二重シェードになっており、傘の中にもう一つ小さな傘が入っています。
その小さな傘の中に電球が一つ。
さらに、小さな傘の上を照らすように別の電球が取り付けられています。
このユニークな構造が、部屋全体を優しく照らす光の演出を実現しているのです。
2020年にブラックタイプが復刻
AJロイヤルのラインナップは、これまでホワイトのみの一色展開でした。
しかし2020年にブラックが復刻しています。
これまでAJロイヤルは、モダンなインテリアに合わせることが多い照明でしたが、ブラックが登場したことで、組み合わせられるインテリアジャンルの幅が広がりました。
ホワイトのAJロイヤルでは組み合わせることが難しい、ヴィンテージ風やブルックリン風といった無骨なインテリアも、ブラックとなら合わせやすいでしょう。
白・黒という定番のカラー展開と、主張しすぎず空間に馴染みやすいデザインは、おしゃれな空間作りを手軽に実現してくれます。
取り付け工事が不要に!2023年夏から日本向けシーリングモデルが発売開始
これまでのAJロイヤルは、取り付け工事が必要な「LED組込タイプ」しかモデルが存在せず、購入・取り付けの難易度がやや高かったのが難点でした。
しかし、2023年の夏から、待望の「Eソケットタイプ(引っ掛けシーリング仕様)」が販売されます。
こちらのモデルは日本人ユーザーの強い要望に応え、日本国内のみで販売される特別モデル。
日本の住宅で一般的なシーリング仕様のソケットなので、取り付け工事不要で簡単に設置できるようになりました。
また、デザインや機能も一部アップデートが施されています。
より手軽に、スタイリッシュな空間をつくれるAJロイヤルの新モデル。
2023年夏から順次販売開始されるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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半球形が広げる優しい光
AJロイヤルのような半球形の照明は、光源としては力不足であるケースが多いです。
上部の傘によって影ができてしまい、天井付近は暗くなるためです。
そのためメイン照明として使用する際は、複数個組み合わせるといった工夫が必要になってくるでしょう。
ところがAJロイヤルは、上部シェードに光が漏れる工夫がされているので中の光を通すため、一つでも光を天井まで行き渡らせます。
また、シェード内の電球が中にあるもう一つの傘に反射し、光が拡散される効果もあります。
眩しすぎず部屋全体を柔らかく照らしてくれる光は、リビングや寝室といったくつろぎたい場所に、穏やかな雰囲気を作り出してくれます。
アルネ・ヤコブセンの理念を体現した照明
AJロイヤルは、アルネ・ヤコブセンのインテリアに対する持論を見事に表現しています。
曲線の角度、シェード底部の直線、コードとのバランスなど、無駄のないフォルム。
これらはすべて、「存在が空間の経験に干渉してはならない」という、アルネ・ヤコブセンのインテリアに対するポリシーを体現したものです。
デザインから不要な要素を取り除くことで、静かな佇まいでそこにいる人を見守るような、AJロイヤルらしい存在感を演出しています。
「照明は必要とする場所に必要な分だけ」
アルネ・ヤコブセンが建築デザインにおいても尊守してきた照明に対する価値観は、AJロイヤルにも色濃く反映されており、現代のインテリアにも応用できる考え方です。
AJロイヤルの導入事例
AJロイヤルは空間を選ばないデザインですが、どのような空間と合わせることで、よりAJロイヤルらしい魅力を発揮できるのでしょうか。
導入事例からヒントを得てみましょう。
ダイニングテーブルを優しく彩る
代表的な導入事例の一つが、AJロイヤルをダイニングテーブルを照らすペンダントライトとして活用する方法です。
食卓は友人・家族と一緒に穏やかに過ごす場所。
AJロイヤルの優しい光が食事中の家族を優しく包み、団らんに華を与えてくれます。
AJテーブルと組み合わせて
AJロイヤルの製品ファミリーには、「AJテーブル」があります。
AJテーブルは、棚やテーブルの上に置く卓上ライト。
手元を照らすだけでなく、間接照明として空間を彩る役割も担っています。
AJロイヤルと合わせることで、デザインの統一感と豊かな光の演出を楽しめます。
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空間のフォーカルポイントとして
AJロイヤルはシンプルなのに不思議と目を引く魅力があります。
部屋に設置すれば、フォーカルポイントとしても役立つでしょう。
カラー展開はブラックとホワイトの2色展開なので、あえてほかのインテリアアイテムを黒・白以外の色で統一して、AJロイヤルを際立たせるのも一つの方法です。
主張の少ないAJロイヤルをインテリアの主役にしたときに、空間の中でどのような印象の変化が起こるのかを観察するのも楽しそうですね。
AJロイヤルが空間を穏やかな光で満たす
AJロイヤルは控えめなのに、前衛的で豊かな個性を放つ不思議な照明です。
しかし空間に設置すれば、違和感なく溶け込む柔軟性も持ち合わせています。
明かりをつければ、AJロイヤルの独特な構造が作り出す穏やかな光で、部屋全体を包み込んでくれるでしょう。
人のいるところを優しく照らしてくれるAJロイヤルで、豊かな空間づくりを実現してみてください。
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復刻されたAJロイヤルは、クラシカルなデザインの魅力はそのままに、現代のモダンインテリアに合わせた仕様となっています。