水と土がいらない植物!エアプランツの基本知識と上手なインテリアのコツ

    ホームセンターや100均、オンラインショップなどで手軽に購入できるエアプランツ。

    生育に頻繁な水やりや土が必要ないため、手軽にインテリアを楽しめるのが人気の秘密です。

    とはいえ「初心者でも、ちゃんと育てられるのだろうか…」と購入を迷う人も少なくないはず。

    そこで今回は、エアプランツを生育するために必要な知識と、いつもの部屋に新しい息吹を与えるグリーンインテリアのコツを大紹介します。

    エアプランツって何?

    ボウルに入ったエアプランツ

    「エアプランツ」とは、北米南部から中南米に分布するチランジア属の植物。

    土ではなく”樹皮や岩に根を張る”のが特徴的です。

    また空気に含まれる水分を葉から吸収するのもエアプランツならでは。

    葉っぱの表面に生えている「トリコーム」と呼ばれる細かい毛により、水分を長時間留めておくことができます。

    そんなエアプランツの花言葉は「不屈」。

    土がない厳しい環境でも花を咲かせられることが由来しています。

    乾燥に強く枯れにくいため、あまり植物を育てた経験がない人でも挑戦しやすいのが魅力です。

    代表的なエアプランツの種類を紹介

    エアプランツは葉の外見から「銀葉種」と「緑葉種」の2つに分けられます。

    細かい毛のような「トリコーム」があるかどうかが見分ける基準です。

    • 銀葉種
      表面がトリコームで覆われており、シルバーやホワイトに近い色をしています。細かい毛の下に水分を留めて吸収するため、乾燥に強いのが特徴です。
    • 緑葉種
      トリコームがないため葉が緑でツルツルしています。銀葉種のように水分を溜めることができず、乾燥と日光に弱いのが弱点です。

    この章では、数ある品種の中から代表的なエアプランツの特徴や魅力をご紹介します。

    ウスネオイデス

    ウスネオイデス

    「ウスネオイデス」は丈が長くボリュームのある見た目が印象的なエアプランツ。

    葉は太いものから繊細なものまで変種が豊富で、順調に育てば緑色の花が見られます。

    見応えがあるので窓際などに吊るしておくだけでインテリアのアクセントになります。

    イオナンタ

    イオナンタ

    メキシコとグアテマラが原産である「イオナンタ」。

    尖った直線的な葉が元気な印象を与えてくれます。

    生長が早く乾燥に強いため、エアプランツ初心者にもおすすめできる品種です。

    また変種が多いのもイオナンタの特徴の一つ。

    「アルバ」や「ドゥルイド」という、葉が黄色に染まり白い花を咲かせるものや、「ピーチ」という名前の通り葉っぱが桃色に染まる品種など種類はさまざま。

    見た目の変化も楽しめます。

    カプトメドゥーサエ

    カプトメドゥーサエ

    「カプトメドゥーサエ」は、ギリシャ神話に登場する怪物「メデューサ」にちなんで名付けられたといわれています。

    葉が髪の毛のように大きくうねっているのが個性的で、人気のある品種です。

    種類によっては、赤紫の筒状の花を咲かせるものもあります。

    育てるときのポイントは”蒸れに気を付ける”こと。

    壺のような形をしているため内側に水分が溜まりやすいので、水やりをした後は風を当てて水切りをしましょう。

    ファシクラータ

    放射状に伸びる葉が印象的な「ファシクラータ」。

    大きく生長して美しい紫の花が咲くので、見応えがあります。

    丈夫で育てやすいのですが、”寒さと乾燥に弱い”ので注意が必要です。

    ブルボーサ

    エアプランツ

    「球根」という意味をもつ「ブルボーサ」。

    躍動感ある葉のうねりと壺のようなシルエットが特徴的。

    成長すると葉の膨らんだ部分が赤くなり、紫色の花を咲かせます。

    湿度を好むので水やりは多めにしておくのがコツ。

    場合によっては加湿器を使用するのも良いでしょう。

    エアプランツを選ぶときのポイント

    かごに入ったエアプランツ

    せっかくなら、なるべく状態の良いエアプランツを選んで元気に育てたいですよね。

    この章では、購入時にチェックしておきたいポイントを3つご紹介します。

    株の根元の状態をチェック

    まずは株と根元の状態を確認しましょう。

    触ってみてスカスカしていたり柔らかかったりする場合は、蒸れている可能性があります。

    腐っていることも考えられるので避けたほうが無難です。

    手に取ったときの重さ

    つぎに手に取ったとき、ずっしりと重さがあるものを選んでください。

    重みは水分を多く含んでいる証拠。

    乾燥しているかどうかは見ただけでは分からない場合もあります。重さと合わせて葉の状態も確認し、乾燥していないものを選びましょう。

    葉の緑がキレイなものを選ぶ

    葉の先が茶色くなっていたり、色がくすんでいたりするものは避けましょう。

    また変色や白い斑点などがあれば、葉焼けやハダニの食害にあっている可能性があります。

    見て確認し、葉っぱがキレイな緑のエアプランツを選んでくださいね。

    エアプランツを育てるときのコツ

    「エアプランツを購入したのはいいけれど、水はどのくらいあげればいいのだろう」など、実際に育てるとなると色々気になる点が出てくるのではないでしょうか。

    この章では、肥料や水やりの頻度、適切な置き場所などエアプランツを元気に育てるためのコツをご紹介します。

    肥料と水やりの頻度

    基本的にエアプランツに肥料をあげる必要はありませんが、元気がないときは生育期である春と秋に与えると効果的です。

    霧吹きやソーキングに使う水に、液体肥料を2000~3000倍以上に薄めて使いましょう。

    基本的な水やり頻度は週2回以上です。

    あくまでも目安ですので、乾燥していると感じたら回数を増やしましょう。

    水やりの頻度は種類によって多少異なりますし、季節や湿度によっても変わってきます。

    エアプランツの状態を見て調整してくださいね。

    ソーキングのタイミングと時間

    ソーキングの様子

    ソーキング」とは、バケツやボウルを使ってエアプランツを丸ごと水に浸す方法です。

    水やりを忘れてしまったり、葉が乾燥して丸まっていたりするときなど、状態を見て月1~2回程度おこないましょう。

    浸ける時間が長いと根腐れを起こしてしまう可能性があるので、”約6時間が目安”です。

    また水が冷たすぎるとエアプランツに負担が掛かってしまいます。

    常温の水道水を使いましょう。

    ただし、「テクトラム」という品種にソーキングをおこなうのは避けるのがベター。他の種類に比べトリコームが長いので水分過度になり、傷みの原因につながることがあります。

    最適な置き場所を探してみる

    エアプランツ

    エアプランツは”風通しの良い場所に置く”のがベスト。

    部屋を換気するついでに、一緒に空気に当てると良いでしょう。

    また、適度に光が入る明るい場所を選ぶことも大切なポイントです。

    ただし光が強すぎると葉焼けの原因につながるので、夏の直射日光には注意が必要。

    水やりの直後に強い光に当てるのも避けておきましょう。

    窓辺から少し離れたところにおいたり、カーテンを使ったりして最適な置き場所を見つけてくださいね。

    病害虫の種類と対策方法を学ぶ

    基本的にエアプランツは目立つ病害虫がない丈夫な植物です。

    とはいえ、絶対に可能性がないわけではありません。まれにハダニやカイガラムシ、ナメクジがつく場合があります。

    そのままにしておくと、エアプランツの汁を吸われて枯れてしまったり、「すす病」などのウィルス病につながったりする可能性も。

    見つけたらすぐにピンセットやブラシ、テープなどを使って取り除きましょう。

    もし虫が大量に発生してしまったら、専用の薬剤を使って退治してください。

    エアプランツのおしゃれな飾り方例

    テラリウム

    お気に入りのエアプランツを、より素敵に見せるにはどうしたら良いのでしょうか。

    代表的な飾り方としては、天井から吊るしたり、透明の容器に置いたり、金属のフレームに入れたりする方法があります。

    玄関やトイレなど家の色々な場所に飾り付ければ、雰囲気を大きく変えることができるでしょう。

    また、エアプランツと相性が良いのが「テラリウム」という飾り方。

    テラリウムとは、ガラス瓶や器の中に植物を配置し、栽培する技術を指します。

    エアプランツ単体だと直置きして飾るのは難しいですが、多肉植物やプリザーブドモスなどを組み合わせることで一味違った表情を楽しめます。

    ガラス瓶を使うときはエアプランツが空気中の水分を取り込めるよう、フタを開けておくのがコツです。

    育てやすいエアプランツで緑豊かなインテリアを楽しもう

    植物をつるしている様子

    頻繁な水やりや土を使う必要がなく、手軽に育てられるのがエアプランツの魅力です。

    家の中に緑があると、心が癒されるもの。

    自由な発想でエアプランツをディスプレイし、インテリアを楽しんでみてはいかがでしょうか。