「団地」と聞くと古い建物や小さく区切られた間取りをイメージする方もいるのではないでしょうか。
中には築年数50年の建物もあり、新居にするには懸念点もありますよね。
しかし、団地の特性を活かしたリノベーションなら理想の暮らしが実現します。
今回の記事では、団地のメリット・デメリットや押さえておくべきポイントを詳しく解説!
新居の購入価格を抑えたい方、都会でも緑豊かな場所に住みたい方は必見です。
目次
団地リノベーションとは
団地リノベーションとは、室内を現代風にアレンジして使い勝手の良い空間にすることです。
例えば、小さく区切られた間取りをつなげて開放的なリビングにしたり、すべての設備を変えて新築マンションのようなデザインにしたりするのが一般的。
団地の古さを感じさせないリノベーションに特徴があります。
そもそも団地とは
団地とは、同じ敷地内に建てられた複数の共同住宅です。
昭和30〜50年ごろ、高度経済成長期で都市人口が急激に増えた背景により住宅不足を補うために建設されました。
ロケーションと家賃の安さが魅力であり、おしゃれかつ近代の象徴でした。
内装は、台所・浴室・多目的で使える和室で成り立ち、床面積は約50平方メートル前後が一般的です。
とはいえ、団地は築古であり、間取り・デザイン・設備などが現代の暮らしにつり合わない部分があります。
マンションリノベーションとの違い
団地とマンションの違いは、定義と構造にあります。
マンションは柱と梁でフレームを作り、コンクリートの床や天井を加えた構造である「ラーメン構造」が一般的。
一方、団地は柱や梁も壁と床を一体化させた「壁式構造」です。
材質は鉄筋コンクリートで作られていても、材料の組み立て方に違いがあるのです。
団地リノベーションの費用と工期の目安
団地をフルリノベーション(骨組みだけの状態まで解体して作り上げること)する費用相場は約700〜1,200万円であり、工期は約4ヶ月です。
どちらもマンションリノベーションと差はありませんが、団地の広さ・工事内容・使用する材質によって価格に幅があります。
とはいえ、新築するよりもトータルコストが抑えられるのは間違いありません。
団地リノベーションするメリット
団地をリノベーションする魅力は以下4点です。
マンションで得られない団地ならではのメリットもあるので参考にしてください。
物件価格が抑えられる
最大のメリットは、同じエリアの中古マンションに比べてリーズナブルに購入できることです。
団地の多くは築30年以上を経て、価格はほぼ底値。
立地や条件が同等なら新築マンションと比べて約半額で購入できる可能性もあります。
リノベーション費用は「物件価格+工事費用」が総額です。
つまり、物件価格が抑えられればトータルコストを削減でき、浮いた費用で設備のグレードアップや内装の予算に充てられます。
耐震性に優れている
団地は、阪神淡路大震災や東日本大震災による大きな影響を受けませんでした。
団地の多くは公的機関が手掛けており、検査体制や施工管理が手厚かったとされています。
また、壁式構造に加えて堅牢な鉄筋コンクリートで建てられている点も挙げられます。
古さが気になる団地ですが、建物自体は頑丈であるため安心して長く暮らせるでしょう。
立地と周辺の環境が良い
団地には多くの世帯が住んでおり、近くにスーパー・銀行・病院など生活に必要な施設が整っています。
大規模な団地だと公共施設が敷地内に設計されている場合もあり、立地のよさは現代でもお墨付き。
さらに、敷地内の植栽が豊かで、建物がゆったりと建ち並んでいます。
ほぼ全戸は南向きであることが多く、採光や通風が確保されている環境です。
助け合いのコミュニティがある
お祭りやバザーなどイベントが開催される団地もあり、普段から住民同士のつながりがあります。
さらに、家族間の関わりも自然に増え、子育て世代に人気です。
防犯面や災害時など万が一に助け合える環境により、子どもからお年寄りまで安心して暮らせます。
昔ながらの素材を活かせる
団地の内装には昭和の雰囲気を残す箇所があります。
例えば、和室なら鴨居・長押・欄間。昭和型板ガラスの窓やタイル、玄関のドアなどです。
団地ならではの特色を活かして現代のアイテムやカラーを組み合わせれば、古風でデザイン性のある室内を演出できます。
団地リノベーションのデメリット
団地リノベーションのデメリットは3点です。
以下を理解した上で検討しましょう。
近隣住民や自治体とのやりとりに億劫な場合がある
団地のコミュニティは助け合いにつながりますが、関わり合いが億劫な場合もあるでしょう。
近所付き合いが苦手な方やイベントの参加に消極的であれば、人間関係が煩わしく感じることも。
事前にイベントの内容や頻度などの確認が必要です。
エレベーターがない団地もある
団地は5階建てでもエレベーターがないことは珍しくありません。
運動の習慣がない方や高齢の方は少々不便を感じ、後悔することもあるでしょう。
しかし、団地は階数が上がるにつれて購入価格が下がる傾向です。
団地住まいを機に、運動不足の解消や眺めが良い暮らしが実現すると考えればメリットにもなります。
工事内容に制限がある
壁式構造は、室内の壁を壊せない場合があります。
そのため、間取りに制限がかかったりエアコンが付けられなかったりなど、理想の内装にできない可能性があるのです。
また、配管の位置と天井高の兼ね合いで、水回りの移動にも制約が生じる場合もあるでしょう。
とはいえ、リノベーション経験が豊富な業者であれば壁を活かしたプランニングで新しい選択肢を提案してくれることもあります。
団地リノベーションする前に理解しておくべき5つのポイント
団地リノベーションを決めた方は、以下5点のポイントを押さえれば後悔しない暮らしが実現します。
間取り変更が可能か確認する
前述の通り、団地は壁が壊せない可能性があり、大規模なリノベーションをするなら間取り変更の障壁となります。
つまり、事前に管理規約で間取り変更が可能か確認するのは必須です。
物件探しの際も分かる範囲で聞いておくと、団地選びの選択肢が広がります。
ライフラインの容量制限と設備を把握する
IHや追い焚き機能を付けたい場合は注意が必要です。
マンションの電力容量は40〜60Aが主流ですが、団地は30Aしかない場合があります。
今まで通り電力を使うとブレーカーが落ちる可能性があるのです。
また、ガスも容量制限があるため、既存の給湯器だと容量オーバーすることも。
内見時に容量を確認すれば対処できるため、前もって把握しましょう。
共用部分はリノベーションできないと認識しておく
一般的に、共用部分はリノベーションできません。
例えば、ベランダに面するサッシや玄関のドアを変えることは基本的に不可です。
ただし、玄関ドアの内側の色は変えられるなど団地によって制限はさまざま。
共用部分の汚れが気になる場合は、管理規約で内容を明確にすれば購入に踏みきれるでしょう。
家具のサイズを把握しておく
現在使用中の家具をそのまま新居で使う場合は、あらかじめサイズを計測しましょう。
エレベーターがない団地は階段しか通れず、幅が狭い団地だと大型家具の搬入が困難な場合があります。
補助金や減税制度を確認する
「使える補助金があるか」「減税制度に適用している物件か」を事前に調べれば、さらに価格を抑えてリノベーションできるかもしれません。
例えば、千葉市内は団地に入居予定の新婚世帯や子育て世代が一定の要件を満たしている場合、補助金を受給できる制度があります。
また、長期優良住宅化リフォームには特定の団地が認定されている場合もあり、該当の団地をリノベーションすれば翌年1年間の固定資産税が減額されることもあるのです。
団地の魅力を活かしたリノベーションで暮らしをもっと豊かに!
団地は古いイメージがありますが耐震性に優れており、緑豊かで立地が良いのが魅力です。
それらのメリットを活かした団地リノベーションは、理想の暮らしに近づけられる手段。
新居のトータル価格を抑えたい方や立地の良い場所に住みたい方にはおすすめです。
新しい価値を加えられる団地リノベーションを、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
千葉で注文住宅やインテリアショップ運営を手掛けるTIMBER YARDでは、マンションのフルリノベーションサービスも手掛けています。
熟練の大工が生み出す美しい空間、家具職人が手掛けるフルオーダーの造作家具、デザインと住み心地を両立した設計など、こだわりの工務店だからこそ叶うリノベーションプランをご提案できます。
TIMBER YARDの近くには、団地の一室をリノベーションしたモデルルームもあり、ご希望があれば見学も可能です。
このほかにも豊富な施工事例をご提案できるので、検討されている方はぜひお問い合わせください。
それらの課題を解決し、新たな価値を見出すのが「団地リノベーション」なのです。