従来なら階段下のスペースは収納場所のイメージがありましたが、実は近年、新築を建てるにあたり階段下にトイレを検討されている方もいます。
しかし実際、「失敗した」「風水上よくないと知ってしまった」と、建ててから後悔する人も多いのが現状です。
この記事では、階段下にトイレを作る際に後悔しないポイントや間取りの工夫点を詳しく解説します。
注文住宅の間取りに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
階段下トイレとは
階段下トイレとは、デッドスペースになりがちな階段下の空間にトイレを設置すること。
従来であれば階段下は収納スペースとして活用されることが一般的でした。
しかし奥行きが深い点がデメリットであり、使いづらいとされるケースも増えてきています。
階段下トイレのメリット
階段下トイレのメリットは以下の2点です。
- スペースを有効活用できる
- 使いやすい場所に配置しやすい
階段下トイレの最大のメリットは、部屋の間取りを最大限に活用できる点。
階段下にトイレを設置すればほかの空間をより広く使えるからです。
また、階段自体が生活動線を考慮してレイアウトされていることが多く、家族の利用頻度が高いトイレを階段下に設置すればとても便利に活用できます。
階段下トイレのデメリット
階段下トイレのデメリットは3点あります。
- 圧迫感がある
- トイレ空間の天井が段差でいびつになる
- 風水の観点では好ましくない
特に「圧迫感がある」デメリットは、設置した経験者でも多くの人が感じている要素のひとつ。
階段下トイレを設置するにあたって、切っても切れないデメリットのようです。
しかし、この3点のデメリットは、工夫をすればすべて改善できます。
階段下トイレのデメリットを解消するポイント
上記で述べた3点のデメリットの改善方法は、階段下にトイレを設置する間取りを考えるときに必ずプランに盛り込むことをおすすめします。
1: 圧迫感を解消する工夫
デメリットのトップである「圧迫感」。
設置する際は余裕を持って作ったとしても、いざ使うと圧迫感を感じる人も多いのだとか。
解消できる工夫は主に3点あります。
間接照明
圧迫感を和らげるには、照明を工夫しましょう。
なぜなら照明の選び方で圧迫感は感じなくなるからです。
例えば、天井に埋め込み式のダウンライトを設置したり、壁に向けて間接照明を照らすなどがおすすめです。
照明の種類、光の当て方で圧迫感は軽減されます。
壁の色・柄
トイレはただでさえ狭く暗い空間です。
快適で圧迫感のない空間に変えるには、壁紙が効果的。
視覚効果で圧迫感を軽くできるからです。
例えば以下の色や組み合わせは、空間を広く・明るく見せる効果があるのでおすすめです。
スリムなデザインのトイレ
一般的なトイレは横幅が約45~50cmですが、スリムなデザインのトイレは約40cm程度です。
また、高さも低めなものがあります。
例えば最近主流のタンクレストイレ。
タンクがないので高さも一般のトイレより低く、省スペースを実現できるトイレです。
階段下トイレにはぴったりのアイテムでしょう。
2:天井の段差が気にならない工夫
階段下トレイは階段の段差が目に入り、それを圧迫感と捉える人も多いようです。
しかし、天井を斜めにする「勾配天井」を取り入れれば、段差の凹凸が目立たず、トイレ空間がスマートな印象になります。
心配な場合は、設計の段階から担当者に相談してみるとよいでしょう。
3:風水の観点からできる工夫
風水ではトイレは重要な位置付けであり、気が逃げる場所とされています。
風水の観点を気にするのであれば、下記2点を取り入れることで改善します。
- 明るさを確保する(窓の採光・明るい照明など)
- 気を取り込まない習慣を心がける
階段下トイレを設置する場合、照明を明るいものにするか、小さくてもよいので窓を設置しましょう。
さらに「便器のフタをしめる」「タオルをこまめに取り替える」「換気扇を回しっぱなしにする」なども欠かさず行いましょう。
階段下トイレを作るときに注意するポイント
間取りによってはメリットも大きくなる階段下トイレですが、何も考えずに作ると後悔する可能性が高くなります。
配置を検討する場合は、下記3点のポイントを前もって押さえておきましょう。
階段下トイレに必要な高さを検討する
階段下トイレの圧迫感を最小限にするために「高さ」を考えることは重要です。
階段下なので、凹凸や勾配があるのは当然です。
それにより天井が迫っていると感じて、心地よい空間でなくなる恐れも。
だからこそ、家族にとってベストな高さを考える必要があります。
考えるときは、家族の中で一番背の高い人を基準にしましょう。
高さは最低でも150cm以上は必要です。また階段の何段目から設置するかは、ご家族の身長や1段の階段の高さによって検討材料はさまざまです。
目安は10段目以上か9段目あたりだと考えられます。
10段目以上だと圧迫感がなく、9段目以下なら便器の後ろに壁を作り、便器を手前に持ってくる配置がベストでしょう。
収納場所を確保する
「失敗した!」と感じる方で意外に多い点が、収納場所を確保していなかったこと。
階段下トイレでは、計画的にトイレットペーパーや掃除器具の収納場所を設けることが必要です。
なぜなら、階段下は天井の段差でトイレ上部に収納スペースが確保できない場合があり、ただでさえ一般的なトイレ空間よりも狭くなるからです。
その場合トイレの後ろに空間を設けたり、ドアの上部を有効活用するなど、設計時から計画する必要があります。
最低限必要なものを明確にし、収納場所を検討しましょう。
通風・採光をなるべく取り入れる
風水の観点だけではなく、通風・採光は狭い空間であっても配慮したほうがよいでしょう。
トイレは元々湿気や臭いがこもりやすい場所です。
小さい窓や極小タイプの換気扇でもいいので、事前に設置できるかどうかを確認しておきましょう。
引き戸か折りたたみ式のドアを検討する
トイレはプライベートな空間。
できれば密閉性の高い引き戸にしたり、場所をとらない折りたたみ式のドアを検討しましょう。
階段を家の中央に設置してその下にトイレを設けた場合は、リビングに面しているため音や臭いが気になるからです。
引き戸や折りたたみ式のドアならコンパクトなので、トイレ空間は圧迫感もなく気持ちよく使える空間になります。
工夫次第で階段下トイレは快適な空間に!
階段下トイレはデッドスペースを有効活用でき、さらに間取りを広く使える画期的な方法。
検討する前はデメリットが多く感じることもありますが、実はどれも工夫次第で快適な空間に変わります。
トイレはなくてはならない空間。
だからこそ、家族みんなが気持ちよく過ごせる雰囲気が大切です。
心配な方はショールームなどで実際体感したり、立体図面を見て具体的なイメージをしてみましょう。
きっと階段下にあるトイレのイメージが変わるはずですよ。
最近では、特に狭小住宅で新築を建てる場合に、階段下にトイレを設置する間取りを希望する方が多い傾向です。