色・デザイン・材質・機能性など、幅広い選択肢から好みのタイプにカスタマイズできるシステムキッチン。
他のインテリアとも調和したキッチンを作れるので、新築だけでなくリフォームにも人気。
でも、システムキッチンのメリットはそれだけではありません。
こちらの記事では、システムキッチンの特徴から価格の目安、キッチンを選ぶポイント、代表的なメーカーまで紹介します。
目次
システムキッチンとは
システムキッチンとは、コンロやシンク、収納などを組み合わせた上に一枚板のワークトップ(天板)がはめ込まれたキッチンのことです。
コンロやシンク、作業台、収納設備などがそれぞれ独立している「セクショナルキッチン」と違って、ワークトップに継ぎ目や段差がないのが特徴で、コンロもワークトップにはめ込まれた「ビルトインコンロ」が一般的。
寸法はある程度決まっていて、全て同じ色や材質で組み合わせを選べるので、オプションで設備を追加しても全体的に統一感を保つことができます。
システムキッチンが人気の理由は?
システムキッチンが誕生してから45年以上、各メーカーが研究・開発を重ねてきただけあり、カラーバリエーションや素材が豊富に揃っています。
収納や設備などの機能面も充実。部屋の広さに合わせて配置できるうえ、デッドスペースが生まれにくいのも特徴です。
食洗機やゴミ箱などを組み込めるキッチンもあり、効率的に作業できるように考えられています。
また、すき間や段差がないワークトップ、コンロがワークトップに埋め込まれたビルトインコンロなど、手入れがしやすい設備も魅力です。
システムキッチンのリフォーム価格ってどれくらい?
システムキッチンのシリーズは、シンプルなものでもリフォーム価格は50万円程度から。
品質を上げたり設備を充実させれば300万円程度かかることもあります。
設備は、例えば水栓ひとつでもレバー式からタッチセンサー式、浄水器付まで料金が異なります。収納でも、扉式とスライド式で価格が変わることもあります。
コンロの口の数や種類、シンクの広さや水流を生み出す設計、レンジフードの洗浄機能付きや汚れを溜めない構造なども価格に影響します。
工事費は業者によって変わりますが、解体・処分で約10万円、取り付けで約10万円、さらにキッチンを移動したり、電気配線や給排水管の延長をすれば、追加料金がかかります。
システムキッチンを選ぶポイント
キッチンをリフォームするときは、これまで気に入らなかった点を改善するチャンスでもあります。
リフォームで絶対譲れない点は人それぞれですが、この章では、システムキッチンを選ぶときに気をつけておきたいポイントを紹介します。
一般的なサイズや作業効率にも関わる設備と収納、空間全体の印象にも関わるカラーなど、今まで意識しなかった点でもキッチン作りに取り入れれば、使い心地が良く調和の取れたキッチンを作れるでしょう。
レイアウト
本格的なリフォームを考えていたら、思い切ってレイアウトを変えても良いですね。
キッチンのレイアウトは、ワークトップの形によっていくつかの種類に分けられます。
- 壁付きのカウンターにコンロ、シンク、作業台が1列にまとまった「I型」
- コンロとシンクを2列に分けた「II型」
- 部屋のコーナー部分を利用する時に多く、コンロ、シンク、作業台がL字に並ぶ「L字型」
- ワークトップがU字に並ぶ「U字型」
さらに、オープンキッチンになると、「ペニンシュラ型」「アイランド型」と言ったカウンターの位置の違いも加わります。
レイアウトを決めるにあたって大事なのは、間取りや作業効率、家族構成、キッチンを使う人の人数を考えること。
まず間取りを見てある程度型を絞ったら、コンロ、シンク、冷蔵庫の位置を描いてみましょう。
その3つを結ぶ三角形の作業動線(ワークトライアングル)を正三角形に近い位置に置けたら、作業効率が良くなると考えられています。
その間をキッチンを使う人たちが問題なく歩ける幅を考えて、キッチンのレイアウトを決めると良いでしょう。
ワークトライアングルの三辺の総和が360センチ以上600センチ以内に納まるのが適切といわれます。
設備と収納
システムキッチンの基本的な設備は、ワークトップ、コンロ、レンジフード、シンク、蛇口、収納設備からなります。
その素材や機能などは、基本的なものが決まっていて、好みに合わせてオプションを加えていきます。
調理に使うワークトップは、耐水性、耐熱性、耐久性に優れたステンレスが一般的ですが、メーカーによって人造大理石やタイル、セラミックなど、材質や色が選べます。
コンロはガスやIHといった熱源の種類だけでなく、幅やプレートの素材、安全機能などを決める必要もあります。
レンジフードは機能や大きさの違いで「ブーツ型」「フラット型」「スリム型」などがあり、それぞれ機能が異なります。
洗い物をするシンクは、ワークトップ同様ステンレスが一般的ですが、最近では強度や耐熱性を高めた「鋳鉄ホーローシンク」など、他の材質も増えています。
コンロやシンク下の収納部分の材質も天然木や樹脂などがあり、広い部分を占めるだけにキッチンの印象を決める重要な部分です。材質や色選びは慎重に。
この他にも食器棚や食洗機、ビルトイン式ゴミ箱などを組み合わせることも可能。予算や必要性に合わせて決めましょう。
サイズ
システムキッチンのサイズには横幅(間口)、奥行き、高さがあります。メーカーによって違いはありますが、こちらでは一般的な寸法を見ていきましょう。
- 横幅
大体1,800〜2,700mm。1,650mm程度から取扱いがあるメーカーもあります。 - 奥行き
コンロやシンクの奥行きに合わせて600~650mmですが、オープンタイプでは、カウンターのために余分に200~300mmとる場合もあります。 - ワークトップ
標準的な高さは800~900mm。オプションで高さが調整できる場合もあります。 - 吊戸棚の高さ
棚の下端が使う人の目線の高さより100~150mm程度上にあるのが理想。 - キッチンの通路幅
1人で台所に立つ時は750~800mm程度、2人以上は最低100mm以上幅をとる必要があるでしょう。
カラーコーディネート
キッチンの配色は部屋全体の印象を決める大切な要素の一つです。リビングに接しているオープンキッチンなら、尚更リビングとの調和を考える必要があります。
- ホワイト
清潔感を与えるホワイトはキッチンの家具によく使われる色。空間を広く見せる効果があります。デメリットとしては、汚れが目立つこと。 - 茶色系
汚れが目立ちにくく無難な印象を与えられますが、無垢材を使用したフローリングと合わせたときに浮きやすく、かえってチープな雰囲気になってしまう危険性もあります。素材や材質を吟味し、可能であればオーダーキッチンを採用して家具や床材との質感を統一するのがおすすめです。 - ブラック
全体を引き締める効果がありますが、水滴や汚れが目立ちます。 - 青やグレー
ステンレスなど金属製のものと合わせやすい青やグレーは、それだけだと無機質になる可能性が。 - グリーン
ナチュラルなグリーンはほとんどの色と合わせやすいと言われます。
カラーを決める時は、施工業者などの意見を取り入れたり、アプリなどでシミュレーションすると良いでしょう。
メーカー
システムキッチンの満足度を高めるには、メーカー選びも重要です。
代表的なメーカーだけでも数社あり、ありとあらゆる可能性を提案しています。
それぞれに特徴や強みがあるので、自分の理想のキッチンと比較して、気に入るタイプが見つかるまで、あきらめずに探しましょう。工夫された設計や機能を見るだけでも参考になります。
メーカーごとの特徴
こちらでは、システムキッチンの代表的なメーカーの特徴とそれぞれのシリーズを紹介します。
どこも人気のメーカーだけあり、数種類のシリーズがあって、デザインや機能、色が豊富。
希望価格やデザイン、収納やサイズなど、あらゆる観点からこだわりのキッチンを選ぶことができます。
リクシル
リクシルは、建材や住宅設備機器メーカーでも最大手だけあり、システムキッチンの種類は豊富。
- シエラ
シンプルで低価格、手入れのしやすさなどを重視 - アレスタ
調理から後片付け、掃除までちょっとした工夫で使いやすいキッチン作りをサポート - リシェル
機能性もデザインも妥協せずにこだわりのキッチンを追求 - ウエルライフ
車椅子などの座った状態での作業を想定してデザイン
希望の価格や好みに合わせてシリーズを選べます。
クリナップ
クリナップは、日本向けにシステムキッチンを初めて開発したメーカーです。
現在はステンレスを使ったキッチンに定評があり、耐久性や掃除のしやすさを重視した実にさまざまなタイプを提供しています。
- コルティ
カラーやデザインが豊富で賃貸物件にぴったりな - ラクエラ
家具の一部としてキッチンを選べる - ステディア
デザイン・収納・手入れのしやすさが特長のステンレスキッチン - セントロ
同じステンレスでも最高級を追求した
タカラスタンダード
システムキッチンや洗面台などで国内でもトップシェアを誇る住宅機器メーカー。
システムキッチンでは、金属の強度とガラスの光沢を兼ね備えたホーロー素材が人気。、個々の事情や希望に対応できる柔軟性があります。
- カンタン取替
リフォームで最短1日で交換可能 - リフィット
システムキッチン、10mm刻みで間口を調整可能 - エーデル
リーズナブルでも収納や手入れがしやすい - トレーシア
品質重視 - レミュー
デッドスペースの収納といった細部までこだわり可能
トクラス
システムキッチンやシステムバスを主に扱う住宅機器メーカーで、キッチンでは人造大理石をいち早く取り入れたことで有名です。
- Bb(ビービー)
基本的な品質を備えてシンプル - ベリー
品質の高さや多彩なバリエーション - ドルチェ エックス
オープンキッチンのさまざまな形を追求 - harumi’s kitchen
料理家栗原はるみさんプロデュース
キッチンの可能性を広げるさまざまなシリーズから選べます。
パナソニック
日本を代表する電機メーカーのひとつで、照明器具や住宅設備など、幅広い分野を手がけています。
システムキッチンでは、汚れがたまりにくいすき間のないシンクの設計や、作業効率を考えたワークトップ、3つ並んだIHなどが特徴的。
- ラクシーナ
料理のしやすさを重視したスマート - リフォムス
困りごとが解決できてリフォームに最適 - Lクラス キッチン
ダイニング側とキッチン側から作業可能なワークトップやバラエティ豊かな扉柄が取り揃う
グラフテクト
新進気鋭のシステムキッチンメーカー「グラフテクト(GRAFTEKT)」は、シンプルかつ重厚感溢れる高機能キッチンを取り扱っています。
「良いキッチンを手の届きやすい価格で届けたい」というコンセプトのもと立ち上がった同ブランドは、高い機能性とデザインのバランスを見事に両立。
欧州トップメーカーも扱う高機能素材「エバルト」を使用したキッチンは汚れや傷に強く、独特な素材感を楽しめる仕上がりになっています。
アイランド型・L字型・ダイニングテーブル一体型と種類も多く、オプションカスタマイズの選択肢も豊富。
おしゃれなシステムキッチンを手頃な価格で手に入れたい人にはおすすめです。
こだわりのシステムキッチンで料理も楽しく
システムキッチンの特徴や選ぶポイント、代表的なメーカーをご紹介しました。
システムキッチン探しのポイントをつかめたら、あとはこだわりのキッチンを探すだけです。キッチンの設備は、以前と比較して使いやすさや手入れのしやすさなど格段に進化しています。
ハウスメーカーや工務店の担当者とも相談しながら、妥協せずにこだわりのキッチンにしてくださいね。