高層階のタワーマンションなど、大規模なマンションにあるゲストルームをご存知ですか?
住人がゲストを迎えるときなどにとても便利な施設です。
マンションによっては、高層階のラグジュアリーな部屋から眺望が楽しめたり、共用プール・露天風呂を利用できたりと、付加価値の高さが人気のゲストルームもあります。
今回は、ゲストルームとはどんなものなのか、その利用方法やメリット・デメリットなどを紹介します。
ゲストルームとは
ゲストルームとは、マンションの住人やそのゲストが利用できる部屋のことです。
ゲストルームはマンションの共用部分のひとつで、ベッドやソファ、テレビ、冷蔵庫など、必要な家具家電が一通り揃っています。
宿泊する場合は、住人が毎月払う管理費のほかに利用料金が必要ですが、東京や大阪などの中心部のマンションであれば、近隣のホテルよりも安く泊まれる上、住人とすぐ近くの部屋に宿泊できるというメリットがあります。
ゲストルームの種類
ゲストルームのタイプはマンションによって異なりますが、洋風タイプと和風タイプなど、いくつかの種類が揃っているところもあります。
規模の大きいマンションになると、宿泊できるゲストルームのほかに、パーティルームやシアタールーム、フィットネスルーム、プールまで、マンション住人やゲストが使える共用部分を備えていることもあります。
ゲストルームの料金
マンションの共用部分は住民が毎月負担する管理費でまかなっていますが、ゲストルームを利用するときには、管理費とは別に利用料を払います。
利用料は地域やマンションによってまちまちですが、大体1泊数千円ほどで、別にタオルやシーツなどの備品に数百円から1000円程度かかることもあります。
高級マンションにある高層階のゲストルームはほかより高額になりますが、東京や大阪中心部のマンションであれば、近隣のホテルの宿泊料金が1泊数万円することを考えると、格安といえるでしょう。
ゲストルームの利用方法
ゲストルームを利用する場合は、事前に予約をするのが基本のルールです。管理室やコンシェルジュへの連絡、マンションの居住者専用サイトでの予約など、方法はマンションによって異なります。
中には抽選になるほど人気のゲストルームも存在します。
連泊の可否や年間使用回数など、条件もマンションによって異なるので、事前に確認が必要です。
チェックイン・アウトの時間やゴミ出しの時間など、細かいルールも多いので、利用前にしっかりと確認しておきましょう。
ゲストルームでよくあるトラブルは?
ゲストルームは便利な反面、マナーを守らないとトラブルに発展することもあります。
主なトラブルは、ゲストの騒音やゴミの出し方、予定がないのに予約をしておいて直前にキャンセルをする、民泊として貸し出すなど、ほかの住人の迷惑を考えない行動から発生することが多いよう。
マンションの管理規約にゲストルームの利用ルールが明記されることが多いですが、ほかの住人とのトラブルにならないように最低限のマナーを守って利用するように意識しておきましょう。
ゲストルームを利用するメリット
ゲストルームを利用するメリットについて解説します。
来客を招く場合の家事負担を軽減
自分の家にゲストを招くときは、掃除や洗濯、ゲスト用の寝具の用意など、何かと手間がかかるものです。
その点、マンションのゲストルームは生活に必要な物が大体揃っていて、シャンプーや石けんなどのアメニティー以外は準備する必要がないので、とても便利。
忙しいときでも、予約できればすぐ利用できる気軽さがあります。
ゲストが気兼ねなく過ごせる
ゲストを家に泊めるとなると、人によっては気を使って気疲れしてしまうことも。
トイレやバスルームがひとつだけだと使う時間が重なったり、生活習慣の違いから、ストレスを感じることもあるでしょう。
ゲストルームを利用すれば、住人と近くにいながら、独立した空間なので、気兼ねなく過ごせます。
部屋数が足りなくても宿泊可能
自宅にゲストを招きたくても、部屋が足りなくて招待できないこともあります。そんなときにもゲストルームが役立ちます。
ゲストに寝室を提供したり、リビングルームに布団を敷くといった不便な状況を防げるほか、余分な布団がない場合など、わざわざゲスト用に物を買う必要がないのも便利です。
それまで客室として使っていた部屋も、ゲストルームを利用することで、別の目的で使えるようになります。
ゲストルーム付き物件の注意点
ゲストルームがあるマンションは、メリットだけでなく注意すべきポイントもいくつか存在します。
月々の管理費が高い物件が多い
ゲストルームなどの共用部分がある施設は、その分管理費が高くなる傾向にあります。
ゲストルーム、パーティルーム、プール、ラウンジなど、さまざまな共有部分があっても、住人が利用しないのであれば、そのために高い管理費を払う意味がありません。
それでも、ゲストルームがあるマンションは比較的大規模であることが多く、その管理も何百戸という多数の住人から支払われているので、1戸あたりの管理費は抑えられています。
共用部分を利用するのであれば、マンション外の施設を利用するよりお得と言えるでしょう。
近隣住民とトラブルに発展する可能性
上にも書いた通り、騒音やゴミ問題、予定時のマナー、民泊として利用など、ゲストルームの非常識な使い方で近隣住民とトラブルに発展することもあります。
そのトラブルが何度も続くと、ほかの利用者の迷惑になるだけでなく、その後のゲストルームに利用制限が加えられたり、マンションを売却するときの価値が下がる可能性もあります。
お互い居心地よく住み続けるために、住人もゲストも、宿泊施設ではないことを意識して、マナーを守った利用を心がけることが大切です。
イベント前後は予約が取りづらい
年末年始や連休のほか、近隣で有名なお祭りや花火大会などのイベントがある場合には、宿泊施設同様、ゲストルームの利用率が高い傾向にあります。
利用するゲストがいる場合は、早めの予約が肝心です。
でも、予約が取りづらいからといって、まだ利用の予定がないときにゲストルームの予約をしておくのは避けましょう。
ゲストルームの活用事例を紹介
ゲストルームは、その名前が示すように、マンションのゲストのためにつくられた部屋です。
でも、その使い方はいろいろ。遠方に住んでいる人をもてなす場所としてだけでなく、ホームパーティーや自分のくつろぎ空間としても利用できます。
住んでいる人たちにもメリットがあるその使い方を見てみましょう。
遠方から旅行に来たゲストをおもてなし
ゲストルームは、遠方から旅行に来るゲストの滞在先として最適です。
住人は掃除の準備や寝る場所を考えたりする必要がなく、ゲストが気軽に過ごせる場所を提供できます。
観光案内をするときにも、マンションと同じ建物や敷地に滞在すれば、宿泊施設にゲストを送迎する手間も省けます。
産後のお世話や子守りに利用
産後のお世話や子守りのために帰省した家族用に使うのもおすすめです。
自宅に泊まるとなると、かえってゲスト用の宿泊準備などで手間がかかることもありますが、ゲストルームなら遠すぎず近すぎず、ほどよい距離感を保つことができます。
世話をする家族も移動に時間がかからず、ゲストルームに戻れば自宅感覚で気兼ねなく過ごすことができます。
大人数でホームパーティーを開く
ゲストルームは、ゲストの宿泊だけでなく、ホームパーティーや仕事の会議、宿泊を兼ねたイベントなどにも利用可能です。
ただし、マンションの管理規約で制限がある場合もあるので、事前に確認しましょう。
また、大人数で利用するときには、騒音が周りに響くこともあるので、ゲストの宿泊同様、節度を持った行動を心がけましょう。
手軽にリフレッシュできるサードプレイスとして
ゲストルームは、ゲストだけでなく、住人もサードプレイスとして使うこともできるでしょう。
ときにはリモートワークのオフィスとして使ってみたり、生活感のある自宅から離れてホテルにいる気分でくつろいだり、手軽にリフレッシュが可能です。
階やインテリアが違うだけで全く違う場所のように感じられることもあるので、なかなか旅行ができずにストレスがたまっているときにもゲストルームステイを試してみてください。
ルールを守ってゲストルームを活用しよう
マンションのゲストルームは、住人の近くに滞在できるという便利な面だけでなく、ホテルライクな非日常を楽しめる空間としても活用可能です。
お住いのマンションにゲストルームがあったら、家族や友人のためだけでなく、自分でも利用してみると良いでしょう。
ゲストルームの特徴を正しく理解して、物件選びの参考にしてみてください。