「掃き出し窓ってどんな窓なの?」と疑問を抱えている人も多いでしょう。
掃き出し窓とは、人が出入りしやすいように作られた窓のことです。
リビングやベランダがある部屋などでよく見られます。
開放的な空間を演出できることから多くの家庭で人気ですが、デメリットもあるため注意が必要です。
そこで今回は、掃き出し窓の特徴や活用方法について詳しく解説していきます。
目次
掃き出し窓とは?
「掃き出し窓(はきだしまど)」とは、人が出入りしやすい窓のことを指します。
窓の下の部分が床まであるため、出入りするときに壁などをまたがずにそのまま外に出られるのが特徴です。
一説によれば掃き出し窓と呼ばれるようになったのは、まだ掃除機がなくほうきで掃除をしていた時代のこと。家中のゴミをほうきで集めたあとに、窓から庭へゴミを掃き出していました。このときに使われていた窓が掃き出し窓と呼ばれるようになったのです。
掃き出し窓に規格はある?
もともとゴミを掃き出すための窓として使われていた掃き出し窓ですが、最近ではリビングに開放感をプラスするために大きめのサイズが人気となっています。
高さは約2〜2.2m、横幅は約1.8mが標準サイズといえるでしょう。
天井ギリギリの高さまである大きな掃き出し窓にしたい場合には、2.4m程度の大きな規格もありますので検討してみてください。
バリエーション豊富な掃き出し窓の種類
日本の住宅においてよく採用される掃き出し窓。
ほとんどの家庭で設置されていることから、バリエーションが豊富に用意されているのが特徴です。
例えば省エネ効果を狙いたい場合には、高断熱性能がある窓がおすすめ。
掃き出し窓はほかの窓よりも面積が広いため、断熱性能がないガラスを選んでしまうと部屋の中が暑くなってしまいます。
また延焼時間を引き延ばしてくれるような防火窓や、住宅のセキュリティ強化を目的とした防犯窓もあります。防犯窓は侵入者を防ぐだけではなく、飛来物の被害も最小限にとどめてくれます。
掃き出し窓のメリット
掃き出し窓を設置するメリットは、次のとおりです。
- 庭やベランダに行き来しやすい
- 換気がしやすい
- 面積が広いため採光性が抜群
- 眺望に優れている
- 開放感を楽しめる
掃き出し窓は人が出入りしやすいように作られているため、庭やベランダへ行き来しやすい点が最大のメリットといえるでしょう。
ほかにも窓の面積が広い分、換気がしやすかったり、採光性や眺望に優れたりと魅力がたくさんあります。外の景色を広々と見渡せるため、開放的な気分を味わえるのも利点です。
掃き出し窓のデメリット
続いて、掃き出し窓のデメリットをみていきましょう。
- プライバシーを守る対策をしなければならない
- 防犯の施策は必須
- 断熱性の高い窓にしなければ、部屋の断熱性が低下する
- 面積が広いため飛来物の被害に遭いやすい
- 窓自体が大きいため、開閉に重さを感じる場合がある
面積の広い掃き出し窓は、庭に目隠し用のフェンスを立てたり、透けづらいミラーレースカーテンを取り付けたりしなければ、外から室内が丸見えになってしまう可能性があります。
また先にも説明したとおり、断熱性能の高い窓ガラスを選ぶことをおすすめします。これは室内の断熱性を低下させないための対策です。
それ以外にも、防犯や飛来物に備えて施策を練っておく必要もあります。
面積が広いことでさまざまなメリットが得られることは事実ですが、同時にデメリットが発生してしまうためしっかりと対策を行っておきましょう。
後悔しない掃き出し窓設置のポイントを解説
次に、掃き出し窓を設置するときのポイントを解説します。
外に出る頻度が高いならステップ設置がおすすめ
掃き出し窓の外側にウッドデッキや縁台などを設置していない住宅で、外に出る頻度が高い場合には簡易ステップを設置しましょう。
敷地の構造上、ウッドデッキなどの設置が難しい家も多くあります。
掃き出し窓の外側にウッドデッキなどが設置されていないと、窓から出るときに高い段差を降りなければなりません。
そのため外に出る頻度が高ければ不便に感じることもあるでしょう。
また高い段差による子どもの落下を懸念している人も少なくありません。そこで簡易ステップを設置すれば、段差が解消されるため利便性や安全性が向上します。
家を建てるときにウッドデッキや縁台を設置しておくのか、あとから簡易ステップを設置するのか、ライフスタイルと照らし合わせながら検討していきましょう。
防犯にこだわるなら雨戸よりもシャッターを
「リビングの窓だから防犯性能を高めたい」と考えているのなら、雨戸よりもシャッターを選びましょう。
シャッターほうが頑丈に作られていることが多く、防犯性能が高いからです。
最近では利便性の高い電動シャッターも登場しています。手動のシャッターでは年月が経つとともに内部が錆び付いてきてシャッターが重く感じたり、開閉時に手が汚れたりとデメリットも。
しかし電動シャッターなら、これらのデメリットを解決できます。
とはいえ電動シャッターは手動よりも費用がかかることを覚えておきましょう。
必要な機能と予算を検討する
これまでに紹介してきた機能性をすべて盛り込もうとすれば、それだけ費用がかかります。
そのため自分の家にとって必要な機能を検討して、予算とすり合わせなければなりません。
例えば掃き出し窓を高断熱性ガラスにする場合、30〜50万円程度の費用が発生します。
また住宅密集地ではプライバシーを保護するために、どこの窓をすりガラスやモザイクガラスにするのかも考える必要があります。こちらの費用相場は2〜5万円程度。
このように選ぶスペックによって予算が変動することも覚えておきましょう。
掃き出し窓と相性が良い便利グッズを紹介
最後に、掃き出し窓と相性が良い便利なグッズを紹介します。
「機能性は欲しいけど、予算に余裕がない」といった場合に活用してみてくださいね。
目隠しにはシートや遮像カーテン
面積の広い掃き出し窓により近隣住民や通行人の視線が気になる場合には、窓に貼る目隠しシートがおすすめです。
すりガラスタイプのシートは、採光性もありながら外からの視線を遮ることができます。
ミラータイプのシートなら、眺望を損わずに視線をシャットアウトできるでしょう。
窓の設置場所や環境によっては、窓の半分から下だけにシートを貼れば視界が気にならなくなる場合もあります。
また向こう側が見えづらくなる遮像カーテンもおすすめです。
カーテンなら見られたくないときには閉めておき、日の光を取り入れたいときには開けておくといった柔軟な使い方もできます。
寒さ対策に窓用の断熱シートを活用
断熱性能が欲しい場合には、窓用の断熱シートを使いましょう。
室内の暖かい空気を外に逃さず、電気代節約にもつながります。
また結露防止効果のある断熱シートも登場しています。ライフスタイルに合わせて機能性も重視しながら選んでいきましょう。
防犯対策には補助錠・防犯アラームを
掃き出し窓の防犯対策には、補助錠や防犯アラームを設置しましょう。
玄関周りの防犯性能を高めているご家庭は多いですが、空き巣被害の約6割は窓から侵入していることをご存知でしょうか?
住宅全体の防犯性能を高めたいのなら、掃き出し窓にも防犯対策をしておくことが大切です。
先にも説明したように、掃き出し窓は1階のリビングなどによく設置される窓です。
リビングには大切なものが置いてある可能性も高く、空き巣が窃盗する部屋でもあります。
そのため玄関周りだけではなく、窓にも補助錠や防犯アラームを設置しておくと安心です。
採光力抜群の掃き出し窓で開放感を味わおう
今回は眺望抜群な掃き出し窓について紹介しました。
掃き出し窓とは、人が出入りしやすい床まである大きな窓のことです。
開放感を味わえるため、リビングなどの家族が集まる場所に設置されていることが多い傾向にあります。
しかし面積が広いぶん、断熱性や防犯性に劣ってしまうため対策が必要です。紹介した知識やアイテムを活用して快適な暮らしを手に入れましょう。