駅近とは、最寄駅まで徒歩10分圏内の物件を指します。
賃貸契約の戸建てやマンションの場合、駅近物件はいつの時代も人気が高い傾向にあります。
それでは、注文住宅などでマイホームを建てる場合はどうなのでしょうか?
この記事では、マイホームを駅から近い場所に建てるメリット・デメリットや、駅近の条件を満たす土地の探し方について紹介します。
目次
マイホームを建てるならまずは土地選びから
マイホームの購入を検討しているなら、まずはどこに家を建てるのかを考えることから始めましょう。
子どもが通学しやすい場所や交通網が整備されたエリア、商店街がある利便性の高い街、静かで落ち着いた郊外のベッドタウンなど、土地によって異なる特徴があります。
選ぶときのポイントは、どんな地域でどのように暮らしたいかを明確にすること。
自身が理想とする生活と家族の希望を比較して優先順位を付けることで、土地の条件が明確になってきます。
理想の土地の探し方
実際に土地を探すには、不動産会社へ行ったり、インターネットで探すのが一般的です。
不動産会社は物件情報も豊富で、インターネットでは見つけられない情報を得られる場合もあります。
インターネットでは、不動産会社の垣根を越えて幅広い物件をチェックできるので、物件を絞り込むのによいでしょう。
このほか、自分の足で歩いて探したり、不動産関係の人脈を利用して紹介してもらう方法もあります。
駅近物件に住む4つのメリット
利便性の高さに定評がある駅近物件ですが、実際に住むとどのような生活が待っているのでしょうか。
この章では、駅近物件に住むことで得られる4つのメリットについて紹介します。
目的地まで好アクセス
駅近で嬉しいのはなんといってもアクセスが良いこと。
最寄駅までの距離が遠ければ、そのぶん電車の時間に合わせて早く準備をしないといけません。
特に通勤・通学は毎日発生するものなので、積み重なった行き帰りのロス時間はかなりのものになります。
駅までの距離が近いだけで外出のハードルが低くなるため、外に出るのが好きな人には嬉しい立地になります。
商業施設が多く買い物が便利
駅の周辺には商店街や商業施設が整っている場合が多いため、仕事帰りに日々の買い物をしたい人には便利です。
また、図書館や役所などの公共施設も駅周辺にあることが多く、利便性の高さは駅近の大きな魅力です。
夜道でも人通りがあり安心
駅周辺にはバス停やタクシー乗り場があるため人が集まりやすく、常に人目が多いので通勤・通学・行き帰りの道が安全になりやすいです。
また、商業施設の周辺は街頭などが多いため、夜道でも歩きやすいのが駅近の魅力です。
駅近は物件の資産価値を維持しやすい
将来的に引っ越しを考えている場合、地価が下がって家を売りにくくなったり、借り手がつかなくなったりする不安があります。
しかし駅近立地であれば、利便性の高さゆえに購入・引っ越し希望者が多いため、資産価値を維持しやすくなります。
駅近物件に住む4つのデメリット
便利な駅近物件でも、理想とする暮らし方によってはメリットを感じられないこともあります。
ここからは、駅近物件に住んだときに感じやすいデメリットについて紹介します。
電車の騒音が気になる場合も
駅周辺は、電車・バス・タクシー・人の往来などで賑やかですが、そのぶん騒音が気になるという方も少なくないでしょう。
特に家と線路が近い場合、数分ごとに行き交う電車の走行音や踏切の音を聞くことになるため、安眠を妨げられてしまうなどの問題があります。
また、商店街に面した駅近物件では、終電間際の酔っ払いたちの声が大きくて気になってしまうこともあります。
子どもがのびのびと遊べる公園が少ない
商業施設が多い駅周辺には、子どもがのびのびと遊べる広い公園が近くにないことが多いです。
子育て中のご家庭で、「公園が近くにあるほうがいい」「広い公園で遊ばせたい」と考えている場合は、駅近物件は向かないかもしれません。
狭いのに土地の価格が高め
一般的に土地の価格は駅周辺が高めで、駅から離れるほど土地の価格は下がっていく傾向があります。
そのため、駅近物件と駅から離れた物件が同じ敷地面積であれば、当然駅近は土地価格が高めになります。
広々とした敷地を求める場合、駅近は希望条件を満たせないことが多いです。
都市開発などで環境が変わりやすい
駅前は再開発などが行われることも多く、街の様子が変わりやすいことがあります。
駅近の場合、周辺には家だけでなくビルが建設されることもあります。
開発が進んだ結果人口が増えてしまい、混雑しやすくなったり、日当たりが悪くなったりすることもあります。
駅近の土地を購入するときの注意点とは?
駅近のメリット・デメリットを踏まえたうえで、駅近の土地を購入するときにチェックしておきたい注意点を紹介します。
用途地域を確認する
計画的な市街地を形成するために決められている「用途地域」。
これは、住居系・商業系・工業系などに分類されています。
用途地域よって建てられる建物が決められており、高さ制限、建ぺい率、容積率といった基準が異なります。
一戸建ての場合、工業専用地域以外なら建てることができます。
長く暮らせる場所を見極めるために、家を建てたい土地の用途地域はあらかじめチェックしておくと安心です。
不整形地は何がいけない?
駅近立地だと、道路からの路地部分が細長く、奥に敷地がある「旗竿地」という形状の土地が販売されていることもあります。これは、「不整形地」と呼ばれています。
不整形地は販売価格がリーズナブルですが、固定資産税や都市計画税などの評価額が低く、ビルに囲まれた奥まった場所に建築する必要があります。
そのため、建築コストがかかったり、住宅ローン審査に通りにくかったりする場合があります。
建築条件付きの土地の条件とは?
駅近という条件で土地を探していると見かける建築条件付きの土地。
これは、売主が家を建てる建築会社を買主に指定し、一定の期間内に売主と契約している建築会社で家を建てることを条件に販売される土地のことです。
条件が付いているぶん土地の価格は少し抑えられていますが、特殊な建築や著名な建築士への依頼ができないため、こだわりがある方には不向きかもしれません。
ハザードマップのチェックは必ず行う
土地を購入するときは、駅近かどうかに関わらず、その土地が安全な場所であるかも確認しておきたいものです。
地震や台風の被害については、自治体が出しているハザードマップで地盤の液状化や河川の氾濫、浸水などの情報を確認できます。
ハザードマップの確認だけでなく、土地を販売している不動産会社にも確認してみるとよいでしょう。
ハザードマップだけではチェックできなかった情報を知ることができるかもしれません。
暮らしの特徴を抑えて駅近マイホームを検討しよう
家を建てる場合は土地選びから始めることが多いでしょう。
その際、どんな場所でどんな暮らしをしたいかを考えると選びやすいはずです。
「通勤や通学に時間をかけたくない」「利便性が高い場所に住みたい」という方は、駅近の土地がおすすめです。
ただし、駅近は狭い割に高かったり、不整形地で建築しにくくなるケースもあるので、注意点もよくチェックしておきましょう。