家づくりで最も気になるのは、収納スペースの広さではないでしょうか。
「生活感のないおしゃれな家に住みたい」と考えるなら、最適な収納スペースをつくり、家をスッキリ見せる必要があるでしょう。
新しい家を収納計画に基づいてつくれば、理想の家を実現できます。
この記事では、収納計画を立てるメリットや収納スペースの広さの目安、収納計画の立て方などを解説します。
最後に収納アイデアも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
収納計画とは
収納計画とは、生活スタイルや家族構成に合わせた収納をつくるプランニングのことです。
家族の生活動線上にちょうど良い広さの収納スペースをつくれば、片付けの手間が減り、家事の時短にもつながります。
そのため、計画的に収納をつくることは、家を建てる際の重要なポイントといえます。
注文住宅で収納計画を立てるメリット
収納計画を立てる際に、どのような収納アイテムを取り入れるかを検討する必要があります。
特に自由に設計できる注文住宅の場合、収納計画は間取りを考える上で優先度が高いでしょう。
注文住宅での収納計画には、4つのメリットが考えられます。
- 理想の収納場所をゼロからつくれる
- スペースに合わせて造作できる
- 使いやすさを追求できる
- デザインの自由度が高い
快適に使える収納スペースを計画的につくることで、家の中が片付けやすくなり、スッキリとした空間を維持できるでしょう。
4人家族の収納計画で考える広さの目安
ここでは、収納計画を考える際に目安となる、収納スペースの広さの割り出し方を紹介します。
ここでの広さとは、衣服や身の回りのものを収納するクローゼットだけでなく、パントリーや納戸、倉庫なども含めた、家全体の収納スペースの目安です。
家族の人数から考える
一般的に収納の広さを家族の人数で考える方法では、大人1人につき1.5畳、子ども1人につき0.5畳は必要だといわれています。
子どもが成長するにつれて物が増えることを考慮すると、大人4人分の6畳程度あると安心でしょう。
収納率から考える
もう一つの考え方として、収納率から計算する方法もあります。
収納率とは、住宅の総床面積に対する収納部分(押し入れやクローゼットのように、高さがあるスペース)の面積の比率を指します。
戸建て住宅の場合、一般的な収納スペースは全体の15%前後が適当といわれています。
例えば、30坪(100㎡)の家を建てる場合、計算すると4.5坪(14.88㎡)で約8〜9畳分の広さです。
これだけの広さを取れれば、ゆったりと収納スペースを使えます。
収納計画の立て方
ここでは、具体的に収納計画を立てるための、3つのステップを紹介します。
持ち物の量を把握する
収納計画を立てる最初のステップは、家族の持ち物の量を把握することです。
衣類・日用品・家電・書籍・趣味のものなど、細かいものも含めて調べましょう。
中でも、雛人形や五月人形、クリスマスツリーなどの季節ものや、スキーやスノボ用品、キャンプ用品などのアウトドアグッズは大きな収納物のため、サイズも確認しておくと良いでしょう。
将来増える物をリストアップする
次のステップは、将来増える可能性のある物を予想し、リストアップすることです。
子どもの成長や進学によって増えるアイテムや、これから始めようと考えている趣味のものなど、できるだけ具体的に考えておきます。
そうすることで、将来収納スペースが足りなくなったり、ライフスタイルが変わって、収納スペースが使いにくくなったりするのを防げるでしょう。
適材適所に持ち物を割り振る
最後のステップでは、持ち物と増える物を使いやすい場所に割り振り、収納の間取りを検討しましょう。
理想的な配置は、使用場所と収納場所を近くすることです。
その際に、使用頻度で分けることも重要です。
使用頻度が高い物を取り出しやすい場所に配置すると、出し入れにストレスがかかりません。
収納計画で使いやすい収納場所をつくるポイント
ここでは、収納計画を立てる際に、収納する場所や間取りをつくるポイントを紹介します。
収納の使いやすさを重視する
収納する場所をつくるときには、使いやすさを重視しましょう。
収納の使いやすさは、高さ・奥行き・棚の数が、収納する物の量や使用頻度に合っているかで決まります。
収納スペースは、広ければどんなものも収納しやすくなるわけではありません。
広すぎて何がどこにあるのか分からなくなったり、奥に仕舞い込んだ物が取り出せなくなったりすることもあります。
まずは、使用頻度の高い物とサイズの大きい物の定位置を最初に決めると、他のアイテムの配置を決めやすくなります。
見せる収納と隠す収納を使い分ける
収納場所を決める際に検討したいのは、見せる収納と隠す収納の配分です。
使用頻度が高く、デザイン性のあるものは、ディスプレイとして見せる収納にしても使いやすいでしょう。
日用品など雑多な物は、隠す収納にすると空間がスッキリします。
収納に扉があると使いづらい場合は、引き戸にすることも検討しましょう。
見せる収納は、おしゃれなインテリアとしても楽しめますが、掃除の手間がかかることも念頭に置いて計画しましょう。
コンセント・照明をつける
収納計画を立てる際に、コンセントや照明の配置に注意しましょう。
コンセントの位置や数は、ウォークインクローゼットで乾燥機を使ったり、パントリーにワインクーラーを置いたりなど、ライフスタイルや間取りによって異なります。
収納の広さや棚のサイズによって、使いやすい照明の位置も決まるため、設計担当者に相談しながら検討することをおすすめします。
収納計画でつくる大型収納スペース
ここでは、注文住宅でつくれる、おすすめの大型収納スペースを紹介します。
土間収納
玄関の脇につくる土間収納は、靴を脱がずに大きな物や汚れた物を収納できます。
特に、アウトドア用品やスポーツ用品を収納したい場合に重宝します。
シューズインクロークも備えれば、コートやカバンなども置けるため、花粉やウイルスを室内に持ち込むリスクを減らせます。
パントリー
キッチンの近くにパントリーがあると、食料品や日用品のストックを1カ所にまとめて収納でき、家事の負担を減らせます。
キッチン回りは調理器具や食器、ストック食材など、サイズの異なる細かい物が多く、スッキリ片付けるのに苦労する場所です。
パントリーを設置することによって、片付けが楽になるでしょう。
ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットは収納力があり、衣類だけでなく、さまざまな物を収納できます。
寝室の横に設置するのが一般的ですが、玄関や洗面所付近に設置すると、朝や帰宅後の生活動線を短くできるでしょう。
広いファミリークローゼットを採用すれば、家族の持ち物を一括管理できるため効率的です。
収納計画で取り入れたい収納アイデア
ここでは、収納計画で取り入れたい、注文住宅ならではの収納アイデアを紹介します。
家中にあるデッドスペースを有効活用すれば、収納スペースを増やすこことも可能です。
リビング:小上がり床下収納
リビングに小上がりを設置して床下収納にすると、リビングに小物を入れる棚を設置しなくても、さまざまな物を収納できます。
リビングで使う筆記用具や充電器、子どものおもちゃや絵本なども収納できるため、スッキリ片付いた状態を維持しやすいでしょう。
ダイニング:ベンチ床下収納
ダイニングにベンチタイプの椅子を造作すれば、収納スペースとして利用できます。
キッチンの近くであれば小さなパントリーとして使えるため、ダイニングで使う可能性のある土鍋やたこ焼き器、ホットプレートなどのキッチン家電も収納できます。
ストック食材やお菓子類など、かさばるものも入れやすいでしょう。
洗面所:オープン棚収納
洗面所に大きめのオープン棚をつくれば、洗濯用品やタオルだけでなく、パジャマや下着なども収納でき、生活動線が効率化します。
化粧品や美容家電などもバスケットやボックスに入れて収納すれば、見た目にもスッキリするため、使い勝手の良い空間になるでしょう。
トイレ:ニッチ収納
ニッチ収納とは壁面にくぼみを利用して棚をつくり、おしゃれに収納できるスペースを指します。
トイレに横長のニッチ収納をつくり、トイレットペーパーのストックや、トイレ用スプレーなどを収納することも可能です。
置くものを厳選すれば、ホテルのトイレのようにおしゃれな演出ができます。
階段:蹴込収納
階段の蹴込部分を収納にする方法もあります。
リビングに階段がある場合は、引き出しをつけてリビングで使う小物を収納したり、階段の一段目をお掃除ロボットの置き場所にしたりと重宝するでしょう。
他にも階段の高さを活かして本棚にすれば、階段をリーディングヌック(読書用小スペース)にもできます。
最適な収納スペースをつくって暮らしを快適に
ここまで、収納計画を立てるメリットや収納スペースの広さの目安、収納計画の立て方などを解説してきました。
収納計画で最も大切なのは、適材適所に持ち物を振り分けることです。
そうすれば便利に収納を使えるため、片付けのストレスが減り、日常的にスッキリした空間を維持しやすくなります。
収納計画で最適な収納スペースをつくり、快適な暮らしを手に入れましょう。