壁面に接しているのが特徴の「壁付けキッチン」は、以前からある定番のレイアウト。
そのため「ひと昔前の台所」というイメージをお持ちの方もいるでしょう。
しかし最近では、あえて壁付けキッチンを選ぶ人も増えてきています。
この記事では、壁付けキッチンの特徴やメリット・デメリット、種類について詳しく解説します。
魅力を再発見して、キッチンスタイルの選択肢の幅を広げてくださいね。
目次
壁付けキッチンとは?
「壁付けキッチン」とは名前の通り、キッチンの正面部分が、壁に接している台所のこと。
「ウォール型キッチン」と呼ぶ場合もあります。
以前から日本の住宅において、多く取り入れられているレイアウトです。
対面式キッチンに比べて
- 調理中に家族とコミュニケーションを取りにくい
- 作業スペースが狭い
- 昔っぽい
といったイメージもありますが、工夫次第で使いやすいキッチンを実現できます。
壁付けキッチンのメリット
壁付けキッチンには、対面式にはない魅力がたくさんあります。
この章では、壁付けキッチンならではのメリットを3つ紹介します。
限られたスペースを広く使える
壁付けキッチンなら、リビング・ダイニングスペース、カウンターといった、台所以外の空間を広く使えます。
壁にぴったりつけて設置するため、無駄な空間を作りません。
余裕があれば、キッチンスペースにダイニングテーブルを置き、作業台や食卓としても活用できます。
キッチンでの作業に集中しやすい
調理に集中しやすいのも、壁付けキッチンならではの魅力です。
壁と向かい合っているため、テレビなど調理に関係ないものが視界に入りません。
対面式キッチンより、油や水ハネ、ニオイが広がりにくいのも嬉しいポイントです。掃除のことを気にせずに作業に専念できます。
動線に無駄ができにくい
壁付けキッチンのメリットとして、動線に無駄ができにくいことが挙げられます。
キッチンのすぐ後ろにダイニングテーブルを配置すれば、食器や料理を配ったり、食べ終えたあと下げたりするのがスムーズ。
テーブルにレシピを置いて、見ながら調理することも可能です。
壁付けキッチンのデメリットと対策方法
メリットの多い壁付けキッチンですが、場合によっては「使いにくい」と感じることもあります。
この章では、壁付けキッチンのデメリットを、対策方法と一緒に解説します。
動線が悪くなる場合がある
壁付けキッチンの場合、ダイニングテーブルの置き場所によっては、動線が悪くなることも考えられます。
冷蔵庫や電子レンジといったキッチン家電や、食器棚などをキッチンの左右に配置すると、横への移動が多くなってしまいます。
動線をよくするためには、下記のような工夫が必要です。
コミュニケーションが取りにくい
壁に向かって調理する壁付けキッチン。
作業に集中しやすい反面、家族や訪問者とコミュニケーションが取りにくいデメリットがあります。
特に小さい子どもやペットがいる場合、様子が見えにくいと不安ですよね。
とはいえ、調理中に何度も振り返るようでは大変です。
ほかのスペースの様子を確認しながら作業したい場合は、壁付けキッチンの背面にカウンターを設置するのがおすすめ。
下ごしらえ・配膳などはカウンターの上で行えば、家族との会話も楽しめます。
キッチンの中が見えやすい
壁付けキッチンの場合、リビングやダイニングスペースから中の様子が見えやすくなります。
整理整頓が苦手な人は、来客時に「キレイにしておかなくては」というプレッシャーを感じるかもしれません。
キッチンカウンターやパーテーション、ブラインドなどで、目隠しをすると良いでしょう。
ゴミ箱など生活感が出やすいものは、収納ユニットの中に隠すのも、すっきり見せる方法のひとつです。
後ろを人が行き来する場合には注意が必要
壁付けキッチンは、作業中に後ろを通る人の気配に気付きにくいので注意が必要です。
熱い鍋を持っているときや、油を使っているときには、特に気を配りましょう。
家の中を子どもやペットが走り回る場合は、なるべくキッチンを奥に配置したり、カウンターを置いたりといった安全対策が必須です。
壁付けキッチンの間取りは2種類
壁付けキッチンを導入するときの間取りは2種類あります。
- オープンキッチン
キッチンとリビングスペースが、壁などで遮られていないタイプ。開放感があり、調理しながら家族とコミュニケーションを取りやすいのが魅力です。 - 独立型キッチン(クローズドキッチン)
壁やドアで仕切られているのが特徴。余計なものが視界に入りにくいので、一人で黙々と作業したい方に向いています。
壁付けキッチンのレイアウト
壁付けキッチンのレイアウトは「I型キッチン」「L型キッチン」の2種類があります。
工夫次第で、壁付けと対面式の機能を両立させることも可能です。
キッチンに窓がある場合は、窓側にシンクやコンロを配置し、外の景色を見ながら作業を行えるようにしても良いでしょう。
I型キッチン|壁付けの定番レイアウト
I型キッチンはコンロ・シンク・調理台が横一列に並んでおり、壁付けキッチンに多いレイアウトです。
壁に向かって調理するため、作業に集中しやすい反面、家族とのコミュニケーションが取りにくいデメリットがあります。
スペースに余裕がある場合は、カウンターを設置してII型キッチン風にすると、家族との会話を楽しんだり、テレビを見ながら調理したりできます。
L型キッチン|効率的に作業できる
名前の通り、アルファベットのL字型をしたL型キッチン。
シンクと調理台を壁に沿ってレイアウトできます。
I型キッチンより長くしても動線を短くできるので、スムーズに作業したい人におすすめ。
ただし角がデッドスペースになりやすいため、工夫が求められます。
壁付けキッチンが向いている人
この章では、壁付けキッチンが向いている人の条件の例を紹介します。
キッチンタイプを決めるときの、参考にしてみてくださいね。
理想の条件に合う壁付けキッチンを導入しよう
どのキッチンタイプにも、メリット・デメリットは存在します。
しかしデメリットが気になる場合も、工夫次第で自分好みの台所を実現させることは可能です。
まずは、理想の条件を洗い出し、どんな壁付けキッチンなら使い勝手が良いか、いろいろなアイデアを考えてみてくださいね。