「蛇口ってたくさん種類があってよくわからない…」「どの蛇口がどこの場所に最適なの?」と悩んでいる人もいるでしょう。
蛇口は取り付け方によって3つのタイプに分類され、さらに代表的な種類が6つもあります。
そこでこの記事では、一般住宅における蛇口の種類を徹底解説します。
場所別に蛇口の選び方や特徴なども説明しているので、家の蛇口をどれにすればいいのか悩んでいる人は参考にしてください。
目次
蛇口の取り付け方は3種類
はじめに、3種類の蛇口の取り付け方について紹介します。
自宅の蛇口がどのタイプで取り付けられているのかをチェックしておきましょう。
壁付の蛇口
「壁付の蛇口」は、壁の中にある水道管に直接取りつけるタイプです。
一般家庭のキッチンで見かけることが多いでしょう。
壁付の蛇口は、壁の中に埋まっている水とお湯の給水管の距離に適した製品を購入しなければ設置できません。
ただし販売されている壁付蛇口の多くは、アームが少し動かせます。
たとえば水とお湯の給水管の幅が20cmであった場合、購入する壁付蛇口はアームの可動域が「12〜20cm」などと記載されている製品を選びましょう。
台付の蛇口
「台付の蛇口」は、壁付の蛇口とは異なり、洗面台やキッチンシンクの台などの「台」に取り付けられている蛇口のこと。
「デッキタイプ」と呼ばれることもあります。
台付の蛇口は「台付ツーホール蛇口」と「台付ワンホール蛇口」の2つに分類できます。
台付ツーホール蛇口とは、蛇口の根元の接続部分に2つの穴が開けられているタイプの蛇口です。
代表的な蛇口タイプを6つ紹介
ここからは、代表的な蛇口のタイプを6つ紹介します。
単水栓
「単水栓」とは水かお湯のどちらか一方しか出せない蛇口のことです。
単水栓は外の水道や洗濯機の蛇口などによく使用されます。
- 単水栓にも壁につける「横水栓」や台につける「立水栓」
- 吐水口とハンドルが2つずつ付けられている「二口水栓」
- 吐水口が左右などに動かせる「自在水栓」
どの種類にしても水とお湯を使い分けられませんので、設置場所は慎重に選びましょう。
シングルレバー混合栓
現在主流である「シングルレバー混合栓」は、1つのレバー式ハンドルによって水やお湯の調節、出す、止めるなどが簡単にできるようになっている水栓です。
手が濡れている場合にも簡単に水やお湯を出したり止めたりできるため、キッチンに設置されることが多いタイプです。
また素早く止め出しができることで節水効果も期待できます。
シンプルな見た目だけではなく、レバー操作に力はいらないためユニバーサルデザインともいえるでしょう。
ツーハンドル混合栓
「ツーハンドル混合栓」とは、水とお湯のそれぞれ独立したハンドルが付けられている蛇口です。
吐水口は1つですが水とお湯を使い分けることができ、それぞれのハンドルを回しながら微妙な温度調節もできます。
少し前の時代によく見かけたタイプの蛇口といえるでしょう。
ツーハンドル混合栓にシャワーが付けられた浴室用も販売されています。
分岐水栓
「分岐水栓」とは現在設置されている蛇口に取り付けて、水を分岐させる部品のことです。
たとえば食洗機を使うとき、キッチンシンクの水道から水を引かなければならない機種もあります。
そうした場合に、キッチンの蛇口に分岐水栓を取り付けて食洗機に繋げるのです。
分岐水栓はあくまでも部品の名前ですので覚えておきましょう。
サーモスタット式混合栓
「サーモスタット式混合栓」とは、蛇口の内側に水とお湯の温度を自動調節してくれる「サーモスタットカートリッジ」が設置されている蛇口のことです。
浴室のシャワーがこれにあたります。
温度調節ができるハンドルで希望の温度を設定しておくと、サーモスタットカートリッジによって温度が一定に保たれます。
給湯器からの水圧などが変化しても急に冷たくなることがありません。
またお湯が出てくるまでの時間がそれほどかからずに、捨て水が少なく経済的といえるでしょう。
自動水栓
手をかざすとセンサーが感知して水を出し止めする「自動水栓」。
公共用トイレなどでよく見かけますよね。
ハンドルを触らずとも水を出してくれるため、ハンドルやその周りが汚れずに済む点が魅力です。
また洗ってキレイにした手も、ハンドルを触らないため清潔に保てます。
最近ではキッチンや洗面所などで自動水栓を取り入れる一般家庭も増えました。
自動水栓は水かお湯しか出せない単水栓のほかにも、設定した温度で保ってくれるサーモスタット式混合栓などもあります。
場所別で変わる蛇口を選ぶときのポイント
家の中には、キッチンや浴室、洗面台などさまざまな場所で蛇口が使われます。
場所によって蛇口を選ぶときのポイントが異なることをご存知でしょうか?
ここでは各場所に合わせて蛇口の選び方などを紹介します。
キッチン・台所
キッチンや台所におすすめしたい蛇口は「切り替えシャワータイプ」や「浄水器内蔵タイプ」の蛇口です。
切り替えシャワータイプは吐水口付近に設置してあるレバーやボタンなどで、水流をシャワーかストレートに切り替えられるようになっています。
また浄水器が内蔵されているタイプの蛇口では、別に浄水器を用意する必要がありません。
シンク下などのスペースを有効活用できるでしょう。
先にも紹介したような「自動水栓」もおすすめです。
浴室
浴室で使う蛇口は、シャワー付きの「サーモスタット式混合栓」がおすすめです。
体や頭を洗っているときに急に冷たくなってしまうこともほとんどありません。
子どもや高齢者でも安心して使用できます。
また浴槽にお湯を貯めるための蛇口には「定量止水タイプの混合栓」が最適です。
設定したお湯の量になったら勝手にお湯を止めてくれるため、浴槽が溢れることはありません。
洗面台
洗面台におすすめしたい蛇口は「引き出しシャワータイプ」や、吐水口が左右に動く「可動タイプ」などです。
引き出しシャワータイプは、吐水口の内部に伸びるホースが設置されていて、洗面台を掃除するときに活躍します。
またバケツに水を貯めるときにも重宝するでしょう。
洗面台がそれほど広くないのであれば可動タイプでも大丈夫です。
そしてキッチンと同じく「自動水栓」もおすすめします。
ハンドルを触る必要がない自動水栓は、石鹸できれいに洗った手を清潔に保てるからです。
ご自身やご家族が使い勝手の良いタイプを選びましょう。
庭・ベランダ
庭やベランダなど屋外で使用する蛇口は、水のみが出せるシンプルな「単水栓」がよいでしょう。
屋外でお湯を使う機会はあまりないため単水栓で十分です。
ガーデニングなどを楽しむ人で水やりにホースを使う場合には、吐水口先端に溝がありホースを取り付けられるようになっている単水栓を選びましょう。
蛇口の基礎知識を知り家作りをスムーズに
今回は一般住宅における蛇口の種類を紹介しました。
蛇口と一口にいってもその種類は多岐にわたります。
設置したい場所に合わせて、適合した種類の蛇口を選ばなければ設置できません。
またレバー式や自動水栓など使い勝手も蛇口によって大きく異なります。
それぞれの蛇口の利便性などを把握して、スムーズに蛇口を選んでいきましょう。